浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



天かすおろし

dancyotei2015-09-20



9月19日(土)第一食



シルバーウイーク



なのであるが、別段予定もない。


このところ、天候不順、季節のかわり目で疲れ気味、
体調が今一つなのでちょうどよい骨休め。


とりあえず、一杯、なのであるが、
どうしようか。


冷蔵庫に先週日曜日に行った、三筋の天ぷらや
[みやこし]でもらってきた天かすがある。


うどんかそばを茹でて、たぬきにしようか。


ん!。


そうである。


野菜室に大根もある。


冷やしおろしたぬきがよい。


いや、つまみであれば、うどんそばぬき、でよい。


おろしたぬき、ぬき。


少し前におろし天ぬき、をくどく書いていた。



温かい天ぷらそば、あるいは天ぬきにはおろしはいらぬが、
冷たい天ぷらそば、ぶっかけには、おろしは必要不可欠。
おろしが入った方が、圧倒的にうまい。


なぜであろうか。


この場合、おろしが主(しゅ)、なのか、天ぷらが主なのか。


いや。


冷やしのおろし天そば、といわなくても、
これは天ぷらの天つゆに入れたおろし、でもよい。


違う食べ物ではあるが、甘辛のつゆに大根おろし
天ぷら、または天かすというのは、同じ。
ほぼ同じものと言ってよいのだろう。


で、どちらが主なのかといえば、天つゆにおろし、にしても
おろし天そば(ぬき)にしても、おろしではなく、
天ぷらが主、で、ある。
これが、具のない天かすであっても。


おろしだけを食べる場合は、他の地方は知らぬが
東京人は甘くしない。しょうゆのみと決まっている。


これはなぜであろうか。


よくわからぬ。


わからぬが、大根おろしが主の場合は、
おろしの辛みを味わうということになる。
辛みを味わうには、甘味は余計なのでは
なかろうか。
しょうゆの旨みと塩味(えんみ)を
加えるだけの方が、大根おろしの辛みを
味わうには適しているからなのかもしれない。


天ぷら+甘辛しょうゆのつゆに、大根おろし
入れるのは、やはり油っこをさっぱりさせる、
という、薬味の効果である。


であるから、天ぷら+甘辛しょうゆのつゆには
大根おろしの辛みがなくては、完結しない、
ということになる。


まあ、ゴタクはこの辺にして、


作る。


作るといっても、大根をおろすだけ、で、ある。


つゆは毎度お馴染み、桃屋のつゆの原液。


原液を使うので、大根の水分は捨てずに使う。


皿に天かすを盛って、まわりにつゆ、上におろしをのせる。







ビールを開けて、つまむ。



貧乏くさいこんなものだが、立派なつまみになる。


いや、べら棒にうまい。


文句のつけようがない。


お替り!。


この皿にもう一杯。


さて。


一つおまけ。


まだまだあるので、天かすの他の使い道。
意外に、他に思い浮かばなのだが、
これは、成功。


サッポロ一番塩ラーメンに入れてみた。





他に入れたのは、レタスとソーセージ。


天かすというのは、塩味のスープ、つゆにも
いけるものである。



お茶漬けなどに入れてもよいかもしれぬ。