浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



上野・もつ焼き・カミヤと蕎麦・翁庵

dancyotei2015-11-23



11月21日(土)夕



さて。



土曜日。



午後、内儀(かみ)さんとともに携帯を替えに出る。
家族割りにしているので、同時に、である。
2年半ほど使っていたスマホだが、機種はもちろん
キャリアも替えたので、2時間ほどかかって、終了。


16時頃、稲荷町の携帯ショップを出る。


内儀さんが腹が減ったというので
一杯やるか。


ここからだと、そう。
もつ焼きの[カミヤ]へいこう。


浅草通りを上野方向に歩く。


ん!。


蕎麦やの[翁庵]。


中味は、街の蕎麦やだが、それでも味のあるところ。
戦後の建築であろうと思われるが、今となっては
珍しい木造建築の昭和なそばや。


ここで、ねぎせいろ、もいいな。


ねぎせいろというのは、
せいろの蕎麦を、小さなかき揚げの入ったつゆで
食べるもの。


先にもつ焼きで一杯やって[翁庵]に
まわってもよい。


[カミヤ]をのぞいてみよう。


[翁庵]の先の路地を左に入って左側。


開いてる、開いてる。


開けて入ると、土曜日のさすがにこんな時刻、
先客は小さな子供二人にお父さんとお母さん。


この店は以前は昭和通り沿いにあったが
再開発でここに移ってきた。
前の店から、たまに顔を出していたが、
ここにきてからもなん回かきている。


細面に短髪、いい男のお父っつあん。
年はいくつくらいであろうか。
同年輩か上、、いや、意外に若いのかもしれぬ。
なんとなく、顔を覚えてくれているようで
いらっしゃい、と、迎えてくれる。
無口で、柔和。


内儀さんとともに、カウンターに座る。
お父っつあんが炭火でもつ焼きを焼いている
正面。


私はレモンサワー、内儀さんは生で、
焼きとんは塩で、一人前ずつ。



レモンサワーと、お通しの大根のお新香。


糠漬けであろうか、ちょっと古漬けになっているのが
なんともうまい。


もつ焼きもくる。





女将さんか娘さんか、ちょっと年の離れているような
お姐さんが運んでくれる。


焼けたそばから、二、三本ずつ運んでくれる。




お新香、うまいので、お替り。





これで一人前終了。



レモンサワー二杯呑んで、お勘定。



ご馳走様でした〜。


店を出る。



浅草通りに出て、予定通り[翁庵]へ。


玄関に「新そば」の貼り紙。
暖簾を分けて、入る。


こちらはにぎわっている。


テレビでは、相撲中継。


窓側の囲炉裏端のような席があいていたので
相席で座る。


ねぎせいろの前に、、、


お酒、お燗をもらって、肴は、、なにがよかろう。
かつ煮でももらおうか。


お酒と枝豆。





ここは奥に薦被(こもかぶ)りの樽が置いてあるが
白雪で、辛口。



かつ煮もきた。





お酒をもう一本。



呑みおわり、ねぎせいろ。




ここの蕎麦は白く細い、砂場系。
いかの入った小さなかき揚げをつけ汁にひたしてあるもの。


東京でも珍しいと思うが、この形は、[砂場]]が元祖であろう。


そばの感じからも、なんらか関係があるのかもしれぬ。


隣のテーブルに座ったもじゃもじゃ頭に丸い眼鏡を掛けた
20代であろうか、若い白人のお兄ちゃんが、私達のねぎせいろを
指して、アレくださいと頼んでいた。


慣れないと、食べずらかろう。


そばは、全部つゆにつけちゃだめだよ。


ともあれ、うまかった。


ご馳走様でした。



勘定をして出る。



なんとなく、充実の夕べ、で、ある。