4797号
6月24日(火)第一食
さて。
ここ。
知らなかった。
いや、そこにある、存在しているのは知っていたが
中身を知らなければ、とても入れるようなところでは
ない、というのがほんとのところであろう。
が、ちょっと最近話題らしい、と。
御徒町駅西、春日通りから北へ入る通り、一本目が
アメ横の通りで、その次の路地を入る。
ラーメンの[たかはし]があって、その右脇の路地、
というより“通路”を右に入って右側。
赤で、とんかつ、青で、まんぷくと書かれた
白い看板があるが、ここ。
この通路の先は、いくつかある[二木の菓子]のうち
南側の店舗に出る。
まったく、御徒町でもディープな一角。
それこそ、闇市のままではないか、という。
11時から18時というちょっとイレギュラーな営業時間。
14時すぎに到着。
入ると、カウンターのみ。
細い上に、奥もさほどない。
かなり狭い。
窓ももちろんない。
先客はここに4人。
ご主人一人。
ワンオペのよう。
メニューは、ロース、ヒレの定食各1,800円。
定食は味噌汁、お新香付き。
とんかつ定食1,000円。
これにロース焼肉定食1,000円、同味噌焼き定食1,000円、
同生姜焼き定食1,000円。
串かつライス700円、メンチカツライス650円。
こんな具合。
とんかつやは基本、とんかつのみ、のことろが
多いと思うが、生姜焼きなどもあり、ちょっと珍しい。
ロースを頼む。
ここがご主人一人だから、というのではなく、どこも
とんかつや、というのは、待つ。
もちろん注文が入ってから、揚げ始めるので。
客席数の多い店でも、多くは揚げる人は一人。
そうすると、待ち時間は同じか、お客が多い分、
大きな店の方が、むしろ長い、ということになるかも
しれない。
ともあれ、きた。
味噌汁、お新香。
ご飯は、皿盛り。
ちょっとわかりずらいか。
カツのアップ。
お分かりになろうか。
この厚み。
2cmはあろうか。
中はしっとり。
揚げ色は濃いめであろうが、この厚みをこの仕上がりで
揚げる技は、なかなかのもの、ではあろう。
もちろん、塩で。
十二分に、うまい。
この厚み、ヒレでは、この近所、松坂屋裏の[蓬莱屋]が
一本そのままで揚げるが、私が今まで食べたロースとしては、
最も厚いのではなかろうか。
これは価値があろう。
そして、驚いた。
なるほど、ここ、こんな店であったのか。
まったく知らなかった。
最初に書いたが、知らなければ、絶対に入れる
雰囲気ではない。
この、上野・御徒町界隈、先の[蓬莱屋]を始め、
ミシュラン掲載店[ぽん多本家](洋食やだが)、
[とん八亭]などなど、老舗、銘店含め数多い。
過去から、そして今も、とんかつやの密度の高さは
もの凄かろう。以前はとんかつといえば浅草も多かったが、
今は、上野・御徒町が東京一、いや、日本一なのかも
しれぬ。
なぜ、とんかつやが、上野浅草だったのか、以前にも
考えてみたことがあるが、もう一つよくわからなかった。
明治の終わりから大正期に、洋食やから、当時大流行の
豚のカツレツが独立した。おそらく、上野浅草だけでなく、
東京の各盛り場でたくさんのとんかつやができたのであろう。
むしろ、上野浅草が生き残ったと考えるべきかもしれぬ。
浅草は、今は復活したが、やはり30年前から20年前、
人が減った。この時に、なくなっていった。
意外に、上野御徒町は、街としての新陳代謝が少なかった
のかもしれない。
この店とこの周辺も、闇市の香りがいまだに残っている。
食べログによれば、ここはオープンが昭和37年(1962年)
という。私より、一つ上。
今のご主人は二代目、なのか、三代目、なのか。
年配のようだが、私よりは少し上くらいか。
ずっとここで、商売されていたのであろうか。
ともあれ。
ここも話題になって、どうなっていくのか。
キャパが少ないので、ちょっと心配ではあるが。
台東区上野4丁目1-5
03-3831-3457
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