浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



スパゲティー・カルボナーラ

dancyotei2016-12-20

12月18日(日)夕

さて、日曜日。

スパゲティー・カルボナーラが食べたくなった。

ちょっと外出したついでに、銀座の三越に寄って
どうせならと、本物の材料を買ってみることにした。

いつもは、チーズはクラフトやらの粉のパルメザンチーズ(もどき?)に
ベーコンである。

以前にローマに遊びに行ったことがあるが、カルボナーラ
ローマあたりが本場という。
チーズはパルメジャーノ・レッジャーノでもなく
ペッコリーノ・ロマーノを使うのが本当であると。
また、これは日本でもイタメシやで食べると、
使っているところも多かろう、ベーコンではなく、
豚バラの塩漬け、パンチェッタ。

さすがに銀座三越、どちらもちゃんと置いてある。
そして、どちらも一つ1,000円ちょい。

たっかい、もんである。

だが今日は試し、で、ある。買ってみよう。

帰宅。

最初に、スパゲティーを茹でる湯を鍋に沸かしておく。

パンチェッタとペッコリーノ・ロマーノ

どちらもイタリアもの。
パンチェッタはVismaraというイタリアでは
名の知られたブランドのよう。
ペッコリーノは羊の乳のチーズ。
イタリアのローマ地方で正しい製法で作られたものが、
ペッコリーノ・ロマーノ
イタリアの産地認証制度、DOP(デノミナツィオーネ・ディ・
オリージネ・プロテッタ(Denominazione di Origine Protetta)で
名乗ることは厳しく管理されている。
シシリアへ行った時に買ってきたが、シシリアでも作られており、
これをペッコリーノ・シシリアーノという。

まずは、ペッコリーノをおろす。

こんなもんでよかろうか。

玉子は二個。

おろしたペッコリーノの中で割りほぐす。

ブラックペッパー。仕上げにも入れるが、
ここにも、電動ミルで挽きながら、入れる。

今日は入れないが、生クリームを入れる場合はここ。

パンチェッタ。
ちょっと細めに切る。

パンチェッタというのは私も初めて使う。

香りもそうだが、これ、ようは生ハム、で、ある。
豚バラの。
だからなんだということもないのだが。

脂を出しながら、炒める。

どのくらい炒めればよいのかちょいと加減がわからぬが、
ベーコンのつもりで、脂が出て、軽く焦げ目が付く程度。

ここで止めて、スパゲティーを茹でる。

アルデンテに茹でて、湯を切り、
炒めたパンチェッタのフライパンに移す。

ここに先ほど用意をした玉子+おろした
ペッコリーノを投入。

このままだと、フライパンは既に冷えているので
玉子は生のまま。

火を入れるのだが、温度が上がりすぎると、
炒り玉子になってしまう。

もっとも、玉子を生、あるいは半生で食べる習慣があるのは
日本だけ。本場イタリア、ローマでも火を通してしまう方が
多いと思われる。

だがやはり、日本人は半熟が好き。
トロトロを目指す。

ガスの火をつけると、フライパンは当然熱くなる。
ただ問題は、急に温度が上がること。
フライパンに接しているところだけ、半熟を
通り越して、急激に固まってしまう。

点火し、温度の上がってくるのを待つ。
温まってきて、ある点を越えると急に固まる。
この時、慌てず、すぐに火を止め、五徳からもフライパンを
はずして、予熱だけで手早く混ぜる。

まあ、これで大方はトロトロになる。

温度が足らなければ、もう一度、点火。
細心の注意を払って、温まりはじめたら、再度火を止め、
混ぜる。

OK。
仕上げに黒胡椒をたっぷりかけて、
混ぜて、味見。
ペッコリーノは塩分が多いので、塩はなしでOKである。

出来上がり。

盛り付け。

ビールをあけて食べる。

さて、どうであろうか。

トロトロ加減は上々。
初めてペッコリーノ・ロマーノを使ったわけだが、
クラフトのパルメザンチーズなどとは、違う。
かなり濃い感じ。コクと香りが違う。

パンチェッタも先に書いた、ねっとりした生ハムのような
味と香り。
ペッコリーノと合わせて、濃厚なカルボナーラ
仕上がった。

これ、おもしろいかもしれぬ。
ただ、ペッコリーノもパンチェッタももう少し安ければ
の話しだが。