浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



日本橋高島屋特別食堂・うなぎ・五代目野田岩

4527号

3月14日(水)第一食

さて。

なにを食べよう。

まあ、お察しの通り、この日記のために食べている
という側面も否定できないのでなかなかつらいことも
あるわけである。

先日、雨だったので、どうせ徒歩なら遠くへ行こうか
と、銀座の[泰明庵]へ行った。
それで気が付いた。
まあ、あたり前なのだが、なにも今さら自転車に固執
しなくてもよい。
銀座線は、日本橋、銀座に一本。

池波先生も書かれているが、浅草に住んでいると
日本橋、銀座というのはやっぱり別格の街、
なので、ある。
上野浅草なら、スウェットでも行けるが、銀座日本橋
そういうわけにいかない。

今日は、うなぎが食いたくなった。
選択肢は色々あるが、日本橋高島屋特別食堂に入っている
野田岩]。

ここならば、文句はあるまい。

池波レシピ、でもある。

また、味、サービスともに、ある意味東京一の
うなぎやの一軒といってよいだろう。

野田岩]も麻布の本店と、その近所にある別館
その他いくつかあるが、どこでも同じかと思うと
そうでもない、のである。
野田岩]の麻布本店は味もサービスもおそらく
東京一の一軒といってよいと思うが、それぞれ、
値段もメニュー構成も違っているし、サービスは
確実に違う。優劣がある。

と、いうわけで銀座線で日本橋まで出て、日本橋高島屋
エレベーターで特別食堂まであがる。

ロビーがあり、受付。
ここで名前をいって、待つのだが、最初に20~30分程度
お待ちになります、といわれる。

今日は、14時すぎ。
実際には、そこまでかからないのだが、長めに言って
おくことになっているのであろう。
早く呼ばれる分には、怒る人はいるまい。

ここのサービスは、少し前から帝国ホテルになっている
ようである。
流石の客あしらい。

やはり15分ほどで呼ばれ、中へ。

呼べれるまでにメニューを見ながらああでもない、
こうでもないと考える。

テーブルにつくと、お茶がすぐに運ばれる。
で、迷わずオーダー。

ビールと野田岩の寿という二段重、9,680円也にする。
ここの[野田岩]では最高のものになるか。
ノーマルなうな丼から白焼き丼他、かなりの種類が
あるのだが、せっかくここまでたのだから、これに
してみよう。

うな重に白焼き、う巻き、うなぎ燻製などが付くもの。

ビールは、一番搾りの中瓶。

ウエイター氏が、やはり最初の一杯は注いでくれる。
私が記憶にあるのは、帝国ホテル、銀座資生堂パーラー
赤坂四川飯店の四軒であろう。どこも、最初の一杯は
注いでくれて、この、グラスの口ぴったりにとめて、
泡とビールのバランスが絶妙。
どこも訓練されている、ということであろう。

呑んで待つと、きた。

二段重とお椀、奥左が野田岩お得意の箸休めのおろし。
白いのはしょうゆの小皿。しょうゆさし、塩、山椒。

一段目、開けると。

お椀はもちろん、肝吸い。

一段めは、白焼き、ガラス小鉢の黒いのはキャビア
右がうなぎの燻製と大根を薄く短冊に切ったもの、
おろし。その奥がう巻き。

二段目のうな重

これは、野田岩のノーマルなうな重

一度、二段目は戻して、一段目をつまむ。
キャビアは、このくらいの量では、まあほぼ味は分からぬ。
白焼きは流石のうまさ。むろん本わさび。

そして、うなぎの燻製。
ヨーロッパでよく食べられているのか。
私は、初めてではなかろうか。
かなり薄く切られている。スモークは浅い。
半生といった感じ。
意外に、うまいもんである。
もちろん、名にし負う野田岩、半端なものをここで
出すわけもなかろう。

つまみながら、ビールを呑み終り、うな重
山椒を振って。

うな重はやっぱり、手に持ち掻っ込むのが
よろしかろう。
辛すぎもせず、甘すぎることもない、絶妙な
たれ加減の蒲焼。
そして、堅めに炊かれたれが染みた飯。

そして、やはり野田岩の蒲焼の真骨頂は焼き、
なのであろう。やはり一流のもの。

かなり腹一杯。

一段目の白焼き、燻製、う巻きなどが前菜で、
うな重がご飯と主菜になるのだろう。
ここまで一連の組み合わせは初めてであるし、
これ以上のものは、なかなかなかろう。
よく考えられたものである。

大満足。

ご馳走様でした。

丁重にお会計、11,132円也。

 

日本橋高島屋特別食堂

野田岩

 

 

 

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御徒町横浜家系らーめん侍上野店/浅草六区翁そば

今日は、麺類二つ。

4526号

3月8日(金)第一食

御徒町・横浜家系らーめん[侍]上野店

さて、ラーメン、家系。

やっぱり家系は定期的に食べたくなる。

最近はもっぱらここ。

御徒町の[侍]。

場所は、昭和通りの東のキムチ横丁
ここも以前はそちら系の店であった。

角地で両面とも大きなガラスで明るく、外からもよく見える。

2時半頃。

入ってすぐの券売機でノーマルなラーメンを購入。

こんな時刻だが、にぎわっている。

お兄さんに食券を渡す。
指定はしない。

手前にテーブル席があり、奥の調理場前がカウンター。
カウンターに掛けて、待つ。

きた。

大きな海苔が3枚、ねぎ、ほうれん草、
チャーシュー。

まったく、ノーマルな家系の姿といってよいのだろう。

麺。

家系の腰があって、太めのちょい縮れ麺。

そして、濃厚で塩味強めの家系スープ。
もっと濃い店もあるが、私はこのくらいがよい。

おろしにんにくを1さじ入れて食べるのがいつものこと。

うまいもんである。

それにしても、家系というのは偉いと思うのである。
確実に日本のラーメンに一つのジャンルを打ち立てて
いるといってよかろう。

とんこつしょうゆ、といわれるが、例えば博多の
とんこつにしょうゆを入れただけの味ではないことは
確かであろう。もっと濃厚。
大きな寸胴でガラガラととんこつをかき混ぜている
のを見ることもある。文字通り、とんこつの骨の髄まで
煮出しているのか。これ、かなりの重労働とも聞く。

家系というのは、濃さの違いはあっても、ここから
なにかアレンジしたり、進化し、さらに新しい
ラーメンを確立したものというのは、まだないのか。
それだけ、家系が完成されたものなのか。

やはり、家系は凄い。

ご馳走様でした。

 

横浜家系らーめん侍上野店【公式】X(twitter)

台東区東上野2-18-1

 

3月13日(水)第一食

浅草六区[翁そば]

今日は晴れ、最高気温13.7℃(13時27分)。

もう晴れたらあったかい、か。

なにを食べよう。

浅草方面にしようか。

六区のそばや、[翁そば]にしようか。

ここは[翁庵]ではなく[翁そば]。

書いていないが、おそらくもう少し、行っている
のではなかろうか。

私は勝手にここはカレー南蛮の店にして
しまっているが、あまり寒い時期には、カレー
でもないが、もうよい季節かもしれぬ。

[翁庵]は、今はいっぷく横丁という名前に
なっている細い通り。水口食堂もある。

2時半すぎ到着。

硝子格子を開け、暖簾をくぐって入る。

こんな時刻だが、テーブルは一杯。
小あがりへ。

迷うことなく、カレー南蛮そばを頼む。

きた。

小ぶりな丼に、すり切り一杯。

アップ。

この太さ。

もはや、うどんなのかそばなのか、わからぬが、
そばといっているから、そば、なのであろう。

とろみの強いつゆ。
カレー味よりもそばつゆが勝っている。

だが、もちろん、うまいカレー南蛮。

丼が小ぶりなのは、おそらく昔のそばやの
大きさだと思われる。
元来、そばは軽食だったので、量は今よりも
少なかったのである。

だが、これは量は普通の大盛程度はあろう。

まったく、どうしてこういう一杯が生まれたのか。
謎、で、ある。

薄汗をにじませて、食べ終わる。
ご馳走様でした。


03-3841-4641
台東区浅草2-5-3

 

 

 

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銀座・そば軽食・泰明庵

4525号

3月12日(火)第一食

さて、雨、で、ある。

薄ら寒い。

書いている通り、基本自転車で移動しているので
雨だと食うところの選択肢が減る。
徒歩か、バスか。

稲荷町吉野家へでも行こうかと15時前、傘を差して
徒歩で出る。

ん!?。歩きながら考えた。

そうか。
地下鉄に乗って、どこかへ食べに行けばいいんだ。
基本、第一食は、買い物だったり、なにかついで
でもなければ、地下鉄に乗ってとまで、
考えたことがなかった。
食べることだけを目的に遠出をしてもなんら、
問題はないわけである。

銀座?、日本橋?。

そうだ!。
最近、なにかのTVで視た銀座の[泰明庵]という
そばや。
あそこに行ってみようか。
知る人ぞ知る人気店のようだが、私は知らなかった。

銀座線を銀座で降りる。

泰明小学校のあたりだと、銀座線の改札から、地下を
通って数寄屋橋、さらに銀座ファイブを抜ければ、
近くまで濡れずに行ける。

地図。

出たところは、帝国ホテル手前のガード下。
みゆき通りとコリドー通りのT字路。
この南東のみゆき通りと交詢社通りをつなぐ裏通りのよう。
このあたりの裏通りは歩いた記憶もないかもしれぬ。

おお、あった、あった。
小さくて、古びて、なかなか味わいのある店である。
「そば軽食[泰明庵]」という看板。
軽食、というのはなんであろうか。
ただのそばや、ではないのか。

15時頃、硝子格子を開けて入る。
狭い店は大にぎわい。
一人、というと、女将さんが、お二階へ、と。
目の前の梯子段をあがる。
二階もあるのか。

二階は、半部ほど埋まっている。

階上のお姐さんがお食事ですか、と、聞く。
いや、ちょっと呑みたいです、と応える。
こういうこたえよいのか?。

予約と書かれたテーブルに掛ける。
ただ、予約は19時から、と。
まさか、そんなには、いない。

壁いっぱいに、様々な酒の肴。
なるほど、人気の訳はこういうことね。

酒を頼もう。

特に店定番の決まった銘柄があるわけではないよう。
お燗はなんですか、と聞くと、出羽桜、とのこと。
じゃ、ぬる燗で、というと。
お燗機なので、ぬる燗はできない、と正直なこたえ。
はいはい、と応えて、お燗機の熱燗を出すところも
あろうというもの。

じゃ、冷(ひや)でいいです。

それから、まぐろ中とろ。

酒と刺身がきた。

なかなか、よい色の中とろ。

うまいもんである。

呑みながら、つまんで。

そばは、なんにしようか。

天ぷらも様々あるので、もりと、旬の桜海老かき揚
で行こうか。

もりがきた。

つゆはよいが、ちょいと水っぽい?のは気のせいか。

桜海老かき揚げもきた。

天つゆはいりますか、と聞かれたのでもらった。

かなりパリパリの揚げあがり。

ちょっとおもしろいそばや、で、ある。

食べ終わり、呑み終り、下で勘定。

ご馳走様でした。

これを書こうと、ちょいと調べていると朝日新聞の
こんな記事を見つけた

なんでも、ここの創業は昭和30年(1955年)。
[天國]で修行をした初代がここで料亭相手の高級魚やを
開いたのが最初らしい。当時の、このあたりは、
「普通の住宅と花柳界の料亭や置屋が混在する」街で
あったという。普通の住宅があったのは驚きだが、
なるほど、今もこのあたりまで、クラブがあるのは
その名残だったのか。

料亭や芸者町が下火になり、店は仕出し中心になり、
さらに食堂から、うどん、そばも出すようになったという。
それで、女将は「そば、うどんは専門じゃないんです」
だから「そば軽食」と今でも名乗っている、と。

なるほど、それでよくわかった。

かき揚げは、そばやのものではない。
[天國]にルーツがあったのか。

名物は、冬の、根まで入った芹そば、芹のカレーそば
であったらしい。またきしめんもうまいよう。
惜しいことをした。

ともかくも、おもしろい。
そして、さすがに銀座らしく、ちゃんともしている。

 

中央区銀座6-3-14
03-3571-0840

 

 

 

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浅草寿・とんかつ・すぎ田

4524号

3月10日(日)夜

さて、日曜日。久しぶり。

寿町のとんかつ[すぎ田]。

一年ぶり?。

そんなにきていなかったか。

2024年版のミシュランを見直してみると、
今年もピブグルマンで掲載。
もうすっかり定着しているよう。
なによりのこと。

浅草というところは、国際劇場隣にあった初代[河金]だったり
歴史的にとんかつやが多数あり有名店も多くあったのだが、
気が付くと、名店老舗はなくなっている。新規の店も
あるにはあるがあまり通う気になるところがないのが
正直のところ。これを土地柄、というのであろうか。
特に近年観光需要の高まりもあってか、地に足が付いていない、
という気もするが、まあ、もともと、流行の街であったわけで、
そこを生き残るのが本当の老舗ということなのかもしれぬ。

そんな中[すぎ田]は浅草でも蔵前寄りで、浅草中心部の喧騒から
離れているのがよろしいのかもしれぬ。

[すぎ田]は昭和52年(1977年)先代が雷門近くで創業、
その後、今の場所に移っているよう。
今年で、47年である。
そんなわけで浅草のとんかつやとしては立派な老舗であろう。

私は、名物親爺の先代の頃から行っている。
先代が亡くなって、一時はどうなることかと気を揉んだ
ものだが、二代目の顔はもう、堂々としたもの。
流石のミシュラン掲載店である。

一応、18時に予約。
内儀(かみ)さんとぶらぶら歩いて、出掛ける。
今日の最高気温は13.6℃(13時36分)であったが
この時間になると、さすがに随分と寒い。

先代の頃は、これでもかと店頭をライトで
明るく照らしていた。
代が変わって、だいぶ明るさは落としているが
それでも店頭は明るい。

ドアを開けて入る。

名乗る。

カウンターはほぼ満席。
奥の座敷も入っている。

カウンターの一番奥へ。

掛けて、ビール。

ここは、なぜか昔からキリンはなくて
アサヒかサッポロ。
サッポロの黒ラベルを頼む。
そういえば、昨日の千束のふぐやもこれであった。

浅草は地元のアサヒがあるのが、わかるのだが、
キリンはなくサッポロというのは、どうした
わけであろうか。
値段か。

注文はもうなん年も私たちは同じ。
そういえば、ここのメニューは、先代の頃から、
まったく変わっていないのではなかろうか。

頼むのは、ロース、ロースソテー、海老フライ。
ご飯と味噌汁付き。

とにかく、内儀さんはここのロースソテーが
大好物である。
これが食べたくて、ここにくる。
まあ、とんかつや、なのだけれど。

ビール。

お通しは、うにくらげ。
先代から同じうにくらげなのだが、代が変わって
これは明らかにうまくなった。

ロースカツがきた。

厚みがある肉で、脂身もしっかり残してある。

切り方と盛り付け方は、少しずつ、変わっている。

左側の端は完全に切り口を上に向け、真ん中に
少し間を開け、気持ち扇型に広げる。
前回と見比べると、やっぱり左の一切れをひっくり返す
のはこの一年の変化。

やっぱり、塩、で、ある。
脂身もそれほど重く感じないのはなぜであろうか。
油切れのよさ、かもしれない。
三度揚げ。
もう一軒の私がよく行く[ぽん多本家]とは対照的
で、ある。

ロースソテー。

バターとしょうゆ、そしてウイスキー

こってりかつ、よい香り。
他では食べたことのない唯一無二では、なかろうか。

そして、海老フライ。

いつも、ここの海老フライは、特大が売り、なのだが、
今日はだいぶ小ぶり。
値段は時により、大きさにより違うのでよいのだが。

だがむろん、味はよし。
ぷりぷり。
タルタルソースもたっぷりで、うれしい。

そして、ご飯と豚汁、お新香。

ここの豚汁は、どうであろうか、上品、なのでは、
なかろうか。
薄い銀杏切りの大根とにんじん。
うまみは強いのだが、すっきり。

いつも通り、うまかった。
ご馳走様でした。

会計は二人で、10,500円也。


すぎ田

台東区寿 3-8-3
03-3844-5529

 

 

 

 

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浅草千束通り・ふぐすっぽん・つち田

4523号

3月9日(土)夜

さて。

今日は、内儀さんの希望で、ふぐ、で、ある。

昨年暮れ、博多に食べに行った。

本場だと、どんなものか、と思って行ったのだが、
まあ、ふぐはふぐ。
大きな違いはないと感じた。
おそらく、東京で食べるふぐもあちらで獲れたもの
である可能性は多分にあろう。

ともあれ、今日は、浅草千束、
いつも行っている[つち田]。

予約をして、18時。
タクシーで向かう。

国際通りから、千束通り
パチンコやの交差点で降りる。

[つち田]はその次の右に曲がる路地。

前に一度書いたが、この手前を反対側に入ると
吉原の西の端の通り、花園通りに出る。

これが明治以降の浅草から吉原への近道で
あったと思われる。

ともあれ。

小さな店。
入って名乗る。
奥へどうぞ、と。
二階もあるが、入った左側は厨房。
その脇の細い土間を抜けて、奥の座敷へ。
靴を脱いで、上がる。

掘りごたつ式の板の間。一番奥のお膳。
焼きとらふぐコース11,000円也を頼んでおいた。

瓶ビールをもらう。
ここは、アサヒかサッポロ。
サッポロ黒ラベルをもらう。

お通し。

二つ。
焼いた長芋と右側の小鉢は、
冬瓜の肉そぼろ餡かけ。

ふぐ刺しがきた。

これで、一人前。

刺身と火を通した皮とねぎ。
このねぎは、調べるとふぐねぎというよう。
見た目には芽ねぎと同じようだが、微妙に太い。
下関周辺でやはりふぐ刺し専用に栽培されているよう。

ふぐ刺しというのは、考えると不思議なものである。
白身だが、他に似たものはなかろう。
淡泊ではあるが、独特な歯応え。
これが値打ちであろう。

次はこれ。

から揚げ。
もしかすると、ふぐの食べ方でこれが最も
うまいかもしれぬ。

しょうゆ味が付けられ、ふぐ肉のうまみと
コリコリとした歯応え。

コース外だが、白子焼きももらった。

普通、白子といえば、東京では鱈だが、
ふぐの白子は極上にうまい。

こんがりと焦げ目が入り、塩、すだちを絞る。

ふぐやでは、やっぱり食べたいものである。

そして、焼きふぐ。

骨付きのところ。

これはよく焼いてくださいね、とお姐さん。
よく焼くと、骨離れがよくなる。

皿には薄い切り身。

昆布で〆てある。

焼けてきた。

刺身同様、ぽん酢しょうゆで。

最近、ふぐやでは、専ら鍋よりも焼き。

焼いた方が、ふぐはうまいのではなかろうか。

鍋だと、豆腐だったりねぎだったり、その他の
具材も食べられて腹にたまるが、もはや量は
いらない。

鍋はふぐの出汁が出てうまい、というが、私には
これはよくわからない。

ともあれ。

焼きふぐを食べ終えると、焼きふぐのコースでも、
別に雑炊がちゃんと出る。

お新香はちょっと古漬けだが、うまい。

デザート。

酒粕の、なんとか、といっていたのだが、
忘れてしまった。
ムースのような食感のもの。
黒いのは、あんこであったか。
それに、干し柿

以上、ここまで。

会計は二人で、27060円也。

ご馳走様でした。

うまかった。

 


つち田

台東区浅草5-9-7
03-3875-1779

 

 

 

 

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二長町・らーめん・天神下大喜

4522号

3月6日(火)第一食

さて、二長町[天神下大喜]。

ちょっと久しぶり。

このところ、ここの看板ともいえる、塩系をなん回か
食べたが、今日は、しょうゆにしよう。

ここのしょうゆ、というのは券売機には一つ
しかないのだが、薄口と濃口、麺が細麺と
太麺と計、4種類の味、ということになる。

毎度書いている通り、前にもここのしょうゆは
なん度も食べているのだが、少し間があくと、味や
内容が変わってしまうので、都度初見状態、なのである。

やはり、こういうラーメンやは少なかろう。

いつも基本同じ麺で同じ具で、同じスープ。
行く方は、これを期待して行く。
それがうまい、と思ったから。
そういうものだし、そうあってほしい、と思う
ものであろう。

だが、ここのご主人というのは、そういう一般的な
ラーメンやとはなにか、本質的に違っている、
のであろう。
いつもいつも、満足せずに常に、新しいものを
考えている。もちろん、こうしたらうまいだろう、
と考え、変えている。立ち止まらない。
きっと、ご主人には完成形がない、のである。
職人?、アーティスト?。
わからぬが、これが私には[天神下大喜]の
魅力、なのである。
愉しいではないか。いつも新鮮。

ともあれ。

今日は、しょうゆ、濃口、太麺。

おそらく、この組み合わせが私の選択では
一番多いのであろう。
薄口といわれると東京者なのでどうしても頼みずらい。

海苔、かいわれ、メンマ、なると、チャーシュー、
そぼろがのる。

かいわれはラーメンではあまり例はないのではなかろうか。
また、ねぎは入っているが、東日本の白ねぎではなく、
細い万能ねぎの青い部分が少し。
また、ここ、青みは、小松菜を多用していた思うが、
これには入っていない。

麺。

太麺といっても、平べったい縮れ。

スープは、、、、?。
魚介系が入っているのは、なんとなくわかる。
だが、鶏?、わからぬが、かなり複雑なのであろう。
私などには到底、判別などできない。
濃口、といっているが、濃いのは色のみで
塩味はノーマル。

食べていて、気が付いたのは、生姜。
スープにはかなりの強さの生姜の風味がある。
あまりにも、バランスがよいので、最初は
気が付かなかったほど。

書いたように、以前食べたものと同じかどうかは
まったくわからぬが、これはこれとして、
極上のしょうゆラーメンである。

さて、もう一杯。

3月11日(月)第一食

[天神下大喜]のしょうゆ。
また、行ってきた。
やはり、濃口だけ食べていては、いけなかろう。

薄口も。

薄口で、細麺。

のっているものは濃口とまったく同じように見える。
海苔、かいわれ、メンマ、なると、チャーシュー、
そぼろ。
いや、そうではないか。
こちらには、前回なかった、東日本の白ねぎの
みじん切りが、それとわかるほど、散らされている。

ご主人の気まぐれか、それとも、計算しているものか。

麺。

細麺。博多ラーメン程度の細さか。

問題の薄口のスープ。

上の写真と比べて見るとなるほど、気持ち薄いか。
ただ、思ったほどではないと感じる。

そして、飲んでみると、まったく薄くはない。
塩味はむしろ強いか。比較ではなく絶対値として。
濃度は濃口とあまり変わらない程度かもしれぬ。
そして、感じるのは、海老の風味。
これは、明確に違うのがわかる。

そして、濃口で感じた生姜は、こちらにはなし。

海老以外のベースはなんなのかは、やはり私には
まったく判別はできない。

ただ、やはり薄口も、とてもバランスがよく
とんがった部分はほぼない。まとまったうまい
しょうゆラーメン。

さて。
しょうゆラーメンというもの。
まあ、東京では定番で王道の味。
だが、今の東京でしょうゆラーメンというものの
味は、気付きにくいが、驚くほどのバリエーションが
できていると思われる。

思い返すと、20年、30年程以前、恵比寿に
[恵比寿ラーメン]という店ができて、大きな話題に
なった。
その後、浅草千束あたりに移転し、私もよく行った。

最初に食べた時には、なるほどと感動したものである。

それ以前の東京のしょうゆラーメンというのは、
鶏ガラ+野菜のスープでしょうゆの味が勝っていた。
支那そばといわれた時代からのものであろうか。

うまみを出すためしょうゆを立たせるのはおそらく
簡単なこと。当然、同じような味になる。[恵比寿]
のものは、このしょうゆが立っていなかった。
他のものでうまみを足していたのか。
しょうゆラーメンというもの、目立たないが、
ここがスタートであったのか。

 

台東区台東2-4-4
TEL 03-3834-0348

 

 

 

 

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雷門・松喜の牛肉ですき焼き風

4521号

3月7日(水)夜~

今日は雲はあるが天気はわるくない。
ただ、やっぱり寒い。
昨日は朝、多少の雪。

やっぱり早く春になってほしい。

さて、今日は久しぶりに、雷門[松喜]
肉を喰おうか。

ステーキではなく、すき焼き。
あそこの牛肉はやっぱり伝統的なすき焼き用の
スライスがうまいだろう。

安売りのこま切れから、高いものまで、
かなりのバリエーションがある。

中で、国産牛ロース細切れという800円/100g、
ここでは真ん中くらいのものを200g買ってみる。

これ。

今はまず見ることがなくなった
肉やらしい輪ゴムでとめた紙の包み。

中も懐かしい紙の経木。

開けると、こんな感じ。

国産牛ロースこま切れ、という名前だが、
きれいな霜降り。
なかなかよいもの。黒毛和牛ではなかろうか。

最悪、肉だけでもよいか、と、他になにも
買わなかった。

これだけよい肉なら、ちゃんとすき焼き風に
しようか。

割り下だけは、やっぱり[松喜]のものが
常備してある。

ねぎはある。
麩もある。麩も入れようか。

丸い観世麩。

三つ水に漬けて戻し、搾っておく。

ねぎは斜めに切る。

フライパンを熱し脂身を投入。
十分に脂を出す。

麩から先に入れ、ねぎ、牛肉。
割り下。
煮詰めながら、肉を焼く。

麩に割り下を十分に含ませる。
肉が焼けたら、あげて、ねぎにも火を通す。

一先ず、出来上がり。

溶き玉子も用意。

ビールを開けて、食べる。

やっぱりこれ、よい肉。
厚みもあって、かなりうまい。
そして、やはり脂も多い。

脂が多いので、たくさんは食べられない。

生肉もまだ、半分残っている。
脂身もフライパンからあげて、冷蔵庫へ入れておく。

翌日。

せっかくなので、もう一度[松喜]。
白滝を買い足しにきた。

なん度か書いているがここに置いている白滝は、
例の細いタイプ。
大原本店]というところのものなのだが、

[松喜]に置いているものは特別細い。
[大原本店]は、拙亭近所に店兼工場があって、江戸の生麩
であるつとぶや、生麩や湯葉、こんにゃく、白滝などを
製造販売している。(ただ、前にここへ直接買いに行った
ことがあるのだが、細いものは売っていなかった。
[松喜]に置いているものは必ず細いものである。)

それから、生椎茸、焼豆腐も。

これ。

おそらく長いので、半分に切る。

湯がいておく。

どうであろうか。

ちょっと縮尺がわかりずらいかもしれぬが、
この細さ。

白滝、椎茸、麩、ねぎも入れて、もう一度、
肉を焼く。

出来上がり。

やっと、完全なすき焼きになった。

うまい肉には、細い白滝。

これだけで、大満足。

 

松喜 

 

 

 

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