浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



もつ鍋風鍋

4612号

7月29日(月)夜

さて、この表題。

なにやら意味不明かと思う。

もつ鍋というのは、ご存知の博多のもつ鍋。

旧臘、博多の[やま中]へ行って、味噌味のものを食べた。

通常の博多もつ鍋は、しょうゆ系なのだが、
[やま中]は味噌味でうまいと聞いて、行ってみた。
なるほど、うまかった。

もつ鍋風鍋、というのは、つゆや野菜だけもつ鍋で
肉は、脂がある程度出るものなら、それこそなんでもよい、
と、いうもの。例えば、豚バラ。
これをちょいと、なにかで視たのである。

もつ鍋はもつから脂が出るので、ある程度脂が出る
のが条件にはなるのだろう。

なるほど、これ、目から鱗

気が付いた人、偉かろう。

つまり、もつ鍋のポイントというのは、もつ、
ではなく、つゆの味付けと、具として入る、キャベツ、
にんにく、もやし、にら等々、である、と。

つゆのレシピを調べると、かなりある。
しょうゆもみそも。

博多もつ鍋のつゆのポイントは甘いこと。
ご存知の通り、九州のしょうゆは甘い。
みそにしてもしょうゆにしてももつ鍋のつゆは
あまからということ。

調べたもつ鍋の出汁の多くが、鶏ガラスープの素を
使うよう。

スーパーで、調達。
鶏ガラスープの素、キャベツ、にら、もやし、
にんにくチップに、豚バラスライス。
こんなところか。

夜、作る。

[やま中]に敬意を表して、味噌味でいってみよう。

土鍋に水、鶏ガラスープの素、かつおだしの素も少し。
煮立てて、味噌はノーマルな信州味噌に、西京味噌
4:2程度の割合。溶き入れる。しょうゆも少し。
そして、砂糖。甘味を感じられる程度。
鷹の爪三本。赤唐辛子粉、小さじ1程度。
にんにくチップ3~4枚。おろし生姜(チューブ)
大さじ1程度。白胡麻を半分程度あたり鉢であたって、
入れる。

味見。ちょっと濃いか。
あまり濃すぎてもいけないだろう。
水を足す。
OK。

冷蔵庫にあった鶏もも肉半分も出汁のつもりで
一口に切って入れる。

あ、そうだ。
ねぎの青い部分も。

ちょっと甘い味噌味(あるいはしょうゆ味)に
生姜とにんにく、唐辛子が入る、中華スープ、というのか、
多少、エスニック寄りの和、か。

これが、博多もつ鍋のつゆの本質であろう。

鶏も煮えてきた。

脂も多少、浮いてきた。

さらに、30分ほど弱火で煮込む。

またここで、味見。
なかなかそれらしい感じになってきた。

よいかもしれない。

豚バラスライスを一口に切る。
キャベツはざく切り。にらは5cm程度に切る。
もやしはそのまま。

ちょっと小ぎれいに入れる。

そう、このにらを並べるのが博多もつ鍋、だ。
なにかそれっぽい。

カセットコンロを食卓にのせるのは、さすがに暑いので
台所で完成させる。

出来上がり。

ビールを開けて、食べる。

これは、成功!。

出汁兼用として入れた鶏はかなり柔らかくなっている。

豚バラも、うまい。

そして、野菜たち。
博多で食べた時もそうであったが、結局この鍋は
もつよりも、キャベツ、もやし、にらの野菜を食べる
料理なのである。

だが、それらが、うまい。
元来、もつにキャベツ、もやし、にらで、どれも
安いもの。安くてうまい、庶民の鍋、であろう。

そして、今日は豚バラで作ったが、もちろん、
本当のもつ、白モツ、シマチョウあたり?、でもよい
わけである。

また、もつ鍋のつゆ、意外に簡単にそれらしい
ものになった。
これも目から鱗

暑いときに、こういう少しパンチのある鍋も
よいもので、ある。

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。