浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・弁天山美家古寿司 その1

4月25日(土)夜

さて。

毎度お馴染み、浅草[弁天山美家古寿司]で、ある。

予約は、18時半。

タクシーで向かう。

馬道通り、伝法院通りの交差点で降りる。

今日も天気はよくて、最高気温22.3℃(13時26分)
平年が21.0のようなので、気持ち高め。

そろそろゴールデンウイーク。

ゴールデンウイークとは関係なさそうだが、
浅草も外国人観光客であふれている。
おそらく道行く人の過半数をもはや超えており日常
なのであろう。
いい加減慣れなければいけない。
考えてみればヴェネチィアに行ったが、おそらく街を
歩く人々の8~9割は彼らにとって外国人観光客で
あったろう。
自分のことを省みれば訪れた街での振る舞いには
十二分に気を付けなければ、と。

ともあれ。
札が出ている。今日も予約で一杯のよう。

入って、若親方と若女将にご挨拶。

カウンター、若親方の前へ。

瓶ビール、キリンラガーをもらう。

と、こんなものを出してくれた。

甘辛に煮た鮑の肝。
うまいもんである。

一度、この肝だけを吉池で見つけて自分で煮てみた
ことがあるのだが、苦くてとても食べられるものに
ならなかった。以来、自分では近付かないように
してきた。トウシロウのやるものではない。

鮑というのは、江戸前鮨の初夏から夏の名物ねた。
あー、もうそんな季節であるか。
今では考えられぬが、江戸前はともかく、江戸・東京湾で
鮑が獲れたのである。
(この後、鮑のことを忘れてしまった。
塩蒸し、蒸し鮑といって、柔らかく火を通し、滋味深い
味のねたになるのだが、あったのか、なかったのか。
ともかくも、気が付かなかった。)

お通し。

いつも通り、まぐろ血合いの角煮。

さて、つまみ。

毎度お決まりだが、今日もたこと鰹があるよう。
頼む。

たこから。

頭(腹)の部分。

にきりが塗られている。
わさびで、食べる。

江戸前仕事を施された、江戸前の真だこ。
頭もまた、うまい。

そういえば、ヴェネチアでたこは食べたが、
かなり柔らかくしてあった。地中海などでも広く
食べられているが、種類は近似種だが地中海真だこ
というよう。

鰹。

前回同様、おろした新玉ねぎをにきりじょうゆを
合わせたものが掛かっている。

最近はもう季節がわからなくなってきたが、これは、
まださすがに、初鰹といってよかろう。
実にみずみずしく、まさに堪えられぬ味。
これが、内儀(かみ)さんを質に置いても食べたいという味。

つまみとビールは、ここまで。

にぎりは、お茶とともに。
これ、江戸前鮨やでの伝統的なマナー、で、ある。
酒を呑みながら、にぎりをつまむのは、タブー。
今、やっている人は多いが。

白身と、いかから。

平目。

ここなので昆布〆、で、ある。
水分がほどよく抜け、コリっとした歯応え。
そして、よいうまみ。

次は、これ。

かんぱち。
(こんなのは、漢字で書くのも妙。勘八か間八のようだが
なにか、違う。)

しっかりした歯応えと、ほんのり脂。
微妙なのだが、香りも独特のものがあるように思う。
うまい。

次は、鯛。

いつも通り、皮を残している。

毎度思うが、ここは、種を厚く切る。
この鯛など、典型、で、あろう。
東京の江戸前を看板にする他の鮨やではどうで
あったろうか。あまり思い出せないが。
最近、ちゃんとした鮨やでは他の店には
行かなくなっているので。

これが出た。

たまに出してくれる。
海老の頭の味噌汁。
ノーマルな出汁の味噌汁にさらに海老のうまみが
加わって、極上に濃厚。

そして、すみいか。

産卵期が近いこの時期なので、だいぶ大きなもの。
そして、身が厚い。


つづく

 

 

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