浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



赤酢の酢飯で煮穴子のにぎり鮨 その2

4231号

引き続き、煮穴子

圧力鍋の放置調理から30分。

ふたを開ける。

あー。

やってしまった。

おわかりであろうか。
穴子が小さい。
穴子は煮えて、縮んでしまった。

にぎり一つ分、などと考えて切ったのだが、
それは生の時のもの。
よく考えればわかりそうなもの。

鍋に入りやすい大きさでよかったのである。

ざるのままあげる。

仕方がない、このままの大きさでにぎるしかあるまい。

圧力鍋のゆで汁は、フライパンに移す。
これは、ツメ、甘いたれにする。
砂糖、しょうゆを加え、煮立て、煮詰め、開始。

そろそろ、ご飯が炊ける。

切れた。
保温を切って、タイマーを8分に仕掛ける。

鮨酢の用意。
赤酢8:透明な穀物酢2で40㏄。

8分経過。

飯台に1合分、取って、鮨酢をかけ回す。

大急ぎで、混ぜる。
寒いので飯がすぐに冷えてしまうのである。

冷えてきたら混ぜるのはやめねばならない。

赤酢なので、混ぜ残りの白い飯粒が目立つので
赤酢を数滴たらし、そこだけ混ぜる。

こんなものかな。

このまま、また8分。
いや、気温が低いので、そんなにもいらない
かもしれぬ。
ともあれ、飯粒表面を落ち着かせる必要はある。

フライパンのたれ。

途中、味見。

このたれの味、存外むずかしい、でのある。
煮詰まる前の段階で、味を決めておきたい。

とろとろの甘いたれ、なので、砂糖を
しこたま入れればよいかと思うと、そうでもないのである。
反対にしょうゆが多ければ、とろとろになっても、
塩味の強いたれになってしまう。
だいぶ試行錯誤をしたものである。

薄くともちょうどよいバランスにして、煮詰めれば
よいというのが段々わかってきた。
割合は煮詰まる前と後で、変わらない。
よく考えれば、わかるのだが、、。

ともあれ。
だいぶ煮詰まってきた。
もう少し。

にぎり終わるまでに仕上げておきたい。

ゆず。
おろし金でおろしておく。

たれは、OKかな。

8分、タイマーが切れる。
あー、案の定、ちょっと酢飯は冷えてしまった。

にぎりの鮨、というのは、プロは保温するくらいで
人肌程度には温かくなければにぎれない。

小さくなってしまった穴子だが、にぎりも
小さくして、にぎる。

たれをたらしたもの、たらさないもの。
ゆずは、最初はたれなしにまぶしてみた。

アップ。

形はともかく、味はよいだろう。

たれ付きは一つ食べ、結局全部にゆずをまぶした。
たれ+ゆずが最もうまい。

そして、やはり、煮穴子は、厚みがある方が断然うまい。

しかし、ゆず、というのは、なんであろうか。

むろん、香りだけ、のもののはず、なのだが、
かけたものの味までが、うまくなるように
感じてしまう。不思議である。

たれなしよりも、たれありの方が、よりうまい。
しょうゆ味に合うのか。

西日本のものなので、私はやはりそう馴染み深くはない。

西のものだからか、特に割烹系の料理に多用されるのだろう。

茶碗蒸しに入れたり、松茸の土瓶蒸しにも入れる。
そう、椀物、吸い物、おつゆにはよく入る。
この場合のゆずは、吸い物に香りを加える、吸い口という。
必ずしもしょうゆ味ではない。

うどん、そば、例えば温かい天ぷらそばなどにも入れる。
これはしょうゆ味。

先に書いたが、生魚、刺身には合わせない、か。
生の魚の味がゆずに負けてしまう?。

焼き物、濃いしょうゆ味のぶりの照焼など、合いそう。

酢の物はどうであろうか。
私自身はあまり記憶にないが、ちょいと調べると
これは割烹系では定番のよう。
そういえば、プロが作った正月の大根のなます
には細かく切ったものがのっていた。

なにか法則がありそうなのだが、もう一つ、
わからない。

ともあれ。今日のところはよしとしよう。

 

 

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