浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)
断腸亭料理日記本店
 

赤酢の酢飯で〆鯵のにぎり鮨 その2

f:id:dancyotei:20201124214711g:plain
引き続き、〆鯵。

今日の鯵は、結果的にであるが、きっちり〆ったもの。

切っても、中心まで酢が入っていることがわかる。

ここまできっちり〆たものは初めてではなかろうか。
ほう、こうすればこのようにきちんと〆まるのか、
ということ。

魚を〆るというのは、難しい。

ともあれ。
にぎり。

生姜をおろしておく。

飯が切れた。タイマーで計って、蒸らし8分。

飯台に一合分を取り、赤酢の鮨酢を掛けまわす。

40ccに、赤酢7:穀物酢3。

赤酢はいつもの内堀醸造の美濃三年酢 。

穀物酢は、ミツカンの銘撰。

赤酢はよいのだが、なぜ米酢ではなく穀物酢を
使うのか、と思われている方もいるかもしれぬ。
鮨酢であれば、米酢の方がより合っている
であろうし、プロも使っている。

私が穀物酢を使う理由は簡単、安いから。
そこまでこだわらなくともよいだろう。
拙亭ではノーマルな酢はかなりの量消費する。
1.5LのPETボトルで買っている。

飯に掛けまわし、しゃ文字で混ぜ込む。
プロはこの作業を、キル、という。

飯粒を潰さぬように切るようにするから、なのか。

とにかく、手早く。
赤酢はムラになっていると目立つのでガンガン、キル。

温度が下がってくるまでのわずかな時間に混ぜ終わらねば
いけない。粘りがすぐに出てきてしまう。
粘りが出てきたら混ぜるのをやめる。

これでも多少白い部分が残っている。
白いところに、赤酢を一滴ずつ落とす。

ここもタイマー、8分。
飯粒の表面の粘りを固め、パラっとした酢飯にする
工程である。

8分後、にぎり始める。
プロは、ジャーや保温機能の付いたお櫃(ひつ)に
移し、人肌の温度をキープしてにぎる。
完全に冷めてしまうと酢飯は握れない。
客に出すまで、この温かみは残る。
にぎりというのは、ほんのり温かいのが正しい、
のである。

なん度も出しているので、にぎる動画ももうよいであろう。

前のものを出しておく。

鯵なので、わさびはなし。上におろししょうがをのせる。

出来た。

アップ。

ビールを開けて、食べる。

きっちり〆った鯵と赤酢はまた、よく合う。
生の鯵とは全く違うものであるが、これはこれで
格別にうまい。もちろん、酸味は強いのだが、
赤酢の酢飯が緩和しているよう。

半身残して残り全部にぎって食べてしまう。

翌日、残った半身はぬたに。

酢味噌は、八丁味噌西京味噌と半々。
これも、もちろん、うまい。

さて。
魚をきっちり〆るということ。

特に鯵や鯖など少し身の厚いもの。
今回、きつく塩をして2~3時間、そして、真水で塩抜き
同時間。あとは100%の酢で一晩。
これでできた。
なにかレシピを見たわけでもなく、テキトウ、
自己流である。
今私は、鯵にしても鰯、鯖、小肌も、塩をして置き、
水と半割の酢に漬ける。これは塩抜きも兼ねている。
(これはプロのレシピ。)
この仕上がりは、中央部までは酢が入らない。
今、一般的な酢〆はこんな感じであろう。

実のところ、魚の酢〆の、科学的なメカニズムは
私はわかっていない。
一般に、プロでも、どのくらいわかっているのか。

塩をすると水が出る。代わりに塩が魚に入る。
塩辛くなりすぎない程度であれば、このまま
酢に漬けても、酢〆にはなる。
ただ、〆具合はかなり浅い。
水が出た分、酢が入る、と説明される。

これよりも強くする場合、先の半割で、塩抜き
をしながら酢が入る。
なぜ半割だと塩抜きになるのか。
どなたか専門の方、メカニズムを説明して
いただきたいが、まあ、浸透圧の関係なのであろう。
魚の身の水分濃度と、漬ける液の濃度が平衡になろう
とする動き。

今回が、強い塩で置き、その後塩抜きをして、酢に漬ける。
先の、抜けた分、酢が入るという説明と矛盾している
ように思うのであるが、これでも酢〆になる。
それも中心まで完全に。なまぐささも完全になくなる。

以前の酢〆は皆こうしていた?。
これが正解なのか、わからないのだが。
また、メカニズムは?。

とにもかくにも、私の経験値にはなっただろう。

 

 

赤酢の酢飯で〆鯵のにぎり鮨 その1

f:id:dancyotei:20201124214711g:plain
11月21日(土)~

さて。

また、鯵、で、ある。

先日、鯵のアヒージョを書いた。

これは浅草ロックスの西友で売っている
三枚におろした生の鯵。

スーパーで三枚におろした鯵、あるいは開いた鯵、
なんというものは、あまり置いていない。

あくまで私の推測であるが、西友では最初は丸のまま売って、
翌日以降(?)、おろしたり、開いたりして、
売っていると思っている。
もともと西友は安いが、四枚、二匹分200円ちょい。
さばいてあっても値段的にはあまり変わっていないよう。

頭を落として開いたものはそのままフライにできるし
安くて便利なものである。

で、その三枚にきれいにおろしたもの、で、ある。

このままでは、さすがに刺身では食べられない。
やはり、多少なまぐさい。

そこで、塩でなん度か洗う。
これで、いける場合もある。
フライなどであれば、これで十分。

先日のアヒージョは、塩をして1~2時間置いて、
さらに、塩抜き、水に漬けて、同じ時間。
これで、ほぼにおいはなくなった。
これを使ったのである。
加熱するものでも、においはないに越したことはない。

この時に、思いついたのだが、この一度塩をして
比較的長時間置いて、さらに塩抜きをしたものを
酢に漬けるとどうなるか、で、ある。

見た目には、表面はちょっと「鯵の開き」のよう。
よい感じに〆られるように思えたのである。

今回、書くつもりではなかったので、初段階は
写真はない。

買ってきた生の鯵の三枚を、塩洗い数回、
その後、強めに塩をして2~3時間。
これを水洗い、そのまま真水に付けて、2~3時間。

それぞれ、なんということはない。
途中の様子を見るのも忘れて、ただ放っておいただけ、
ではある。

これを、あげて水分をよく拭き取ったもの。
ここから、いい感じなので、写真を撮った。

においもなくなり、生とも多少違う様子。
多少白っぽい、というのであろうか。
もちろん、においも抜けている。

これを、透明な穀物酢100%に漬ける。

一晩(6~7時間)。

翌朝。

ほぼ真っ白。
見た目には、酢が入り、きっちり〆っている様子。

中心まで入っているのかは、この時点では
まだわからない。

ともあれ。
これであれば、にぎりの鮨にできそうである。
やってみよう。

ペーパータオルに包んでラップはせず冷蔵庫へ。

食べるのは夜、というのもあるが、気持ち水分が抜け
乾いた方がにぎりの鮨にはよいだろうと、考えたから。

夕方。

こんな感じ。

どんな水分量が最適なのか、よくわからぬが、
まあ、そこそこよさそうではなかろうか。
少し水分は抜けたが、しっとりしている。

きっちり〆た鯵。

湘南、大船の駅弁、大船軒の「鯵の押寿し」

をご存知であろうか。
最近は東京でも色々なところで売っているので
ご存知、食べたことがある方も多いかもしれぬ。

私は、昔から好きで見かけると買っていた。

この鯵、かなりきっちり〆てあるのである。
酸っぱい。

昔の感じ。
今、鮨やでも鯵をここまで〆ることはまずない。

これに近いものになった。

夕方、米を洗い、いつも通りカタメモードで
炊き始める。

飯台にも水を張って用意。

鯵は皮を引く。
だが、これ、なかなかのもの。

どういうことかというと、酢で皮が半ば
溶けているのである。
長時間漬けたせいであろう。
こんなことになるのである。

むきずらい。
爪でこするようにして取り、切っておく。

この切り方も、毎度書いているが、問題。
大きさが、トリモナオサズ、にぎり鮨の大きさ、
形になるのである。
気を付けなければいけない。
こんな感じに切ったのだが、どうであろうか。

斜めに切っているので、少し長め。


つづく

 

 

天神下・大喜/入谷キッチン&バー/小島町・幸楽

f:id:dancyotei:20201123221008g:plain
今日は3本。

一本目。
11月17日(火)第二食

二長町・天神下・大喜

これは[駒形どぜう]の後。
書いた通り、ご飯を食べようかと思ってやめた
のだが、やはり、ちょいと食い足らなかった。

ラーメンと、思い立ち、駒形から蔵前橋通りの
[大喜]まで自転車を飛ばしたわけである。
昼の営業は14:30まで。
[駒形どぜう]から[天神下・大喜]までは
自転車であれば10分程度。

先日ここで「背脂の特製にぼし」を食べた。

くるたびに、目新しいのを食べているが
都度、関心している。
天神下にあった頃も含めて、長く通っているが
もう一度、ここの定番メニューも含めて
掘り下げてみようと考えた、のである。

今日はこれ、しょうゆの細麺。
しょうゆは濃口。

ここ、メニュー数は意外に多い。

メニューの頭にあるのは、とりそば。これは塩で細麺。
塩がご主人のリコメンドということであろう。
これは以前からのことだと思う。
それから、うめしお。
それぞれ、わんたん 味玉入の特製。

しょうゆは、今日の濃口意外に薄口、細麺もある。

それから納豆らーめんで、同じく太麺、細麺、特製。

さらに先日の煮干。

つけ?もあって、しょうゆと塩、同じく太麺、細麺、
特製。
ご飯ものもあって、かなりの組み合わせ、
メニュー数である。

さて、今日のしょうゆ、濃口、細麺。

海苔、チャーシュー、なると、細切りのメンマ、
お得意のかいわれ、ねぎは小口切りではなく、
細かいざく切り。

細かい話しであるが、前回の「背脂煮干」のねぎは
小口切りで、今回のざく切りは意図したものである
ことがわかる。つまり、使い分けている。

やはり、ポイントはスープ。
これ、拙亭ご近所、元浅草[稲荷屋]

にかなり近い、濃く深いコンソメスープのような。

順番が逆か。
歴史としては、こちら[大喜]の方が古いだろう。

いずれにしても、しょうゆを突き詰めると、
行き当たる場所、ということかもしれぬ。

うまかった。
ご馳走様でした。

まだまだある。
塩も、食べてはいるが、改めて確かめよう。

台東区台東2-4-4
TEL 03-3834-0348

11月19日(木)第一食

入谷キッチン&バー

チキン南蛮である。
9月に見つけて、行ってみた。

今日も、ちょいと食べたくなり、
金美館通りまで自転車できた。
ここまでも、そう遠くはない。
台東区は、狭いのである。ちなみに23区1狭い。

チキン南蛮というのは、皆さんご存知の
宮崎発祥で、今は日本中に広まった人気定食
メニューである。
ここは、宮崎出身の方がやられていて、
うまかった。

鶏もも肉のノーマルな定食。

アップ。

鶏のフライに、甘酢をかけて、タルタルソースで
食べる。
考えてみると、そう難しい料理ではない。
まあ、誰でも作れる。完成度はともかく。

ここが違うのは、タルタルソース。
宮崎でも店によっていろいろなものがある
のであろうが、ここのものは、ちょっと
オーロラソースのような感じ。
これがうまい。

定期的に、食べにきたくなりそうである。

入谷キッチン&バー

台東区入谷1-23-2
03-6802-4535

11月20日(金)第一食

今日は、ご近所、町中華の名店、小島町[幸楽]

の気分。

そして、ご飯もの気分。
ご飯ものもたくさんあってどれもうまいが、
今日は中華丼。

アップ。

もちろん、あんかけ。
豚バラ、白菜、にんじん、きくらげなど。

こういうものが、うまい、のである。


台東区小島2丁目1-3
03-3866-5900

 

 

カレー・デリー・上野店

f:id:dancyotei:20201122015830g:plain
11月18日(水)第一食

さて。

辛いもの。
辛いものが食べたくなった。

なんであろうか。
辛いものにもいろいろある。
麻婆豆腐、担々麺。
韓国の辛ラーメン

今日は、上野の[デリー]にしよう。

この6月に行っていた。

もちろん、あそこのカシミールカレーである。

辛いけどうまい、なんという誉め言葉、というのか
グルメリポーターの表現があるが、カシミール
辛いだけではなく、掛け値なく、うまい。

土日は列になることもざらにあるが、
ウイークデーであればこんな時期でもあり、
大丈夫であろう。

とはいっても、12時台を避けて13時前、
自転車で出て、向かう。

創業は昭和31年(1956年)、今年で64年。
東京のインド料理店の草分けともいわれる。

カレーだけ取り出せば、新宿[中村屋]の
カリーが戦前の昭和2年からでインド式カレーとしては
古いかもしれぬが[中村屋]はレストランの1メニュー。

ただ、インド料理レストランとすれば、
東銀座の[ナイルレストラン]が戦後すぐの
1949年(昭和24年)で歴史とすれば、
こちらの方が古いか。

[ナイル]の方はインドの方の経営。
これに対して[デリー]はインドから帰国した
日本人の経営。

最初から、日本人化されたインド料理という
道を歩いてきた、といってよいかもしれぬ。
それだけ、工夫がされてきた味、といってもよいか。

着くと列はないが、ちょうど満席。
やはり、人気である。

ちょいと立って待つ。
私の後ろにも人が増える。

昼時も終わりつつあり、すぐに入れる。

壁側、手前のテーブルに掛ける。

欲張らずに、カシミール単体と思ってきたが、
メニューを見るとやっぱりセットにしたく
なってしまう。

飲み物と、タンドリーチキンの付いたセット。
1800円也。

いいか。
飲み物は、生ビール。

生ビールから、くる。

テーブルにある、玉ねぎの辛いピクルスを
スプーンに取り、つまみながら、呑む。

アチャールでいいのか。
玉ねぎとレモン、赤唐辛子で和えて
しばらく置いたもの。
自分でも作る。シンプルだが、うまい。

タンドリーチキンとサラダもきた。

このタンドリーチキンがまた、うまい。
インド人経営店でインド人が作るタンドリーチキンよりも
うまいのではなかろうか。
よく、堅くカラカラになっているのがあるが、
これはしっとり。
インドの方に聞くと、インドのインド料理よりも
日本のインド料理の方がうまいものもある、と。
これもそうだが、ヨーグルトを使っている。
インドでは完全はベジタリアンの人々も多くおり、
ヨーグルトは使われないことが多いとも。

平らげた頃、待ってました。
真打、カシミール、登場。

アップ。

鶏肉とじゃがいも入り。

一匙、一匙、ご飯に掛けながら、口に運ぶ。
辛い。
そして、うまい。

これほど、辛くてうまいカレーは、そうそう
ないのではなかろうか。

そして、この、ご飯。

ご飯がうまい、というのか、このご飯が
ここのカレーに合っている。
ご飯に掛けてうまいカレー。
そうともいえる。

どこのなんという米か、また、この堅めの炊き方。
どちらも研究し尽くされているのであろう。

汗だくで食べ終わり、会計をして、出る。
ご馳走様でした。
おいしかったです。

カシミールのレシピは公開されてもいる。

黒い色はカラメル色素も使っているよう。
よくよく味わうと、にんにく、が、ポイント
のような気もするのだが、カレーににんにくは
別段珍しくもない。
その他も、特に珍しいものは入っていない
といってよいのではなかろうか。
スパイスも一般的に使われているもの。

インドの方が食べるとどう感じるのであろうか。
うまいのであろうか。

創業から改良を重ねてこの味にたどり着いている
のであろう。
なん度もなん度も食べているが、流石、で、ある。

 


デリー

03-3831-7311
文京区湯島3-42-2

 

 

駒形どぜう

f:id:dancyotei:20201119015626g:plain
11月17日(火)第一食

どぜうが食いたくなった。

[駒形どぜう]。

もちろん、どぜうの季節は夏なのであるが
別段、今食べてもよいであろう。

まあ、実際のところ、夏、鍋を食べるというのは
以前からの習慣で、いわゆる旬、泥鰌のうまい季節
ということではない。

夏、暑い頃に、熱いものを食べて、元気をつける
という意味合い。

13時すぎ、出掛ける。

歩こうかと思ったが、マスクをして歩くのも
なかなかつらいので、自転車にする。

新堀通り国際通りも越えて、浅草消防署、
バンダイの脇。
蔵前通り(江戸通り)の角、到着。

歩道、カードレール脇に自転車をとめる。

紺の暖簾に、どぜう、の、白抜き。

暖簾の後ろはドアではもちろんなく、硝子戸でもなく、
今でも、下半分は木で上半分は障子の、いわゆる腰障子。
だが、こんな時期で、こんな時期だから開けてある。

しかし、この[駒形どぜう]表の佇まい。
なにごとにも代えがたいと、改めて思う。

木造だが漆喰塗りの蔵造りであろう、二階建ての
瓦屋根。
浅草にも、老舗は数多い。
だが、建て替えても、昔と同じものを
造り直しているのはここと並木の[藪蕎麦]だけ
ではあるまいか。
江戸創業でも繁盛していれば、ほとんどは、
ビルにしてしまう。
もちろん、ここだって商売で、この姿自体が商売
であるともいえるが、それを含めて、
明確な店のメッセージである。
強烈な、アイデンティティーの表明である。

毎度書いているが、食は文化である。
文化には形、スタイルがある。
そばやにぎり鮨など食い物それ自体だけでなく、
その周りに、有形、無形の文化がある、いや、あった。
食い物それ自体が続けばそれでよい、というもの
ではないと、私は思うのである。
せいろのそばは、手繰り方も、文化なのである。
鮨やでの、客としても振る舞いも文化なのである。

文化は変わっていく。
それも一面、正論であり、真実である。
だが、以前はこうであった、これが元々の姿である
ということは、継承していかなければいけないのも
また一面、その文化の中で生まれ育った者の
義務、使命ではなかろうか。

ともあれ[駒形どぜう]、希少であり、未来永劫
続けてほしい、正に東京の重要無形食文化遺産である。

暖簾を分けて入る。

と、眼鏡に着物の小柄で若いお姐さん。
一人、というと、
アルコール消毒と検温。

下足札は時節柄なくなり、板の間に上がる。

中のお姐さんが手を挙げて、差し招く。
真ん中あたりの桜板。
最も縁側寄りの座布団、奥へ向いて座る。

火曜の1時すぎだが、むろん満席ではなく、私の
列の桜板は他に客はいない。だがそれでも
お客は入っているといってよい。

7月にきたのだが、やはりこんな時刻

座敷には私一人であった。

品書きがくる。

お酒冷(ひや)で一合と、丸鍋、と、お姐さんへ。
常温ですか、とは聞き返されない。

すぐに酒とねぎ、薬味、

丸鍋もくる。

ねぎが細長い木箱に入っているのがここのスタイルだが、
やめているのは、残念なこと。

食べ方、おわかりになりますか、とお姐さん。
必ず、これ、聞かれる。
はいはい、わかってますよ。

ねぎを山盛り。

季節もあるのか冷たいのか、温まるまでしばらく
時間が掛かる。

ん?!。
これ、焜炉(こんろ)が木の箱の中で斜めになっている。
それで、鍋も斜め。(上の写真で右側が下がっている。)

どうなるかというと、つゆが右にたまるのである。

直そうかと思ったが、ひっくり返しそう。
いや、これはこれでいいか。
右側をのどぜうをよけて、ここのつゆにねぎを移して
煮ればよいか。

取って、食べる。

毎度書いているが、この甘辛のつゆで煮たねぎが
とにかくうまい。どぜうを食べにきたのか、ねぎを
食べにきたのか。
この皿のねぎ、食べ切ってしまった。

いつもは鍋をお替りするのだが、今日はやめておこう。

うまかった、うまかった。

季節問わず、駒形どぜうは、うまい。

ご馳走様でした。

 


駒形どぜう

 

 

マカロニグラタン

f:id:dancyotei:20201117225748g:plain
11月16日(月)第二食

さて、マカロニグラタン、で、ある。
最早、私には季節の風物詩、で、ある。

寒くなると食べたくなる。

前を見ると、4月に作っていた。

この頃は、南岸低気圧の豪雨で寒かった。

なん度も書いているので、最早書くことも
あまりないのではあるが、今回は例の、フレンチの
技をちゃんとやってみようという企画。

例の「ル・マンジュ・トゥー 谷昇シェフのビストロ流
ベーシック・レシピ」

マカロニグラタンはちゃんと載っていた。
「シーフードのマカロニニグラタン」。

まず言葉のお勉強。
ベシャメルソースなのだが、
そもそも、ルー・ブラン。スペルはroux blancでよいのか。
白いルー。小麦粉をバターで炒めたものを、こういう。

そこに牛乳を入れたものがソース・ベシャメル(source
bechamel)ということらしい。
さらに生クリームを加えるとソース・ベシャメル・グラ。
ルー・ブランにブイヨンを加えるとソース・ヴルーテ、
とのこと。

グラタン用でも牛乳を入れないことも私などあったが、
これはベシャメルとは言わないことになる。

なるほど。

今回入れるものは、鶏肉、海老、マッシュルームにした。

鶏はもも肉。
海老は、西友で生のバナメイエビ中型のもの。
けっこう安かった。

ルーブラン。
強力粉40g、無塩バター42g。(この+2gにどれほどの意味があるのか?。)

炒める。(動画は前回のもの。)

前回はダマになったので、特に念入りに炒めてみる。

牛乳500ml。
前回同様、パックを開けて、そのままレンジ加熱。
2分。混ぜ入れる。(動画は前回のもの。)

ここも丹念に混ぜる。(ここで初めてベシャメルである。)

ほぼダマはなくなった。
前回はダマが残り、裏漉し器を使った。

やはり念入りに炒めたのがよかったか。

どうしても面倒くさくなり、このあたりでよいか、
と見切ってしまう。
完全に粒々がなくなるまで炒めてみたのだが、
これが奏功したか。

今回の画像。

ベシャメルにはブイヨン1個と味を見て塩胡椒。

玉ねぎ一個シェフのレシピでは、かなり薄く切っていた。

「甘味が出るまで」とあったので、比較的入念に。

マッシュルームは一つを1/4。
鶏もも肉一口に切ったもの同時に投入。

火を通す。

これも塩胡椒で味付け。

ベシャメルに合わせる。

海老。

ここも念がいっている。

中華を思い出すが、塩と強力粉、オリーブオイルで
和えて、湯通し。

再沸騰したら、あげる。

これはプリプリの食感を出すため。

マカロニをゆでて合わせる。

いつもはペンネなど太いものを使っていたが
今日は細いもの。
西友のPBで、グラタンによい、と書いてあったので
使ってみた。

パルミジャーノ・レッジャーノがまだあったのでおろす。

耐熱皿に盛り付け。

パルミジャーノ・レッジャーノ、有塩バター
シェフのレシピにはないがいつも通りパン粉ものせる。
食感がたのしくなる。

オーブントースターでこんがり焼く。

ビールを開けて、食べる。
いつも通りの味。うまくできた。

マカロニは個人的好みはやっぱり太い方がよいか。
そして、海老を別にゆでた効果は絶大。
プリップリ。さすがである。
しかしまあ、プロの技、面倒なもの、で、ある。

 

 

浅草寿・とんかつ・すぎ田

f:id:dancyotei:20201116235425g:plain
11月14日(土)第二食

さて。

ちょっと久しぶりかもしれぬ。

浅草寿町のとんかつ[すぎ田]

先日来、拙亭の目と鼻の先にできた[嬉嬉豚]

やら、山本益博先生らの「とんかつ会議」から
浅草[とお山]

[ゆたか]

[河金]千束

など、評価の高かった浅草の掲載店をまわってみた。

だが、私が通常行っていたとんかつやは上野[ぽん多本家]、
同[井泉本店]、同[蓬莱屋]、そして、この浅草寿町の
[すぎ田]であった。
いわばこれらがホーム。
(もちろん、この中に「とんかつ会議」にも[ぽん多本家]
など載っているところもある。)

しかしまあ、上野、浅草というところは、改めて稀にみる
とんかつや集中地帯である、ということがよくわかった。
それは歴史的、地域特性を反映したものなものであろうことも
わかってきた。

(とんかつ考察)

浅草については一度衰退期を経て、再び、
という時期に入ったところでもある。
とんかつといえば、上野に加えて浅草も、というポジションを
再び獲得できれば、浅草の街の魅力がパワーアップされること
にもなろう。是非こんな時期を乗り越えてほしいと、
心から願う。

そんなことで、再び戻ってきたホームの[すぎ田]。
昼、内儀(かみ)さんが予約のTELを入れる。
開店の17:30。

10分前、ステンカラーのコートを着て、徒歩で出る。

拙亭から真っ直ぐ東へ向かい、新堀通りを越え、
国際通りを渡る。右に曲がって、春日通り交差点の
手前。

先代の頃は、店前が強力なライトで真昼のように
照らされていたが、今はそんなことはない。
店の中の照明が外を照らしているだけ。いたって
ノーマル。あれは先代の好みであったのであろう。

なかなかキャラクターの強い方であったことを
やはり物語っていた。逆にまた、今は当代の個性を
表しているといってよいのだろう。

入って名乗る。
先客は男性二人組が、カウンターの奥。
揚げ鍋の前に掛ける。

ビール。
三銘柄置いているが、キリン。

頼むのは、いつも通り決まっている。

ロースとエビフライ、ロースソテー。

ご飯と豚汁はやめることに。

ビールと一緒に出される、お通し。

飛子とクラゲの梅肉和えというのであろうか。
先代から不思議とずっと変わらない。
なぜであろうか。

ともあれ、つまみながら、待つ。

やはり、とんかつというのは、一から揚げるので
それなりに時間がかかる。
油温の違うのであろう二つの揚げ鍋。

できた。

姿が美しいと思われまいか。
ちょっと扇型に見える。
先代とも違っている。これは段々に当代のものに
なってきたように思う。

アップ。

ぶ厚く、少ないが脂身もしっかりある。
塩で。
以前はここでもソースで食べていたが、
やはり最近はどこでも塩で食べるようになった。
いいとんかつやでは、塩がやはりよろしかろう。

海老フライ。

これもここの売り、で、あろう。
特大。
こんなに大きいが、プリプリでうま味に
あふれている。
タルタルソースもまた、うまい。

そして、ロースソテー。

これは内儀さんの好物。
小麦粉をまぶしたロース肉をバターでソテーし、
一度、視界から消える。おそらくオーブンへ。
出して、切る。そして、再度フライパン。
ウイスキーでフランベ。
こんな感じで出来上がっている。

ウイスキーの香りがかなり強く残っているのが
特徴であろう。
大人の味、か。

予定通り、ご飯はやめる。
ここは、ご飯も豚汁も当然うまいのではあるが。

ご馳走様でした。
おいしかった。

ビール2本で1,400円、
ロースかつが2,200円、
ロースソテーが2,400円、
海老フライは時価できょうのは2,900円。

会計をして出る。
ぶらぶら帰宅。

 


すぎ田

台東区寿 3-8-3
03-3844-5529