浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み2024 沖縄・慶良間諸島・座間味 その1

4639号

9月10日(火)~

さて。
夏休みをいただいたが、昨年、一昨年に続いて
沖縄へダイビングに行ってきた。

場所は、慶良間(けらま)諸島。
昨年までは、慶良間諸島でも渡嘉敷(とかしき)島

今年は慶良間でも隣の座間味(ざまみ)島へ行くことに
した。

慶良間諸島は主たる二つの島からなり、一つは東側の
細長い渡嘉敷島で、もう一つはその西の座間味島

昨年は渡嘉敷に加えて、さらに南の八重山竹富島へも
泊り、さらに日本最南端の波照間島でも潜った。

慶良間諸島の海の美しい青が、ケラマブルーと
呼ばれている。実際、昨年の渡嘉敷はよかった。
サンゴの種類、密度がもの凄い。また当然、魚の密度も。

ダイビングというのは、自然を見るスポーツで
あるため、荒れていない、できるだけ人が行かない
ところがよい。そういう意味で、本島に近い離島である
慶良間諸島は利便性がよいが、そこまで人がこない。
開発もされていない。また、おそらく2つ+αの島に
はさまれた海は地形的にもよい環境のような気がしている。

ともあれ。

この日、ANA471便、羽田11:35→那覇14:15。
プレミアムシートを取った。

映画は「ロードハウス/孤独の街」を観た。
古典的なアメリカ西部劇のようなつくりで、痛快。
わずかに時間が足らず最後まで観られず。

機内食

和食。
真ん中が、メヌケ薯蕷(じょうよ)蒸しなめこ菊花餡かけ。
薯蕷蒸しというのは、山芋を掛けて蒸したもの。

小鉢類が、出汁巻き玉子、焼芋、揚げたもずく、
鶏団子と白菜の柚子胡椒風味煮、ごまといわしの佃煮。
無花果、粟麩、黒蒟蒻、隠元の白酢チーズ掛け。
合鴨のパストラミ、パンプキンサラダ。
ご飯が牛肉ナムル風。味噌汁。

それぞれ少量ずつだが、全体はなかなかのボリューム。
味も上々。流石によく考えられているよう。

那覇空港から、那覇市内のホテルへ。
本来であれば、夕方に座間味島へ渡れるのだが、
この日は、たまたま夕方便の高速船がメンテナンスのため
欠航。

ホテルはサウスウエストグランドホテル那覇

場所は、久茂地3丁目、国際通りそば。
オープンしたてのようで、TVなど設備類、備品は
最新のもの。

沖縄へきたら夕飯はやっぱりステーキであろう。
調べると、近所によさそうなところがあった。
ジャンボステーキ・ハンズ]。

チェーン店の本店のよう。

ランプステーキハーフパウンド、225g、2250円。
サラダバー、スープ、ご飯、カレーなどの
副菜ビュッフェ、500円。

サラダ、スープ、オリオンビール

ステーキ。

店オリジナルのソースがなかなかうまい。

総じて、なかなかリーズナブルといってよいか。

翌、午前、泊(とまり)港から座間味行のフェリー。

ちと、余談。
那覇には今、二つの港があり、那覇港と、泊港。(さらに
正確には北側にもう一つ、那覇新港というのもある。)
今の泊港は、主として那覇から座間味、渡嘉敷、大東など
離島行きのフェリーなどが発着する。
琉球王国首里城に近く、泊港の方が歴史は古いよう。

この泊港、以前からちょっと疑問があった。
なにかというと、この泊という名前のこと。
お分かりになる方も多かろうが、泊というのは、
古くからの日本語で、港のこと。新潟の寺泊だったり、
北海道の原発のある泊村などなど、今も全国各地に港の
名前、地名として多く残っている。
だが、これはどういうことなのであろうか。

“めんそーれ”だったり“にへーでーびる”だったり、
地名も然り。沖縄の言葉というのはちょっと聞くと、
大和人にはわからないものがほとんどかもしれぬ。
(まあ、内地でも津軽弁だったり、薩摩弁だったり、
わからない方言はたくさんあるが。)

明治以前、王国時代から、泊と呼ばれていたのか、という
問題である。訛って(変化して)もいない。

この解答には辿り着かなかったのだが、
ちょいと調べると、沖縄に他にも泊という地名が
あることがわかった(伊平屋村前泊)。
那覇の泊も王国時代から継続して呼ばれていた可能性は
高いように思えてくる。

琉球・沖縄の言葉は言語学上、文法や語彙は日本語
といってよく、中世以前に分かれ、独自に変化したと。
だが、この泊は、変化もせずにまったく同じ音の同じ
言葉として存在してきた、ということなのか。
であれば、ちょっと珍しい例なのかもしれぬ。

ともあれ。
ちょっと雨模様。
台風も近くに発生しているのが気掛かり。

高速船だと1時間ほどだが、フェリーは2時間。

揺れはほとんどなかったが、雨模様で座間味港着。

泊まるホテルのスタッフの方が迎えにきてくれて、
車で連れてってくれる。が、ほぼ港の前、すぐに
到着。ちかっ。

 

つづく

 

 

 

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