浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その16

引き続き、スペイン。
バルセロナから、サン・セバスチャン
移動してきた。(書き忘れたが、スーツケースは今回は無事。)

バスク地方。スペインの最北東部。
バルセロナカタルーニャ州同様に自治州で独立意識が高い。
北部で、バルセロナと比べるとちょいと涼しい。湿気も高い
のではなかろうか。バルセロナのある地中海側は乾燥している。

ともあれ。
サン・セバスチャンというのは、リゾート地と書いたが
海岸、ビーチがきれいではあるが、歴史が古くないわけでは
ないのだが、古都といわれるような昔から重要な街という
わけでもなく、見るべきもの、いわゆる世界遺産といった、
価値の高いといわれる文化財、建物、スポットというものは
そう多くはない。
ここは、とにかく、食い物。まあ、のんびりすればよいか。

昨日書いたが、居酒屋、バルで、ピンチョス。これだ。

サン・セバスチャンでピンチョスを出す立ち呑みのバルは旧市街。
日本語で旧市街といっているのは、Parte Vieja(ス)、
Alde Zaharra(バ)。直訳すると、古い街といった意味。

イタリアで書いていたが、フィレンツェ、ミラノ、
パレルモでもお城や、宮殿が中心部などにあって、市域を
囲むように市壁があって、その中が旧市街。
多くは、中世あるいは、それ以前から、近世以前の街、と
明確に、現代でも、目に見えて街並みの違いがわかった。
やはり、スペインはイタリアと比べると、多少古いものが
“薄い”のか。なんとなくのイメージではあるが。
マドリッドは流石に違っていたようだが。)

ここは、古くは市(城)壁もあったようだが、今はないよう。
旧市街と呼ばれるところもかなり小さい。

旧市街との境界に線を入れたが、ここから北が旧市街。
海に張り出した岬が山になっているが、ここに小さな砦
といった感じのお城もある。
その南東側の狭い区画が実質的な旧市街のよう。

この狭いところに、かなりの数の立ち呑みバルが軒を連ねている。
なにか、これらの店は、それぞれ目玉で人気のメニューがあり、
これだけ食べて、酒も呑まず、次の店、次の店と、渡り歩く、と。
持ち込みも可で、別段、飲み物を頼まなくとも、問題はない
との事前情報。はあ、そんなものか。

ともかくも、マークをして、出掛ける。

ホテルからは、歩いて15分程度。

境界の公園があって、なるほど、石畳の細い路地で
古い石造りの街並み。

こんな感じ。

(ちょっと余談なのだが、右側に旗が掲げられている。
これ、そう、ご存知のパレスティナの旗。
リアルタイムの本日、10/13(月)現在、停戦、人質解放
との情報。この日、9/15はまだ、その気配もない頃。
ただ、この後、欧州各国のパレスチナ承認の動きが
広がっていったのはご存知の通り。
やはり欧州では、この時点で、パレスチナに対して同情的。
スペインは承認の動きには入っていなかったようだが、
ある程度国民の空気感としては然りであったのか。
この9/15であったか、翌日であったか、こちらのTVの
ニュースで大々的に報道されていたのだが、首都マドリッド
市内で街を走る自転車レースの国際大会があり、そこに
参加していたイスラエルチームの走行を妨害する集団が
現れてちょいとした暴動のよう騒ぎになっていた。
まったく日本では報道されていなかったか。
バルセロナもそうであったが、アラブ系の移民、住民も
少なからず見かけ、上の、パレスティナの旗を掲げている
家がどういう人なのかはわからぬが、やはり滞在中
この旗を掲げる家を複数見かけた。日本にいては
まったくわからぬが、この時の欧州の空気感がわかった
出来事である。ともあれ。)

ここ。

[BAR SPORT]。すごい人だかり。
どうも、ここで一番人気のバルのよう。
13時半頃だが、とても入れる状態ではない。

どうも、この年で、目当てのものだけで飲み物も頼まず、
食べ歩きをするのも、いかがなものか、と思われる。
店も忙しくて、注意する暇もないのではなかろうか。
いくらなんでも、マナー違反であろう。
また、そこまでして食べたいか?、とも思う。
品がなかろう。

街の奥にある、大聖堂。

Koruko Andre Mariaren basilika(バ)、 Basilica de Nuestra Senora
del Coro(ス)。邦訳すると天使聖歌隊聖マリア大聖堂。del Coroで
聖歌隊のよう。

ゴシック様式とのことだが、やはりなかなかのものに見える。

1774年完成とのこと。
我が国だと、江戸期、安永で、田沼時代。
欧州の教会だとちょっと新しく感じてしまう。
basilika、大聖堂と言っているが、大聖堂はイタリア語だと
ドゥーモで街に一つ。これはスペインでも同様のようで、
新市街にもう一つさらに大きな大聖堂があり定義上は
ここは、旧大聖堂ということになろうか。

さて。
聖堂の手前、一応、行くべき店リストには入っているが、
混んで入るが入れそうな店があった。ここにしようか。

[Hemeretzi]ヘメレツィ、バスク語で「19」。
バルセロナでも数字の入ったバルに入ったが、これ、
住所(番地?)のよう。

店内は白と青基調で、明るい。奥に細長く、手前から奥に
鮨やのようなガラスのショーケース、この中に、ピンチョスが
なん種類も並ぶ。
奥にテーブル席もあるようだが、手前にいくつかの
小さな立ち呑みテーブル。
一つあいていたので、ここにしよう。

ピンチョスはいろいろあるが、どんなものがよかろう。
見た目でなに、とわかるものと、わからぬものが
半々程度。こうなったら、一か八か、だ。

こういう人の多い立ち呑みのようなところは、
頼み方、頼むタイミングもむずかしい。

会計は、当然その場で。
前に立ち、前の人の会計が終わったら、目に付いたもの、
三品と、ビール二つ。
ピンチョスは均一価格で一つ、4.10、ビールは一杯、
3.90のよう。

これ。

 

つづく

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹助を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。