浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭スペインへ行く その4

引き続き、スペイン、バルセロナ

カサ・ミラの隣のレストランで、いかすみのパエリアを
食べて、ホテルに戻るのだが、付近をまわってみる。

スーパーで買い物をしたい。

捜すと、東京都心のコンビニよりは多少密度は低いが
かなりの数の小さなスーパーがある。

ビールとハム、チーズに、水。
それから、イタリアのミラノのカルフールで買った焼きそばの
袋ものがあったので買ってみる。

ホテルに戻る。

さても、問題のロストバゲージである。
イベリア航空が言っていた17時はとうにすぎているが
案の定届いていない、と。

ホテルのフロントのおねえさんは、
今日は、カタルーニャのナショナルホリデーで、
おそらくだめで、明日以降であろう、と。

なんでも、今日、10月11日はDiada Nacional de Catalunya
カタルーニャ語でディアーダ・ナシウナル・ダ・
カタルーニャカタルーニャ国民の日、である、と。

由来は、1714年9月11日、カタルーニャは13世紀から君主国
として独立国家を保ってきたが、スペイン帝国との戦いで
バルセロナが陥落、支配下に入った。以後、カタルーニャ
自治権を奪われ、カタルーニャ語の使用も禁止された。
これは、フランコ独裁政権終焉後、1979年の自治州成立まで
続いた。
勝った日ではなく、破れた日を記念日にするというのは
なかなか珍しかろう。
カサ・ミラカタルーニャの旗が飾られたのはそのため
だったのかもしれぬ。

まあ、カタルーニャの祝日をとやかくいうものでは、まったく
ないのだが、とにかく荷物がないのは困る。
着替えもなく、着た切り雀、で、ある。

まったく、イベリア航空もいい加減である。
17時に届けるなどと、まったくテキトウなことを言っていた
わけである。帰らせるための方便であろう。できないことは
分かっていたのではなかろうか。

これ、マドリッドからバルセロナへの国内線、で、ある。
国内線でロストバゲッジって、どういうこと?。
おまけにマドリッドは首都であろう。呆れてものも言えぬ。

イベリア航空は、仮にもスペイン王国のナショナル・フラッグ・
エアラインであろう。しっかりしてよ!。

あれ?、スペインって、G7じゃなかったっけ?。
G7は日米英仏独伊にカナダ、だ。
そう、G7には入っていないのである。(フランコ独裁政権後、
安定までは入れない、という状態が続いているよう。もはや
入る意味もないのかもしれぬか。)

皆様、試みにgoogleの検索窓に日本語でイベリア航空と打って、
スペースを入れてほしい。一番上にロストバゲージがあがって
くるはず。
もしかして、札付き?。

内儀(かみ)さんが調べると、顧客向けの荷物の追跡システムは
あるようで、追うとバルセロナには着いているらしい。
やはり休みで届けられない、のか。
追跡システムはあるのに!?。

どうもコンテナ一つ分マドリッドに置き忘れたようなのだが、
これはシステムエラー?、ヒューマンエラー?。
嗚呼。
なん日も届かない例も聞く。
内儀さんは明日、空港に取りにいこう、という。

困ったが、仕方がない。
落語「天災」ではないが、イベリア航空に乗った、いや、
スペインにきた身の不幸と思って、あきらめるしかない。

夜。
買った袋のYAKISOBA。

YATEKOMO。
スペインの発音はジェテコモのよう。POLLOは鶏。
これ、どうもバルセロナの会社らしい。

作ってみる。
お湯で戻して、3分、湯切り。
粉末を入れてよく混ぜる。

見栄えはこんなものだが、やはりこれ、うまい。
やはり日本のソース焼きそばではなく、中華系の
焼きそば、混ぜそばに近い味だが、日本人の味覚にも
十分にかなう。

買った、やはり生っぽいサラミ。

サラミもスペイン人はお好きなよう。生ハムとこれが
スーパーの定番。

チーズ。

curado、は熟成という意味のよう。
味はくせがなく濃い目でうまい。

スーパーのチーズ事情はイタリアと大きく違っている。
イタリアは、パルミジャーノ、ペッコリーノといった、
地域ごとに伝統製法が定められたナチュラルチーズが
決まっており、それらが小分けされ売られている。
(スペインにもこうした伝統チーズはちゃんとあるよう
なのだが、やはりどこのスーパーにもあるというもの
ではないよう。)

ビールはEstrella。

エストレージャ。香りがよく、うまいビール。
これも、バルセロナ醸造所のよう。
(後にわかるが、マドリッドでもサン・セバスチャンでも
よく見かけた。)
ピルスナータイプで気持ち濃いめで品がよい。
キリン「晴れ風」をちょっと彷彿とさせる。
おそらく日本人の好みにも合うだろう。

そうそう、このホテル。
道路側、カサ・ミラが見える方にベランダがあって、椅子と
テーブル、灰皿が置かれている。
室内はむろん禁煙だが、これは私にはありがたい。

スペインの喫煙事情はイタリアとも同じで、外であれば
喫煙は可のよう。特にゴミ箱には灰皿の付いている
ものもあり、ゴミ箱付近で吸えば十分許容されるように
見えた。
ただ、煙草を買おうとすると、日本国内よりもさらに高い。
(欧州も国によって違って、スペインは多少安いようだが、
一箱700円超。空港の免税店でもこれは同じ。イギリスは
2700円、とも。)それでか、吸っている人はごく少ない。

ともあれ。

今日はこれで寝るしかない。


つづく

 

 

 

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