浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



大阪、福井出張〜へしこ

dancyotei2012-04-29



4月28日(土)



今週は木金と大阪、福井への出張であった。


10時すぎ大阪入りし、昼飯は去年見つけた
北浜の店。


ニューハマヤという昭和の香り満載の洋食や。


東京だと、どちらかといえば、神保町などの
学生街にあるような、カロリーとか、南海のようなところ。
この手の店はキッチン、という言い方が適当かもしれない。


客層は、場所柄サラリーマンのみ。
女性もくる。狭いがカウンターと二階もある。


メニューはいくつかあるが、基本頼んでいるのは
皆、一つ。


牛焼肉とオムレツ。
そのダブルと、両方ダブルのダブダブ。
ハムが付く、ハムダブル、と、いったところ。


カウンターに座り、頼んだのは、ハムダブル。





赤だし、福神漬けが付き、
ご飯はお櫃で置かれる。


今いえば、ガッツリ系、ということになろうが、
焼肉も濃い味。こういうものが、うまい。


客の回転もよいし、店のおっちゃんも
兄ちゃんも口数は少ないが、威勢がよくて、
気持ちがいい。


たまにある大阪出張、都合が許せば、
昼飯に寄りたい店、で、ある。


夕方、サンダーバードに乗って、福井へ。


ビジネスホテルがないので、古い温泉地の、
古い温泉旅館、10,000円。


泊まった旅館は古いといっても、建物ができたのは、
昭和30年代ぐらいであろうか。


温泉はよいのだが、こういうところは、
今のサラリーマンの出張には向かない。


古い温泉地であるから、値段帯は高いままなのであろう。
そこを、10,000円と安くしているようで、
お刺身は付かないんですよね、と、お婆ちゃんの仲居さん。
(それでも、むろんサラリーマンの出張1泊の値段とすれば足が出る。)


関東近県の古い温泉地は客が減り、このような昭和の温泉地を脱して
カップル用に部屋に温泉の風呂を用意したり、
なかなか努力をしているところもあるやに聞く。


後で聞けば、福井市に泊まればビジネスホテルも
食事をするところもあったという。


サービスは古い田舎の日本旅館のもので、温かみがあり
行き届いてはいるのだが、むずかしいもの、で、ある。


さて。


帰り、駅の売店で買った福井の名物、
へしこ。


鯖が一般的のようだが、魚の糠漬け。
買ったのは、鰯のへしこ。


こんな感じ。





土曜の夜、開けて食べてみる。


切って、そのまま食べて下さい、と、書いてある。





ビール。


ちょっと、かじってみる。


ん?


匂いもなかなか、くさいのであるが、
くさや、などともまた違って、
食べたことのない味、で、ある。


塩分も強い。


これも魚の発酵食品、ということになろう。


塩辛、くさや。
あるいは、調味料としてのしょっつる


この福井の近所だが、琵琶湖の鮒ずし、または、
日本海から北海道にかけてある、イズシ。
これらは米麹漬け。


どれとも多少違う味。


やはり、こういうものは、慣れ、のもの、
なのであろう。


炙っても食べてみた。


基本、この手のものは、好物、なのだが、
もう少し食べて、慣れてみようか。