浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)
断腸亭料理日記本店
 

市ヶ谷駅前(五番町)・路麺・瓢箪

3月12日(水)昼


昼から外出。


天気はいいが、少し肌寒い。


昼飯は、、、、。


市ヶ谷駅前の路麺、瓢箪、にしようか。


突然であるが、JRの市ヶ谷駅というのは、市谷にない。
地名としての市谷は、新宿区で外濠の外側。
外濠の内側は、千代田区五番町。


そして、駅名は、市谷ではなく、市ヶ谷と、「ヶ」が入る。


この件、一般の皆さんには、どうでもよいことではあろう。
しかし、筆者など、会社の本社住所が市谷であるため、様々な文書には
正しい表記をしなくてはならず、市谷なのか、市ヶ谷なのかは、
重要なことだったりするのである。


江戸の頃には、市谷もあったようだし
市ヶ谷もあり両方適当に使われていたようである。
(きちんと考証したわけではなく、印象だけなのだが
どちらかといえば、市ヶ谷と「ヶ」が入る表記の方が
多かったかもしれない、と思ってはいる。
ちなみに、池波作品は市ヶ谷、だったと思われる。)


それが、明治になり、正式な町名は、市谷八幡町やら、
市谷田町といった、「ヶ」の入らない表記になり、今に至っている。


今のJR市ヶ谷駅から、外濠に掛っている橋は
市ヶ谷橋というが、これはいうまでもなく、
江戸の頃は、市ヶ谷御門、あるいは、市ヶ谷見附で、
橋を番町側に渡ったところには、大番所もあった。
(これも、市ヶ谷と、市谷、どちらもあったようである。
ただし、偶然かもしれぬが、江戸の地図によっては、
今と同じ使い分けをしているものもあった。)


市ヶ谷御門は明治になってなくなり、
市ヶ谷駅ができたのは、明治28年
当初は国鉄中央線ではなく、甲武鉄道という名前の私鉄で、
明治39年に国有化された。
またこの頃は、駅ではなく、停車場という名前であった。
この開業時の停車場名は、市ヶ谷停車場。
今の駅名の市ヶ谷はここから始まっているようである。


しかし、、、。歴史はわかったが、
なぜ駅名が「ヶ」入りなのかは、依然としてわからない。


ともあれ。


駅前は今、靖国通りが市ヶ谷橋から、直角に曲がり、靖国神社
向っており、また、麹町方面に向って、新坂というゆるい坂の
三叉路。


この新坂をいくと、日テレに至るので、この通りは、
日テレ通りなどともいわれている。


今のこのあたりは、先に述べたように、五番町という。
しかし、昭和の十三年までは、土手三番町というのが
町名であった。
では、もともと、五番町はどのあたりであったかというと、
半蔵門に近い英国大使館のあたり。


反対に、今の三番町は、その英国大使館の北側、
大妻女子大などのあるあたり。
(なぜ、こんな風に、入れ替えたのであろうか。)


麹町の北側、靖国通りの南まで、一番町から六番町までが、
今もあり、皆さんご存じの通り、まとめて、番町、と
呼ばれている。
江戸の頃のこの番町は、開府当時からの旗本屋敷。


番町という名前の由来は、ここに住んだ旗本達が当初、
大番組という将軍親衛隊に属していたからという。
そして、組は六番組まであり、これが、今も、
(先に書いたように、場所は変わっているが)
一番町から六番町まであることにつながっているようである。


大きな大名屋敷はないが、整然とした
中規模の武家屋敷の町であったようである。
明治に入り、それらの武家屋敷は、華族や、官吏、
文化人、などが住む、山手の高級住宅地、になっていった。


土手三番町には三井八郎衛門邸などもあり、また、泉鏡花も住んだ。
また、NHKのドラマで有名になった吉行淳之介の母、あぐり氏、が
美容室を開店したのも市ヶ谷駅近くのここ土手三番町であった。


現代では、そうしたお屋敷も多少はあるのかもしれぬが、
マンションなども多少混じった、
静かなオフィス街といってよかろう。


ともあれ。


路麺、瓢箪へは、駅前から新坂の日テレ通りに入り、
すぐに右の路地に入る。


この路地は、土手に行き当たり道は細くなるが、
そのまま四ツ谷駅に出ている。


瓢箪はこの路地に入ってすぐに左。
マンションの一階、であろうか。
青いテントの屋根が目印、で、ある。


店先で窓から「持ち帰り」も買えるようになっている。


入口の間口は半間程であろうか。
入ると左側が調理場でこれに沿って、カウンター。
中も狭い。


一番奥の突き当りに券売機がある。


そばは、かき揚げの普通の天ぷらそばでいこう。
それから、ここにはミニ丼もあるので、
今日は、ミニそぼろ丼ももらおう。


そば以外は現金。
そばの券は調理場前のカウンターに置き、
その脇に置かれている、お椀にミニ丼の代金は入れる。


ここのそばは、冷凍麺。
すぐにできる。





受け取り、調理場と反対側の壁にあるカウンターへ移動。


伸びるので、そばから、食べ始める。
ここのかき揚げは、ほろほろに揚げられており、すぐにくずれる。
これが、よい。


毎度書いているが、路麺というのは、天ぷらの種類が多いのが
特徴である。そして、まず、90%以上の人が天ぷら
かき揚げなどの)入りを頼む。
このかき揚げ入りのそばは、くずれてつゆに溶けたのが
また、うまい、のである。
そこで、ここのように、サクサク、ほろほろに揚げてあると
時間を待たずに溶けた状態の衣が食える、ということになる。


そばを食い終わり、ミニそぼろ丼にかかる。
ここのそぼろはかなり甘め。


食い終わり、出る。
うまかった。


どうしてどうして、ここも、いつきても
安心できる味の、路麺。
満足度もなかなかなもの、で、ある。






瓢箪
東京都千代田区五番町4-2