浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



いいだこ・桜煮

dancyotei2007-12-11

12月8日(土)夜


さて、土曜日。
第一食は、冷蔵庫にあった、キャベツと豚肉で、
あんかけ焼きそば。


午後、例によって、稽古に出る。


佐竹商店街から、竹町公園、ずっと西へいって、昭和通り
渡り、まっすぐに、JRもくぐり、松坂屋裏。
中央通りまででて、右に折れ、春日通りの交差点も渡り
向こう側へ。


ここまで来たのは、
先日の上野ととんかつの考察もあり、双葉を覗いてみようか
と、思ったのであった。


路地を入り、鈴本演芸場の裏路地。
このあたりも、今は、まわりの環境はいま一つ、で、ある。


双葉は確か、昼しかやっていない。


着いたのは、13時過ぎ。
ガラス戸には、「騒がしい、お子様連れの方はお断り」
(正確な文面は忘れた。)の有名な張り紙。
その前に立って待っている人も数人いる。


ここで待つのも、いま一つ。
どうせなら、開店一番でくるのがよかろう。


この場を離れ、アメ横に回る。
魚や。


いつものアメ横ビル1Fではなく、反対側、JR下の店で、
いいだこ、を発見した。


先月


過去の反省も生かせず、墨が出てきてしまった。
このリベンジと、茶ぶり(番茶で霜降り)をする、という
本当の桜煮を、やってみようと思っていたのである。


ひとやま、500円。購入。


帰宅。





夕方、作り始める。
今回は、プロのレシピを参考にする。


まずは、目玉と、口を取る。


そして、墨を取る、の、だが、
どうするのかというと、墨袋、というのが、
腹(頭)にあるらしい。


腹をめくり、内蔵を露出させ、墨袋、らしきものを、探す。
これがやはり、なかなかわかりずらい。


口につながっている、黒い管をたどっていくと、
黒い墨のたまっている部分にたどり着く。
これだけをきれいに取るのは、なかなか難しい。
爪でひっかくと、切れて、墨だらけ。
洗い流す。
出した内臓は、もう一度、戻しておく。


全部で13杯、内蔵を引っぱり出しては墨を丹念に取る。
指先、特に爪の間に墨が入り、真っ黒。


そして、たこは、よく洗う。
吸盤に墨が入り込みなかなか取れない。
適当にやめる。(プロは全部取るようだ。)


しかし、一応、全部、内臓の墨は取りきった、と、思われる。


次は、番茶で茶ぶり。


やかんで湯を沸かし、ここに、番茶の葉を入れ、
これで、霜降りの要領だろうから、沸騰させる。


量が多いので、ざる三つにいいだこを分け、
沸騰した番茶を掛けていく。


(しかし、この、番茶で霜降りをする、という意図は
なんなのだろうか。日本料理のたこの料理法では決まっている
もののようではある。柔らかくなるのであろうか。)


茶ぶりをした後は、水に20分漬ける。


この後、だし汁に入れて蒸すのだが、
水に漬けている間に、鰹でだしをとる。


取っただしに、しょうゆ(レシピには、薄口とあったが、
拙亭には、そんなものはないので、濃い口)、
煮切りみりんとあったが、酒でいいだろう、を合わせる。


大きな四角いプラスチック容器に、いいだこを、頭を下、
足を上にして置き、ここにだし汁をヒタヒタまで注ぐ。
そして、これも、意図がわからぬが、
大根の輪切り(厚み1cm)を上からのせる。


拙亭で最大の容器を用意したのだが4〜5杯を入れるのがやっと。
なん回かに、分けねばなるまい。


容器が大きいので、鍋も大きなもの。
蒸し器の目皿だけを下に置き、水を入れ、蓋をして加熱。
中火で、20分。


できた。


見た感じは、よさそうである。
これをからし酢味噌で、と、いう。


白味噌で、からし酢味噌を作る。


完成。





まずは、そのまま、食べてみる。
そこそこ、柔らかい。
蒸し加減はよいようだ。


しかし、番茶で霜降りにした効果、というのが今一つわからない。
後で洗ってしまうので、香りを付ける、のでもなさそうである。
蒸す、という方は、煮てしまうと硬くなるから、
と、いうことであろう。


からし酢味噌をつけてみる。
桜煮に酢味噌というのは、聞いたことがなかった。
ネギが入れば、ヌタ、にもなるような気もするが、、、。
これは関西割烹のレシピでなかろうか。
東京ではないのかもしれない。


合わなくもないが、なんとなく、違うようにも、
思われる。
食べながら気が付いたのだが、あまみがもう少しあった方が
からし酢味噌には、合うのかもしれぬ。
やはり、みりんも入れるのが、正しかったのか。


太助寿司などでは、たこは、塩で食べさせるが、
同じように、茶ぶりで調理してあるのだと思われるが、
これは、元々のたこが違う。東京近郊ではブランドの
佐島のもの、で、ある。


と、すると、今日の、いいだこの桜煮、
もう少し、しょうゆを濃くして、そのまま食うのが、
よかったのかもしれない。


ともあれ、今日のいいだこ、桜煮、
茶ぶり、というのに挑戦してはみたものの、
なんとなく、消化不良で、あった。






参考にさせていただいた「厳選・プロのレシピ2500」