浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



ラムのキーマカレー

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10月11日(日)第二食

さて、カレーが食べたくなった。

ちょっと簡単に、ひき肉のカレー。
ドライカレー、あるいは、キーマカレー
呼び方はいろいろあるが、比較的よく作っている

ちょっと変わったものはなかろうかと、探してみた。
鴨肉の、なんというものも見つかった。
鴨では、いささかもったいない。

肉を変えてみるか。なにかないか?。
先日のラムチョップの、半生の記憶はあるが、
羊はどうだろうか。

宗教的にインド人は食べたかどうか、わからないが、
地域的には、南アジアでは羊は食べそうである。

ちょっとやってみるか。
ハナマサへ行くと、焼き肉用のちょっと厚めのものが
あった。
これを叩いて、ひき肉にすればよいだろう。

作る。
ラムはこんな感じ。

スパイスは、カレー粉とガラムマサラ
クミンだけ、別に入れようか。
先に、あたり鉢でパウダーにしておく。

玉ねぎ3/4ほど、にんにく、しょうが
各大さじ1ほどをみじん切り。

これは、例の引っ張るみじん切り器。
ざっくり切って、しょうが、にんにくも
一緒に入れて引っ張る。

今日は、レンジ加熱の下ごしらえはカット。
ひき肉のカレーの場合は、したりしなかったりだが、
まあ、狐色まで炒めなくとも大丈夫であろう。

フライパンにサラダオイルを敷き、炒める。

軽く炒めて、一度置く。

ここで、ラムを細かく切って、叩く。

厚切りのスライスだが、冷たい方が、細かく切りやすい。
直前まで冷蔵庫へ入れておいた。
一度細い短冊に切ってさらに、数ミリに切る。
そして、ここから、叩く。
http://www.dancyotei.com/2020/oct/lamb_c.jpg

粗びきよりは、さらに少し大きいが、このくらいでもいいか。
点心用でもないし、粘りを出す必要もなかろう。

先ほどのフライパンへ。

炒める。

ここに、スパイス。

S&B赤缶と同ガラムマサラと、パウダーにしたクミン。
よく混ぜて。ベイリーフも。

レッドペッパー。

残っていた、トマト缶。

コンソメ

ここに少し、水。
煮詰めるので、コンソメが溶けるくらいで
よいだろう。

へらでかき混ぜながら煮込む。
トマトの形がなくなった方がよいが、まあ適当に。

カレーリーフも入れてみるか。

ある程度煮込んだら、味付け。
塩、ウスターソース

味見。ん?。
うーん、羊のくさみ、、、。気になる。

クローブも入れてみようか。

ちょっと煮詰まっているので、水を足し、ふたもして
弱火で煮込む。

10分ほど。
おお!。
クローブを数粒入れて水分を増やして煮込むだけで、
かなりよくなった。

OK、これで仕上がりにしよう。

冷や飯を温め、盛り付け。甘くないピクルスを切って添える。

ビールを開けて、食べる。

これ、かなり、うまい。大成功。
羊らしさもちゃんとあり、かつ、うまくなっている。

クローブの威力、か。
スパイスの味、香りについて、読者の方に詳しく書いてくれ、
と言われたことがある。自分でもなにか書きたいと思ってきた
のだが、これ、無理であることを改めて、実感した。
なぜか?。日本語にないのである。

例えば、クミンとクローブでは香りも味も明らかに違う。
これは誰でもわかる。今回でいえば、羊のカレーには
クミンよりもクローブが合っていた。
だが日本語にすると、さわやかな風味、なんということに
どちらもなってしまうのである。
日本人はクミンとクローブを食べてこなかったのでそれを区別して
表現する必要はなかった。形容詞もない。イメージもできない。
なにかに例えることすらできない。
ヒンドゥー語にはあるのではなかろうか。
言語というのは、区別する必要がなければ、いらない。

ともあれ、ラムのキーマカレー、うまくできた。