浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



連休ラーメン その2

引き続き、連休ラーメン。



五杯目。5/3(日)憲法記念日



もう五日目。なんだかラーメンやへ
“出勤”しているような気になってくる。


今日は湯島天神下「阿吽(あうん)」。担々麺の店。
うちの内儀(かみ)さんも知っていたくらいなので
やはり有名店といってよろしかろう。


昌平橋通りの天神様側、春日通りの天神下交差点からすぐ。


ここも07年の開店でだいぶ経っている。
むろん知っていたのだが、人気故に避けていたともいえる店。


11時開店に合わせたのだが、ちょっと遅れて既に
10名以上の列になっており、強い日差しの中で並ぶ羽目になった。


汁なしもあるが、ノーマルなもの。辛さが選べるが、辛目の“4辛”。






上にまぶされている綿のようなものは、パウダーの
花椒(ほわしゃお)であろうか。


スープを一口。これはさすが!。


四川でいう二つの辛み、唐辛子の辛みの“辣”、
痺れる花椒の“麻”がともにくっきり。
久々の大刺激である。


肉のそぼろは味が濃く大き目で、干海老であろうか、
小さな海老も入っている。
丁寧に作られていることがわかるような気がする。


胡麻のスープも旨味濃厚。


満足度はかなり高いだろう。


スープもすべて飲み干した。


まったく今までこなかったのが、悔やまれる。


担々麺好き、辛いもの好き、の方は
やはり食べてみるべきであろう。


オフィスからの帰り道、寄れる場所である。
またこなければ。


六杯目。5/4(月)みどりの日


だいぶ疲れ気味、、。


浅草橋の「福籠(ふくろう)」。


「純すみ系」というそうだが、札幌の味噌ラーメンの有名店、
「純連」「すみれ」の流れとのこと。


この温かい季節に熱い味噌ラーメンでもないとも思うが
こうなったら、行けるところまで行ってしまおう。


場所は浅草橋の東口から総武線を南にくぐり、
蔵前(江戸)通りを渡る。そのまま高架下を直進し
一本目を右に曲がったところ。


むろん、味噌ラーメン。





純すみ系というのは私は初めてかもしれない。



スープの上にラードの層があるのが特徴というのだが、
なるほど脂は見えるが、そうれほどのしつこさは
感じない。
(それだけ東京のラーメンの標準が脂っこいのであろう。)


今となっては、ということなのかもしれぬが、
びっくりするほどではなく、普通にうまい
味噌ラーメンである。


七杯目。5/5(火)こどもの日


浅草[富士ラーメン]。


ここ、知らなかった。


いや、気が付かなかったというべきである。


国際通り沿いROXの南隣、せんねんそばがあってそのさらに隣。
開店は昨年の5月。


11時すぎ。
「特製富士ラーメン」





キャベツは湯通ししたもので黒く散らされているのは
桂花ラーメンのようなマー油か。


麺は細麺。
スープはとんこつ。


見た目も味も整っているが、ピンとくる印象はない。
なにがといって、寄せ集め?フツーな感じ。
むろん損をした感じはしない。
水準以上。
近所なのでちょいと寄るにはハズレではない店であろう。


昨日書いた浅草橋[ろく月]がラーメンオブザイヤーの新人賞
とんこつ部門一位で[富士ラーメン]が二位とのこと。


なん度も書くが、今時東京のラーメンでまずい店というのは
存在しなかろう。


もう一ついえることは、人気の店がその評判通りに
べら棒にうまいかどうかは別の問題であるということ。
むろん人には好みがあるから。


ラーメンオブザイヤーというのは、例のラーメン評論家連が
毎年決めるもの。


ちょっと皮肉な言い方になって恐縮だが、
彼らも食わなければいけなかろう。
こういう話題をいつも提供することも彼らの飯の種。


新しい店を開いて、彼らラーメンマスコミに取り上げられれば
客がくる。持ちつ持たれつの関係。


ただ一度食べれば、ホンモノかどうかというのは
別段、特別な人でなくともなんとなくわかるものであろう。


それがやっぱり、行列になるか、またそれが継続するのかを
分けていくことになる。


今回ホンモノの中身が少しわかったような気がするのである。
ラーメンが好きで、本当にオリジナリティーのある味を
(次々と)作り出せる、また、作り出すのが好きな人というのは
そう多くはないが、存在する。(私が思いあたるのは天神下[大喜]、
市谷左内坂[庄の]。)
ただ、そんな人は多くはない。
ある種の天才、天賦の才能がある人なのであろう。


もう一つは、魂というのか、心、なのでは
なかろうか。
考えてみればあたり前である。


客商売、食い物やである。


作っている姿も見える。客への態度もある。


こんなことは、誰でもすぐに気が付く。


魂や心がこもっているかどうか。


あたり前のことである。






「阿吽 文京区湯島3-25-11
03-3835-1796」


「福籠 台東区柳橋1-13-4 丹羽ビル1F
03-5829-6358」


「富士ラーメン 台東区浅草1-24-5
03-3841-0315」