浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭の夏休み2024 沖縄・慶良間諸島・座間味 その4

4642号

9月11日(水)~

引き続き、ダイビングにきた沖縄慶良間諸島
座間味島

夕食の島唯一(?)のフレンチレストラン
[あか樹]。

前号で書き落としたが、「琉球イノベーティヴ シェフの
おまかせコース」13,000円也。
内容も値段もなかなかのもの。

五品きて、パン。

このバターはスモークとのこと。
初めてかもしれない。軽いスモーク香。

そうである、忘れていた。

この一つ前の、夜光貝の入ったソーメンチャンプルー。
ふと疑問に思ったのだが、なぜ、沖縄でそーめん
なのであろうか。

またまた、余談。
ちょいと調べてみたのだが、結論からいうと
わからなかった。考察を少し書いてみる。

毎度、ネタ元にさせていただいている、農水省の「うちの
郷土料理
」にあった。

ここによれば、一般に、内地では(?)そーめんチャンプルー
といっているが、これは間違いらしい。
チャンプルーというのは、豆腐が入らなければいけないらしい。
入らないとソーミンタシヤーというのが正しいとのこと。
(そーめんも沖縄の発音ではソーミンのよう。)

また、ゆでたそうめんを炒めるという料理は沖縄だけでなく、
奄美地方も含めて、南西諸島に広くあるよう。

で、ここからは私の推測。
沖縄を含めた南西諸島には小麦は歴史的には作られて
いなかったよう。耕地面積が少ないということもあってか、
小麦は大陸から伝わったと思われるが、恒常的には
作られていなかったのであろう。一方、米は作られていた。
優先順位とすれば米が上位ということか。同様に食文化的にも、
麺は中国から入ってきていたと思われるが、小麦粉が
ないので庶民が食べるものではなかったよう。

飛んで、現在は、沖縄県内には唯一、沖縄製粉という
製粉会社があり、県内でそうめんも製造されているよう。
沖縄製粉は昭和30年(1955年)の創業で(米統治下だが)
戦後。やはり、新しい。

沖縄そばが生まれたのは明治30年代といわているよう。
日本、沖縄の社会が近代化されてきた頃と考えてよいのか。
つまり、明治のそんな頃、小麦粉も入ってきていたと
思われるが、当初は、本土からそうめんとして移入されて
いたのではなかろうか。家庭料理であるし、日持ちもする。
値段も手頃。遅くとも大正から昭和初期、戦前には
一般化していたのではなかろうか。まあ、まったくの
推測であるが。

閑話休題

次は、魚料理。

アカマチのポワレ フーチバーソース。

ちょっと、和食の甘鯛のように残した鱗をパリパリに
仕上げている。技、で、あろう。

アカマチというのは、内地でも獲れるが、ハマダイ
オナガなどと呼ばれている魚で、沖縄では高級魚。

ソースが黄色いのだが、これは卵黄で、オランデーズ
ソースに近いもののよう。フレンチでゆでたアスパラガスに
掛けたり、エッグベネディクトに使うのが定番。(まあ、
味はマヨネーズに近いもの。)
そして、きざみ込まれている緑のものがフーチバー。
フーチバーは、昨年も食べたが、ぬちぐすい=いのちくすり、と
呼ばれる薬草。
ものとしては、よもぎの類。
料理としては、くさみ消しに使われる。

さて、次は、これ。
う!?。
なんだこれ。

これは材料なのだが、、、
実はこれと、次も二つ、またまた、肝心要の料理を
撮り忘れてしまった。

スープなのだが、イラブーのスープ。

イラブーとは、おわかりであろうか。
そう、沖縄のダイビングでもよくお目にかかるのだが、
うみへび、で、上のとぐろを巻いたのは、乾燥させたもの。

戻して、昆布などと煮る、という。
琉球宮廷料理でもあり、滋養強壮。うーん、効きそう?!。

味としては、柔らかく煮こまれコラーゲン質で
よい食感だが、まあ、ちょっと不思議。

そして、写真のない肉料理、あぐー豚のガランティー
豆腐ようと黒糖ガストリック。

これは肉のロールケーキというのか、あぐー豚で
鶏挽肉などの具をはさんで巻いたもの。
ガストリックというのは、ソースのことで、甘酢。
ただ、ちょい黒糖の甘さが勝ち、これだけでも
なめたくなるうまさ。

豆腐ようというのは、ご存知の方も多かろう。
中国の腐乳が起源だが、ちょっと違う、と。
オリオンビールのサイトに説明があった。)

実のところ腐乳は私は食べた記憶がない。
腐乳は豆腐を塩水に漬けて、発酵させたもの、と。
そうとうくさい?。わからぬが。

腐乳が当時の明から、琉球に伝わった際に、高温多湿の
気候でうまく作れなかったので、泡盛や麹、紅麹などに
漬け込んで発酵させたものになったらしい。
まあ、たくさん食べるものではないのだろうが、
濃厚で、アルコールも残っており、やはりちょっとクセの
あるものである。

そして、もう一つ、肉料理。
これは、写真あり。よかった。

山城牛のロースト 長命草のソース。

黒毛和牛だが、実は山城というのは人の名前。
うるま市畜産農家。従って量が限られている。

肉は柔らか、しっとりしたうまみ。

 

つづく

 

カーヌスバ ザマミ

沖縄県島尻郡座間味村座間味851?2
098-996-3383

 

 

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