浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



インドカレー

3月11日(日)夕



カレーを作ろうと、思い立った。



思い立ったのは、昨日の夜。



カレーというのは、ハウスやらS&Bのルウのカレーではなく
個々のスパイスをバラバラに入れる、インドのカレー


それこそ、これを作ってもう20年以上になる。
学生の頃、当時はまだクミンやらターメリックやら
個々のスパイスを別々に売っているのは、東京の
紀ノ国屋やら輸入食品を揃えている店や百貨店の食品売り場
だけであった。


レシピは大学の図書館で調べ、スパイスを買い集め、
作り始めた、のであった。


最初はそれらしい味にならず、苦労をしたが、
段々に安定し、まあ、今では自己流に近いレシピに
なってきているといってよいのかもしれない。


インドカレー、などと一口にいうが、むろん
様々なレシピがあり、最近は、こってり系の、バターチキン
なんというものも作っている。


あるいは、日本のルーのカレーに多少近いのだが、
欧風カレーなどと呼ばれているものもある。


これは、ベシャメルソース(いわゆるホワイトソース)
をベースに、おろしリンゴなども入れて作るこってりした
カレー。もともとは日本の洋食や系のレシピであったもの
のよう。


ただ、今、東京の洋食や、や、フレンチで出すカレーとは
違っており、こちらはデミグラスソースにカレーを入れたような
感じのもので、これを自分で作るのは難しそうである。


元来私は、外で食べてものなどを自分で作ってみたい、
と考える性質(たち)なのかもしれない。
大学に入り、まだ東京にもさほど多くはなかったと思うが、
インド風のカレーを食べるようになり、うまいもの、と、感じ、
調べて作り始めた、のであった。


作る、わけであるが、まずは、玉ねぎ、にんにく、しょうがの
みじん切りを、狐色まで炒める。


この作業がけっこうたいへん。


ごく弱火で焦げぬように、炒め続ける。
まじめにこれをすると、小一時間はかかる。


また、みじん切りも、面倒。


そこで、今日は、みじん切りは、ミキサー。


玉ねぎ1個、ざくざく切って、しょうが、にんにく各大匙1、
テキトウに切って、水を少々。
ミキサーを回す。


これを平たい皿にあけ、今度はレンジ。


野菜の下拵えモードで、10分から20分。
ようは、水分を飛ばす、わけである。


昨日の夜は、ここまでで、面倒くさくなり、中断。


再開は、午後。


テフロンのフライパンにバターを溶かし、炒めにかかる。


10分程度で、狐色にはなってきた。
OK。


ご飯もここで、洗って浸水をしておく。


肉。


骨付きの鶏ももにしよう。
冷凍庫にある。


3本。


解凍。


数分レンジをかけて、あとは自然解凍。


スパイス。
最近は、海外へ行った際に、買ってくることが多い。
むろん、国内でも今は、スパイスは売っているのだが、
海外に比べると、恐ろしく割高。


最近だと、モロッコ、ドバイなどへ行ったついでに、スーパーで
大きな袋に入ったものを買ってきている。


が、これらは、ホール。
粉末になっていないものが多い。


ホールのままで料理に使う(この前の羊の串のクミンなど)
場合もあるが、カレーの場合は主に粉にして使う。


クミン、コリアンダー、フェネル、をあたり(すり)鉢に入れ、
あたって、細かくする。


完全に粉、にするのは、骨なので、これも適当にやめる。
(別段、完全な粉、でなくとも問題はない。)


これを、狐色になった玉ねぎのフライパンに少量の水、
とともに入れ、さらに、ターメリック(これは粉)大さじ1、
レッドパッパー同1、カレー粉同1を入れ、弱火でよく合わせる。
これがルーのようなものになる。


OK。
煮込み。


鶏もも肉は火が通りにくいので、圧力鍋。


3本を入れ、トマト水煮1缶。(カットしたものがよかったが、
家にあったのが、ホールだったので、軽く包丁で切って。)
それから、合わせたルー。


水をヒタヒタより多め。
今日はちょっと、スープのような仕上がりを目指す。


ここで、煮込み用のスパイスを入れる。
これは粉にしない。


シナモン、スティックをバリバリと折って、入れる。
グローブ、それから、カスリメティー(乾燥した葉っぱ)、
ローレル5〜6枚。
こんなところ。


ここで、塩と、粉末のコンソメも入れておく。


ふたをして、加熱、加圧。
圧が上がって、弱火で5分。


あとは、火を止め、放置調理。


30分。


ふたを開け、様子を見る。


もも肉に箸を刺してみて、火の通り具合を確認。
OK。


味見。


塩気がちょいと強いので、水、
それからコンソメを追加。


スパイスから作るカレーというのは、洋食や
和食の感覚以上に、塩を入れるのである。
刺激が強い分、味を感じない、のかもしれない。
(で、今日は、少し入れすぎた。)


カリスメティーも加えふたをし、もう一度軽く煮込む。


その間に、飯を炊く。
いつもの、ホーロー鍋で炊く。
15分ほどで炊き上がるので、こんなタイミングでOK。


ご飯も炊けた。


皿に盛る。ラッキョも用意。





ビールも開ける。



水分の多いスープカレー


クミンなどの粉のスパイスも比較的多めに入れたので、
香りも強めに仕上がった。
肉も骨付きのももを使うと、なかなか食べ応えがある。


うまかった。