浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



冷やしカレー南蛮そば

4149号

8月11日(木)山の日 第一食

NHKBSの「京都人の秘かな愉しみ」

というのをご存知であろうか。

京都を舞台にしたドキュメンタリー風のドラマ
なのだが、折々の京都の習慣だったり、風物、情緒を
織り交ぜたもの。好きで、やっていると、視ている。

源孝志脚本演出、林遣都吉岡里帆矢本悠馬
趣里、毎熊克哉主演。

再放送を夜中にやっていた。

毎回ではないと思うが夏、祇園祭をフューチャーした回で、
大原千鶴さんが料理を紹介していた。

それが、冷やしカレーきつねうどん。

はー?、カレーうどんを、冷やしますか~、
という思い、である。

京都らしく?なのか、あまいきつねをのせていた。

この前、近所の[砂場]でカレーせいろは食べた。
あれは、そばはせいろで冷たいが、カレーのつけ汁は
温かいものである。

冷やしますか~、で、思い出したのは、
冷やしのかつそば。

神楽坂下の[翁庵]のもの、で、ある。

だいぶご無沙汰。
そもそもかつそば、なるものからして、レア、
であるが、ここの看板であった。
温かいそばに、ちょっと薄めのとんかつがのる。

これを冷やした、まあ、ぶっかけ、で、ある。

ちゃんとしたこの店のメニューなので、
かなり驚いたが、食べてみると、どうしてどうして
うまいものであった。
ここのつゆは、山手らしく、甘めなのだが、
甘めのつゆが、冷たくともフライの衣によく合う。
かつでも脂身はほぼないので冷やしてもよいのか。

と、いうことで、冷やしたカレーうどん
やってみようか。

京都に冷やしカレーきつねうどん、なるものが、
あるのか、大原さんのオリジナルなのか。
調べると冷やしカレーうどんは京都を始め、西日本など
それなりにあるメニューのよう。
そしてさらに、驚いた。
ハウスでは「冷やしカレーうどんの素」まで
出ていた。これは鶏肉の入ったレトルトのよう。
東京のそばやにないだけか。

大原さんのレシピは出汁に薄口しょうゆで
うどんのつゆを作り、ここにカレー粉を入れ
片栗粉でとろみをつける。
まあ、簡単である。

私は、東京なので、そばでやらなくてはいけなかろう。

具はきつねではなく、鶏であろう。

鶏ならば脂のすくない胸肉か。
そばはやはり乾麺でよいだろう。
つゆは、いつもの桃屋をベースで。

あ、そうである。
豚、というのもあるか。
浅草の[角萬

のヒヤニク(冷やし肉南蛮)は豚である。

だが、まあ、最初は鶏でやってみよう。

そんな段取りを考えて、寝る。

さて、翌日。
鶏むね肉を一枚買ってくる。

そぎ切りで4~5枚。

つゆの量の目安をつけるため、そばの丼に半分弱ほど
水を張り、鍋へ。
ここに桃屋のつゆ、ちょいしょうゆを入れ、煮立て、
切った鶏肉。火を通して、カレー粉(普通のもの)を溶く。

よく合わせて、味見。OK。

ここに弱火で水溶き片栗粉、お玉で混ぜながら
投入。OK、とろみ付け終了。

鍋ごと冷水に保冷剤を入れた桶へ突っ込んでおく。

乾麺のそばをゆでる。
これも、冷水で洗い、水を切る。

薬味のねぎを切る。
丼へ。

冷やしカレー南蛮そばの、出来上がり。

そばもカレーのつゆも冷えている。

そばを、手繰る。

ふむふむ、冷やしカレー南蛮そば。

ちゃんと食べられるし、うまい。
妙でも、なんでもない。

食べながら、気が付いたのだが、
温かくないカレーというのは、ちゃんとある。

カレーパンのカレー、である。

カレーパンのカレーは別段温かくない。
温かくないのがあたり前で、あたり前に
食べられる。
いや、ちゃんとうまい。
もちろん、カレーパン用に冷たくてうまい
カレーとして作っているのであろう。

先入観というのか、固定概念というのは、
おそろしいものである。

作る方は専用に作らなければいけないので
ちょいと手間なのだと思うが、東京でも
普通のそばやであってもよいだろう。

そう、豚肉だとどうだろう。
今度やってみるか。

 

 

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