浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



手打ち?うどん〜無錫排骨?その1

dancyotei2012-04-11


4月8日(日)



第一食は、手打ちの月見うどん。


いや、正確には手のし、手切り、くらいか。






先週作った、餃子の皮の生地が、半分余っていたので
それで、うどんを作った、のである。


実は、餃子の皮は、パン焼器のレシピを見ながら、
半量のつもりであったのだが、全量、うどん、3〜4人前の量の生地を
作ってしまった。


案の定、生地には半分しか使わず、あとは
パン焼器でこねた玉の状態のまま、冷蔵庫へ入れておいた。
これを伸ばして、切って、茹でる。


蕎麦などはともかく、うどんを伸ばして切るのは、
さほどむずかしいことではない。


大きな玉を手のひらでつぶし、先週使った麺棒で伸ばす。


ただし、量が少ないので、伸ばす形を考えないといけない。
横幅が短く、天地に長い、長方形。
これは一本の麺の長さを長く取るため。
(まあ、麺の長さなど、味には関係ないが。)


これを折り畳んで、包丁で切る。


蕎麦を切るのは、プロの仕事だが、うどんの場合は、
一本の切る幅を揃えればOK。これは茹で時間を揃えるため。
太くても揃っていれば、なんら問題はない。


お湯が沸騰しているところへ入れ、茹で時間は、5〜6分か。
(むろん、太さによって異なる。)


つゆは、桃屋のつゆを水で伸ばし、ねぎだけを入れて煮込む。


うどんが茹で上がったら、流水で3〜4回水洗いし、
ポットのお湯で湯通し。
丼に移し、鍋の汁を張り、生玉子と薬味用のねぎを散らし、
出来上がり。


桃屋のつゆも、ほんとうは、鰹出汁で
伸ばすのがよいのだが、めんどうになり、やめた。


1週間前に作った生地だが、十分食える、
腰のあるうどんには、なった。


うどんなども、手打ちは、やはりまったく味が違う。
頻繁に食べたいもの、ではある。
これから、夏に向けて、讃岐風にぶっかけも、うまい。


だが、なにがたいへん、といって、やはりこねるのが
時間もかかるし、大仕事、なのである。
レシピ通りきちんと粉と水を測って入れれば、
コトコトと、1時間で勝手にこねてくれる。
パン焼器での生地作り、画期的、で、ある。


さて。


午後。


今日は、先週、懸案であった、無錫排骨。
思い余って、と、いうのだろうか。ちゃんとした
ものを食べていないのだが、自分で作ってみようと
無謀ながら、考えた。


この暴挙には、近くのハナマサに、排骨らしきものを
売っているのを見かけていたのが、大きく関わっている。


それで、作ってみようか!、で、ある。


しかし、私の場合、食べたことのないものを
レシピだけ見て作ることほど、危険なことはない。


大体において、調味料は目分量、つまり、勘。
(レシピがあっても、自己調整してしまうのである。)


そして、私の料理の作り方は、出来上がりをイメージし、
そこに向かって、作る。
ちょっと、わかりにくい言い方かもしれぬが、
外で食べたものでも、この味になるには、どういう調味料を
使って、どんな調理法なのかを想像し、シミュレーションして
作るのである。


むろん、一度で思い描いたものはなかなかできないが、
なん度か作って、失敗を繰り返すと、それなりに
思い描いたものができてくる。


だが、これも、最終の出来上がりがイメージできているので
できること。


最終の出来上がりを知らない、つまり、
食べたことのないものを作るのは、無謀な話、なのである。


さて。


そのハナマサへ買いに出る。


商品の名前は、豚軟骨付きばら肉、というようなもの。


冷凍で大きな袋入り(1kg程度であったか)。
1000円ちょっと。


買って帰り、まずは、密封された袋のまま水に突っ込み解凍。
大袋なので、時間はかかる。


問題のレシピ。


ウィキペディアによれば、しょうゆベースのたれに漬け込み、油で揚げ、
さらに30分ほど、漬けたたれ同様のつゆで水分がなくなるまで煮込む。
こういうことらしい。


また、別のレシピには揚げるときに衣をつける、というのもあった。


ある程度溶けたところで、待ちきれず、袋を開け、
半解凍のものを、食べる分10個ほど、むしり取る。


これをたれに漬け込む。
ボールにしょうゆ、日本酒、紹興酒、気持ち砂糖。
それから、五香粉をパラパラ。


五香粉、というのは、ご存知であろうか。
中華の合わせ香辛料。
桂皮(シナモン)、丁香(丁子、クローブ)、花椒(ホワシャオ、中国山椒)、
小茴(フェンネルウイキョウ)、大茴(八角スターアニス)、
陳皮(チンピ、みかんの皮)などを合わせたもの。
これをかけると、そこはかと、中華な感じにはなる。


日本人には、八角が強いと食べずらい。
私も、強すぎるのは苦手なので、五香粉は控えめにする。






肉はこんな感じ。
先日、御徒町の故郷味で食べた串焼の排骨とほぼ同じもの
である。


肉は半解凍なので、解凍を兼ねて、このまま1時間ほど。






といったところで、つづきはまた明日。