浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その13

引き続き、スペイン、バルセロナ

昨日は旧市街のブカーリア市場の魚を丹念に
見てきた。

魚介というのは日本人にとってとても馴染があり、
同時に、大切なものである。むろん、和食にとっても。

スペイン人、特にバルセロナカタルーニャ
人々にとっての魚介がどんなものなのか。
魚介を見ただけでは、どんな料理になるのかまでは
わからぬが、彼らが魚介類をどう扱っているのか
一端には触れられたかと思う。
これは彼らの文化、食を知るには大切なことであろう。
そんな意図で、値札に書かれている名前を調べてみた
のである。まあ、それが私には愉しいのだが。

地中海、スペイン付近の大西洋にはこんな魚がいて
食べられている、と。
時季のものなのかもしれぬが、あんこうが、日本以上に
並んでいるのも驚き。
お気付きかもしれぬが、いか、が、なかったこと。
パエリアにも、その他タパスにもいかはよく出ていた
のでもちろん食べているので、たまたま写真を撮って
いなかっただけであると思うが、これは残念。
いかも、日本では種類ごとに使い分け食べ分けている。
こちらではどうなのか、である。

ともあれ。

次、青果と果物。

かなりの種類がある。イタリア、フランスなどの野菜と
大きくは変わらないのか。細かくはわからないが。

葉物野菜も色あざやかで、シャッキリしている。
皆、よいもののよう。

バナナが青いものと、黄色のものと二種類ある。
青いのは料理用か。これは、後で出会うが、バナナを
乾燥したチップがスナックのように袋入りで売られていて
内儀さんが買ったのだが、これ、あまり甘くない。
バナナなので、おそらく植民地などから入ってきたもの
だと思うが、まだ甘くない青いバナナを食べる習慣も
入ってきのか。ちょっとおもしろい。

そうそう、精肉類ももちろんあったのだが、なんとなく
絵にならない、どこも変わらないような気がして撮らなかった。

最後に、フレッシュフルーツジュースやで、一杯飲んで
ホテルへ戻る。(なにを飲んだのかは忘れた。)

さて、夕飯。

明日、次のサン・セバスチャンへ移動。
バルセロナで食べるべきもので、食べていないもの。
むろん、まだまだ、いろいろあるのだろうが、
一つ、気になっていたのが、米ではないパエリア。
米のかわりに、パスタを使ったものがある、と。

これは、fideuada、フェデウダ(カ)、fideua、
フェデウア(ス)という。

調べると、イカスミパエリアを食べた、カサ・ミラ裏の
レストランなどにもあり、パエリアのあるバルセロナ
レストランなら、ほぼどこでも出すよう。

内儀さんが、フロントでここから歩いて行けるところで
お薦めを聞いてきた。

[La Maroteca]ラ・マロテカ

魚市場といった意味でシーフードレストラン。
一応、ネットで開店の19:30に予約。

北西方向に歩いて、Carrer de Mallorca、マヨルカ通り沿い、
15分程度。

今日は土曜だが、このあたりは昼間の旧市街と違って
人通りは多くはない。オフィス街であり、マンション街、
といった感じなのであろうか。

辿り着き、入ると明るい照明で、例によって市場のように
氷やショーケースに、魚介類がにぎにぎしく並べられている。
主人らしいちょっと太った禿げ頭の年配の小父さんが
にこやかに迎える。
名乗ると、この魚を見てくれ、と。
一通り見て、席へ。

コースではなく、アラカルトにする。

ビールと、前菜に、牡蠣生と火を通したもの、まぐろの
カルパッチョ、それから目当ての、パスタのパエリア、
フェデウアを頼む。

ビール。

これは、Mahou、マホウ。これもスペインでよく見たが
マドリッドのビール会社。フィリピンのサンミゲルと
同じグループのよう。?
ピルスナータイプで特にクセがなく呑みやすい。

牡蠣。

こちらの牡蠣は日本のものと比べると小さく丸い。
味は上々。

火を通すと、

こんなに小さくなってしまう。

まぐろのカルパッチョ

きれいな赤身。
薄く削いで、オリーブオイルと、塩胡椒のみ、か。
シンプルだが、うまい。

そして、真打、フェデウア。

鍋をテーブルまで運び、取り分けてくれる。

パスタというのは、見た通り、スペゲティーよりも
ずっと細く短い。
これ、多少、鍋にくっつきがちのようで
こそげ落としながら取り分ける。

具は、いか、海老が見え、大方、パエリアと同様。
トマトも入り、色もパエリアと同じ、黄色系なので、
同じようにサフランで色付けしている、のか。

食べる。

うーん。

味もパエリア。
やはり、というべきかもしれぬ。

だがまあ、うまいことは、間違いない。
パエリアのバリエーション、なのであろう。

 

つづく

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹助を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。