4641号
9月11日(水)~
さて。
夕飯。
今日の夕食は、島に唯一(?)のフレンチ、もう一軒の
島のホテルのレストランを予約しておいた。
ホテルの名前は「カヌースバ座間味」でレストランの
名前は「あか樹」。
座間味集落というのは小さなもの。
山に向かって多少傾斜のある狭い平地に、細い路地、
古い家々が立ち並んでいる。
比較的、集落の奥に入ったところにある。
街灯というものもあまりなく、薄暗い。
辿り着いて、入る。
名乗って、テーブルヘ。
渋めで落ち着いた内装。
とても、座間味のレストランとは思えない
お洒落さ。
なかなか期待が持てる。
今夜のお客は我々だけのよう。
皿の上にメニュー。
比較的若いシェフともう一人の男性助手のふたり。
やっぱり、オリオンビール。
と、いうことで、一品目。
車エビとリコッタチーズのパトネ。
ガラスの器に中は、ビーチの砂浜のイメージ。
シェフによれば、これ、塩、とのこと。
食べられないことはないが、食べないで下さい、と。
オードブル、になるのか。
パイ生地のような焼いたものの上に、ちょうど
さいまき海老ほどの大きさのゆでた車海老と
リコッタチーズ。
上にはキャビア、海ぶどうも。
黒い粒と、緑の粒の対比がおもしろい。
車エビは、久米島で養殖されているものとのこと。
こちらの素材中心で、小さいところにきれいに
あしらわれている。
パトネというのは四角く長いこの形のことのよう。
次が、これ。
まるで、和食の小鉢のよう。
のこぎりがざみともずく シークワーサーのジュレ
あおさに、うに、ピンクは紫蘇の花。
それぞれほんのちょっとずつ。
のこぎりがざみは、マングローブの生える汽水域に
いる大型の渡りガニ。
(どうでもよいが、最近の温暖化で千葉房総半島の
河口に大量に越冬して生息していると聞く。)
やはり和食の酢のもののよう。
シークワーサーが爽やか。
器も含めて、いちいちお洒落である。
次。
マグロと島豆腐のピュレ 黒糖コーレーグースーソース。
上にのっている、綿のようなものは、なんであったか、
忘れてしまった。
コーレーグースーは島唐辛子などと呼ばれる、
沖縄の小さな唐辛子の酢漬けで、沖縄そば店の食卓にも
置かれている、あれ。
これに黒糖で味を付けている。
ただ、おそらくそれだけではなさそう。
なんらかしょうゆ?、あるいは出汁のような塩味と
旨味系のものが入っていそう。ピリッとしているが、
甘さが勝っているソース。なにかクセになる味。
このソースに生まぐろの中とろと島豆腐。
もちろん、まぐろは沖縄でも揚がる。
島豆腐といっているが、いちど裏漉しているようで
トロトロのクリーム。
生まぐろに甘いソースを合わせるのは、まさに意外。
だが、書いたように旨味、塩味もあり、合う。
若いフレンチシェフの斬新な試み、であろう。
こういう料理に触れるとなんだか、愉しくなる。
ソースも全部平らげてしまった。
次はこれ。
紅芋とあぐーのムーチー。
ちょっとわかりずらいが、濃い紫色の丸い餅。
ムーチーは、餅の沖縄方言。
やはり沖縄でも儀礼食で、沖縄旧暦の12月8日に食べるよう。
これは、その紅芋の入った甘い餅の中に、あぐー豚の
挽肉の具が入っている。
そして、上からとろみの餡がかかっている。
のっている白いのは玉ねぎであったか。
これもまた、和食のよう。
懐石料理の一品としてでてきてもよさそう。
そして、これ。
下は、巨大な巻貝の貝殻。
これ、夜光貝、とのこと。
南方の貝で、あの漆器の螺鈿(らでん)に使われるもの。
南の海にいるはずなのだが、ダイビングで見た覚えがない
のはなぜであろうか。
土鍋のような器に、ソーメンチャンプルー。
具も夜光貝。身は食べられる。
そうであった。これも石垣で養殖されていたっけ。
まぶされている粉のようなものは、からすみ。
なんだか、贅沢。
つづく
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