浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ポルチーニのリゾット

dancyotei2015-09-30

9月25日(金)夜

どうもこのところ体調がいま一つ。

やはり季節の替わり目はいけない。

夜は温かいものがよいと、思い付いたのが、
ポルチーニのリゾット。

幸い、乾燥ポルチーニの買い置きもある。

ポルチーニというものをご存知であろうか。

ヨーロッパのキノコ。

普通のスーパーで売っているようなものではないが、
イタメシやなどではよくみかけるメニューになっている。

イタメシでよく使うので、イタリアのものかと思うと
そうでもなく、欧州で流通しているもののほとんどは
ポーランド産という。

日本で買おうと思うと、デパート、あるいは通販、
業務用食品を扱っているようなところになるか。

ほとんどは乾燥ものだが、一部冷凍したもの、あるいは
かなり高価だが、生のものも入ってきているようである。

生のものを見たことがないのでわからないのだが、
乾燥ものでもとても香りが強い。

乾燥ものでも、1パック(リゾット4人前が2回分くらいできる量。)
500円は超える。なにが違うのかよくわからぬが、日本で
出回っているものも、グレードがあるようで多少高めの
7〜800円のものの方が香りが強く、うまい。

日本の松茸などに比べれば高級品とはいえ、
日本で買ってもべら棒に高いものではないが、
イタリアなどでは、もう少し安いようで、家庭の普通の
食卓にも並ぶものという。

香りが強いだけでなく、味、旨味というのであろうか、
これもそうとうなものである。

松茸のように人工栽培はできないキノコのようで、
日本でも人気になりこれ以上値が上がらないことを
願うだけである。

まずは、乾燥ポルチーニ1パックの半分ほどをお湯で戻す。

すぐにお湯が茶色になる。

また、パックを開けた時点で既によい香りがするのだが、
より強い香りが広がる。

30〜40分。

このくらいでよいか。

玉ねぎ1/4個みじん切り。
鍋で、ローリエとともに無塩バターで炒める。

透明になってきたら米、250gを洗わずに入れる。
これで、3〜4人前。

米は普通の日本の米である。

炒める。

ちょっと、バターが少なかったか。
カロリーを考えてバターではなくオリーブオイルを足す。

レシピでは米が透明になるまで炒める、とあるが、
これがなかなか透明にはならないのである。

油分が少ないせいかと思い、足したわけである。

が、、、。

透明になっているのか、油で光っているのか、、
これもよくわからない。

まあいいか。
テキトウにやめる。

ポルチーニのもどし汁に水を加え、1Lにし投入。
コンソメを少々。

もどしたポルチーニも一口に切って加える。

これで弱火で煮込む。

焦げ付かぬように、時折下からしゃ文字でかき混ぜる。

水分が八分程度になるまで。

日本式にご飯を炊く場合はふたをするが、
リゾットはふたをしないで、水分を飛ばしながら
煮込む。

煮詰まってきたら、白ワイン50cc、パルメザンチーズを
加える。

パルメザンチーズははもともとのレシピでは200gと
随分多量だが、ストックがなく50gほど。

もう一度、よい具合の水分加減まで
かき混ぜながら煮込む。

味見。

無塩バターを使ったので、塩味はコンソメとパルメザンチーズのみ。
若干足らないので、追加。

OK。

皿に盛る。



ちょっとまだ水分が多かったか。
ちょっとまだ水分が多かったか。

が、味は上々。

しかし、ポルチーニというのはなぜこんなにうまいのであろうか。

日本の椎茸、特に干し椎茸は出汁を取るが、グアニル酸という
うまみ成分を含んでいる。

キノコ類というのは同じものなのかはわからぬが、
やはりうまみ成分を多く持っているものがあるのであろう。
そこに、ポルチーニの場合は独特の芳香を併せ持ち、
得もいわれぬ、うまいものが出来上がる。
特段のコツもいらなかろう。

この独特の芳香がまたポイントである。
今回も一緒に入れているが、香りはローリエに似ているようにも感じられる。
これが、チーズやらクリームなどの乳製品によく合う。
幸せな味、で、ある。