浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その15

今日は、バルセロナからサン・セバスチャンへの
移動だが、ホテルの裏のカタルーニャ通りの
オープンのバルでタパスとビール。

戻ってくると、既に呼んでもらったタクシーがきていた。

バルセロナ空港まで30分はかからない。

マドリッドからバルセロナの移動でイベリア航空
ロストバゲッジをくらわされた。
これを教訓に一日分の下着などを機内持ち込み手荷物に
入れておいた。

バルセロナサン・セバスチャンはどちらもスペインの
東端でフランスと接しているが、かたや北の、かたや南。
南北のフランス国境の州。

18時頃、ビルバオ空港到着。

外に出てきて、サン・セバスチャン行きのバスに乗る。

ビルバオというと、地理で習ったのを憶えている方も
おられよう。そう、鉄。
一時は欧州一の採掘量を誇った。ピークは第一次大戦頃か。
1970~80年には鉄鉱石は枯渇しすべて閉山しているようだが、
ビルバオバスク州第一の都市。(ただし州都はビトリアで別)。
港のある都市だが、街の中心は内陸にあり山地もすぐに
迫り、ちょっと盆地のような風景。

サン・セバスチャンビルバオよりも東。
バスは、海側ではなく山の中のハイウェイを東に走る。
山の中は、もうなんだか寒そう。カタルーニャとはだいぶ
気候が違うよう。(地中海性気候と西岸海洋性気候。)


サン・セバスチャンは海岸の街。
1時間ほどで、サン・セバスチャン到着。

明るいが、もう時刻は夜8時に近い。
バスターミナルは、サン・セバスチャン駅の地下。

ホテルはLimehomeというチェーン。

海岸近くにあって、駅からは離れている。
タクシーなのだが、さほど大きな街ではないので
流しのタクシーを拾うような街ではないよう。

少し捜して、鉄道の駅前にタクシー乗り場を見つけ、
なんとかホテルにたどり着く。

小さな古い建物。
このホテルチェーンというのはちょっとおもしろい。
ドイツ発祥のようだが、フロントなどの人はおそらく
おらず、すべてワッツアップなどで連絡を取る。
表の入口と部屋は、もらった暗証番号で入る。

ホテル内、ロビーもエレベーター、廊下、部屋も
リフォームされ真新しく清潔。

部屋は広くはないが、ベッドルーム、シャワートイレは
それぞれ別で、リビングに、流し、電磁調理器、食洗器、
オーブン、例のコーヒーメーカーなどのあるキッチン、
洗濯機付き。このそれぞれの機器にQRコードが付いており、
読むと使い方の動画が見られる。こういうことをしている
ところは初めて。ヨーロッパの家電で使い方がわからず
苦労するのである。人がいない分、最新の工夫がなされ、
行き届いている。

地図。

外に出ると、すぐにビーチ。

きれいな内湾。北西向きだが、夕焼けがきれい。

コンチャ湾。Bahia de La Concha、バイーア・デ・ラ・コンチャ、
スペイン語、Kontxa itsasoa コンチャ・イチャソア、バスク語
コンチャは貝。この湾の形からか。

基本、ここ、リゾートなのである。
歩いている人の言葉を聞いていると、フランス語も聞こえてくる。

運よく、ホテルのすぐそばに、ちっちゃなスーパーが
あったので、買い物。
オーブンもあるので、焼けば食べられるピザ。それからスライスの
サラミ、チーズ、サラダ用のカット野菜に、ビールを買って帰る。

焼いて食べる。

ビールは、バルセロナエストレージャがあった。

やっと暗くなった。

翌朝。

サン・セバスチャン
市の正式名称は、Donostia-San Sebastian、ドノスティア=
サン・セバスティアンという。San Sebastian、サン・セバスチャン
スペイン語、Donostia、ドノスティアはバスク語。どこも
この並立表記である。
サン・セバスチャン以外のものも地名などを含め公的なものは、
バスク語-スペイン語の順で並べて書く決まりになっているよう。
(日本では名が通っており、煩雑でもあるので、この日記では
サン・セバスチャンのみで通す。)
ただ、カタルーニャに比べると実際にバスク語を使っている人は
バスク州では少し少ないよう。

サン・セバスチャンではちょうどこの4日後から、サン・セバスチャン
国際映画祭が開かれる。我々はもう移動してしまうが、毎年、
この頃開催されるよう。
(今年、日本映画では香川照之主演『災 劇場版』などが出ており
中村アンさんがきていたよう。)

サン・セバスチャンの人口は20万弱でバスク州ではビルバオ
自治州政府のあるビトリア=ガステイスに次いで三番目。
スペインとフランスのリゾートといってもよいのであろう。
おハイソで、物価が高いということになろうか。

サン・セバスティアンの名前はキリスト教の聖人、
聖セバスチアヌスにちなんでいる。むろん市の守護聖人
この人は3世紀、キリスト教がまだ禁教であった時代の
ローマ皇帝の親衛隊員で、信仰を捨てずに殉教した。
バスク語のドノスティアも語感がまったく違うが、同じ
聖セバスティアヌスのことのよう。

そして、サン・セバスチャンへきたのは、美食の街と
いわれているから。
以前から気になっていたミシュラン三ツ星の[Akelare]、
アケラレを明日予約してある。

ちなみに、サン・セバスチャンで三ツ星は3軒、掲載は51軒。
大都市ではないのにこの数は流石。

もう一つ、ピンチョスというのをご存知であろうか。pincho(ス)、
pintxo(バ)。タパス同様にスペインの居酒屋、バルのつまみの
ことでバスク発祥という。ここの旧市街には、ピンチョスを出す
立ち呑みバルが集中しているのも有名。

 

つづく

 

 

 

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