4838号
9月2日(火)夜
さて、またまた四川の菰田欣也氏。
氏のユーチューブチャンネル「菰田欣也の中華教えちゃいます!!」
の最新の投稿に、海南鶏飯があった。
海南鶏飯、ハイナンチーファン、ご存知であろうか。
シンガポールチキンライス、などとも言われる。
白いご飯にゆでた鶏肉をのせたもの。
タイにも似たようなものがあり、カオマンガイという。
これは作ってみている。
やはり、うまいものである。
ただ、ソース、たれ、ゆでた鶏と白飯、の組み合わせで
まあ、シンプル。(正確には白飯ではないのだが。)
日本の南九州などにある鶏飯(けいはん)は多少近いか。
が、日本中にある鶏の炊き込みご飯は比較的濃いめの
味が付いたもので、これと比べると白飯なのでちょっと
物足りないイメージがあった。
おそらく、海南鶏飯は、シンガポール航空の機内食
で食べたくらいで、自ら意識的に食べたことはない
と、思われる。
ともあれ、暑い夏にはやはり南方のもの。
作ってみようか。
菰田氏レシピは、麻婆茄子、麻婆豆腐を作っているが
これで三回目。
四川のプロの一般向けレシピといってよいと思うが
チューブのおろし生姜、にんにくを使ったり、米麹
リッチの日本の味噌を使ったり、ちょっとおもしろい。
手を掛けなくてもよいところは手を掛けない。
新しいものは役に立てば取り入れる。
そんな姿勢であろうか。
今回の海南鶏飯は、日本の米をジャスミンティーで
炊くというもの。タイのジャスミンライスの代わり
という意図であろう。
ジャスミンライスは、まだある。
これをそのまま炊けばよいか。
鶏は胸肉。下味に、塩麹パウダー。あとはレタスに
にんにく、生姜など。
レタスも、にんにく生姜ともにある。
鶏胸肉と、塩麹を、買ってくる。
塩麹はパウダーがなく、液体があったので、買ってみた。
作る。
まずは鶏胸肉に液体塩麹を掛ける。
量は、製品の指南によれば10:1というので、38~9g。
5分程度と菰田氏は言っていた。
なんとなく、不安なので、染み込みやすいように
金串をいたるところに刺して揉み込んでみる。
さらに10分ほど。
電気釜にタイ産ジャスミンライス2合、洗わない。
にんにく小さじ1/2、これは生のものをおろした。
生姜はチューブのおろし生姜、小さじ1。
味覇小さじ1/2、胡椒。
菰田氏のレシピには油が入るが、これもジャスミン
ライスに似せるためのものと理解し、省く。
水加減をし、鶏胸肉を置く。
このままカタメモードでスイッチオン。
これだけ。
まあ、簡単といえば、簡単。
レタスの準備。洗って、ちぎり、冷蔵庫で冷やしておく。
この間に、たれの準備。
一つは、おろし生姜、これもチューブ。
グレープシードオイルを合わせておく。
もう一つのしょうゆたれ。
これも菰田氏は九州の甘口しょうゆといっているが、
甘い中国しょうゆがあるのでこれを大さじ2に砂糖、
同じく大さじ2。
これで準備完了。
炊飯器が切れた。
鶏肉を取り出し、切る。
縦に切り、さらに一口に。
レタスを脇に、ご飯を盛り付け、切った鶏肉を
のせる。
ビールを開けて、食べる。
しょうゆたれと、おろし生姜を適宜つける。
ん!。
これ、うまい。
まず、鶏がうまい。
釜の威力か、胸肉だが、かなりしっとり柔らか。
塩麹の力がどのくらいあるのかは、わからぬが。
ご飯もうまい。生姜とにんにくが、東南アジアっぽさを
醸し出している。鶏との相性も抜群。
特別なスパイスを使っているわけではないが、
いかにもエスニックに仕上がっている。
シンガポールだが、やはりこれ、中華。
なにか、ちょっと東南アジア料理の認識を改めた。
タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、
それこそベトナムを除いて、中華の影響がそうとうに
強い。
ベトナムは南北でも温度差があるようだが、どちらかと
いえば、中国、及び中華文化とは対立する国風。
それ以外の国々、マレーシアにしてもシンガポール
はもちろん、インドネシアも、経済は華僑系の
人々が握っている。タイはもう少し複雑だが、華僑系
の存在感は、常に大きく政治対立の火種になっている。
まあ、どこもある種多文化国家といってよいのであろうが、
華僑、中華文化が大きな存在感を持っている。
華僑の進出は、昨日今日ではない。大航海時代
中世あたりには既に定着しているといってよいのか。
現代中国が、南シナ海は俺の海だ、とうそぶいている
のも、彼らからすれば、至極当然のことなのであろう。
海南鶏飯の海南は、中国海南島のことで、海南は鶏が
昔からうまいとのことで、海南出身の料理人が、
シンガポールで作ったものが最初である、と。
まあ、こと、食い物に関してはうまければよい。
私には東南アジアにおいて中華の位置付けをもっと
重く見る必要があると認識を強くした。
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