浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ポルチーニの、おじや

dancyotei2008-11-25



11月21日(金)第一食


さて、お休み二日目、起床は、通常と同じ、
7時半頃。


第一食。


せっかくの休みであるから、このところ、
食べたかったのだが、逃していたものを
食べよう、と、考えた。


なにかというと、ポルチーニ


ポルチーニというのは、イタリアンで使うキノコ、で、ある。


トマトソースに入れることもあるが、
生クリームに合わせることが多く
(あるいは、生クリーム入りのトマトソース)、
牛肉が入った、クリーム系のパスタソースだったり、
あるいは、米と一緒に炊き込んで、リゾットなどにもする。


ポルチーニのポイントは、得もいわれぬ、香りと、旨味。


イタリアンレストランなどでも時折出されるメニューである。
私も、むろんそういうところで味を覚えた。
食べたことがある方も多いであろう。


ポルチーニは日本では、冷凍、というのもあるようだが、
乾燥ものが出回っている。


むろん、どこのスーパーにでも置いてある、というもの
ではないだろう。
百貨店、明治屋紀伊国屋といった、輸入食材を多く扱っているところ、
であろうか。拙亭近所では、合羽橋のプロ用食材、備品その他を
扱っている、プロパックというところにあり、私はそこで買っている。


そして、随分前に買っておいて、封を切っていなかったものが
残っていたのである。


それにしても、なぜ今、ポリチーニなのか、というと、
秋は、キノコ→ポルチーニ、というくらいの動機、ではある。


冷蔵庫には冷ご飯があった。


リゾットはむろん、生米から炊き込むが、
この冷ご飯で、おじや、の、ようなものを作ろうか、
と、いうので、ある。


おじや、であれば、そうとう簡単にできそうである。


まずは、袋を開け、乾燥しているポルチーニ
ぬるま湯でもどす。
これは、椎茸などと同様、で、ある。


一つ、ポイント。
なん回か、ポルチーニを使っているが、
けちけちしないで、ふんだんに使うのが、やはり、
味も香りも強くなり、よいようである。


一袋が、6〜700円、くらいであったろうか、
これを、思い切って、全部もどす。


もどる間に、玉ねぎ、1/4をみじん切り。
フライパンを熱し、オリーブオイルで、透き通るまで炒める。


冷ご飯を鍋に入れ、もどしたポルチーニをもどし汁ごと入れる。


コンソメ一個。
あとは塩胡椒。


これで、煮込むだけ。


そうとうに簡単である。


おじや、で、あるから、適当に煮込めればOK。
仕上げに、パルメザンチーズを比較的多めにふり入れる。


皿に盛る。





見た目は、こんな感じである。


なにか、茶褐色のおじや、で、今一つ食欲をそそらないように
見えるかも知れぬし、また、レストランなどで出てくるものは、
ここまでポルチーニは使っていないからか、
こんな色にまでは、なっていないものが普通かもしれない。


しかし、これがうまい、の、である。


鍋にも入れたが、盛り付けてからも、パルメザンチーズをふる。


なん度か書いているが、ある種独特の香りと味、
で、ある。


香りを、なにか他のものにたとえる、というのが
難しいかもしれない。


日本で香りのキノコ、と、いうと、
むろん松茸、で、あるが、松茸とは、まるっきり
違う。


あえていうと、うまそうな、香り、とでもいおうか。


また、ポルチーニというと、香り、が、よくいわれるが、
私は、旨味、も、あるような気がしているのである。


今日の場合は、コンソメも入れているので、
正しくはわからないが、それでもやはり、
ポルチーニからでている、味、旨味、も、あるように
思うのである。


乾燥椎茸からも旨味成分(アミノ酸)が出ているのは
皆知っていることだが、ポルチーニからも椎茸とは違う
旨味成分が出ているのではなかろうか。



このポルチーニおじやは、いくらでも食べられてしまうが、
第一食であるし、一杯でひかえておこう。