浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭、京都へ その8

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引き続き、断腸亭の京都。

大徳寺の孤篷庵にふられ、大徳寺門前まで出てきた。
門前の通りに、大徳寺納豆の店があったりする。

バス通りまで出てくる。
大徳寺前のバス停。

外国人が一杯。
これ、ニュースでもやっていた。
外国人などの観光客が京都の路線バスに集中、混雑がひどい、と。
原因がわかった。

スマホなどのグーグルマップ、または、乗換案内の類である。
私もこれを利用していたのだが、京都の場合、リコメンドルートに
バスが出てくる、のである。

混雑に拍車をかけているのは、検索して出てきたバスを
頑なに待ってしまう、ということではなかろうか。

大きな通りにはどの都市でもそうだろうが、別の行き先、
あるいは同じ行先でも、まわり方がちょっと違う別系統が
同じ通りを走っていることがよくある。つまり、ある程度
複数乗れるバスがある場合がある。その上、検索した時刻によっては
本数の少ない系統が出てきてしまう。
その時点ではすぐにくるはずであったものである。
しかし、バスは必ずしも定刻通りにはこない。

おわかりになろうか。実際に私も経験したことである。
検索してリコメンドされたバスがこないので、
よくよく路線図と時刻表を見てみて、気が付いたのである。
外国人はすぐには気が付かないかもしれぬ。

京都の場合、こんな状況なので、徒歩と電車、地下鉄、
さらに場合によっては、タクシーを使うことも考えた方が
よさそうである。

と、そんなわけで、大徳寺前から北大路ターミナル。
北大路ターミナルから、北白川、一条寺清水町まで。

どこを目指したのかといえば、北白川の曼殊院門跡である。
修学院離宮も近いところ。

バス停を降りて、昼飯。
降りたところにたまたまあった、ラーメンや。

[魁力屋(かいりきや)]。
京都のチェーンのようだが、ここが本店。
東京にも進出している。

京都は実のところ、ラーメン食文化の街。
[天下一品]は東京でも既に定番だろうし、
[よってこや]なども五反田にあったのでよく
寄っていた。

さて、ここはどんなものか。
特製醤油ラーメンの焼きめし定食。
いわゆる半チャンラーメンを頼んだ。

ラーメン。

まず、背脂が目を引く。
チャーシュー、青ねぎ(九条ねぎ?)。
スープの色は濃い目であろう。

食べてみると、なるほど京都らしい。
スープのしょうゆは、濃いが気持ち甘め。
背脂は見た目ほどには、くどくはなっていない。

麺はストレートで太くも細くもない、
ノーマルといってよろしかろう。

全体としては濃いめでうまいラーメンである。

焼きめし。

これも濃いめで、うまい。

やはり、京都のラーメンやは、ちょっと甘めだが、濃い味。
これが京都らしいのだが、いわゆる京料理のだしメインの
味付けとは180度違うのが、不思議である。
なぜであろうか。
食べている層が違うのか、同じ人でも使い分けているのか。

さて。
ここまできたのは、修学院離宮にこれなかった
代わり、でもあるのだが、目的地は曼殊院門跡。
まんじゅいんもんぜき、と読む

この白川通の東側の山の中。
歩いて20分。
どこかの駅からだとタクシーという手もあるが、
ここまできてしまったら、それもない。

と、そこに、ラーメンを食べているうちに降り出した雨。
どうやら本降りである。

慌ててコンビニを探してビニール傘を調達。
曼殊院を目指して東の山に入っていく。
すぐに坂。
付近は住宅地。
だが、しばらく登っていくうちに、畑も現れる。

京都郊外、北白川の田園。

そういえば、修学院離宮は田園そのものを取り入れていた。

天気がよければ、のんびりした気分にはなろうが。

本降りの雨もあっての登り。20分以上かかったか。

曼殊院門跡。

これは通用門だが、鄙(ひな)びて、こじんまりとしている。

天気もあろうし、ここまでくる人は稀なのか、
人もまばら。だが、ゆっくり拝観できるのはありがたい。

さて、ここ、曼殊院というのはなにか。

門跡という名前がついている。
宮門跡などという言い方もあるが、皇族または高位の
貴族が住職を務る寺院のこと。

現存する庭園建築が造られたのが明暦2年(1656年)。
良尚法親王という方の造営。これも江戸初期といってよい。

建築、宝物含め国宝3、重文多数、、いや無数。
(この量は、たいへんなものである。)

もちろん、今回は庭を見にきたのだが、庭は文化財ではなく、
名勝という名前しかない。これはなぜであろうか。
和食なども毎度書いているが、庭もなぜか文化財という
概念に入れてこなかったわけである。

ともあれ。さっそく、庭。

まず、また、パノラマ。

まだまだ、ここも紅葉が見事。
今回の京都庭探訪は、まったくラッキーであった。
これが見られたというのは。

素晴らしいではないか。

 

 

 

つづく

 

 

 

魁力屋

  

 

曼殊院門跡