浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



新宿・桂花ラーメン

2月21日(火)夜



さて。



突然だが、
今日は、どぉ〜しても、桂花ラーメン
食べたくなった。


理由はよくわからない。
夕方になって、ふと、食べたくなった。


桂花ラーメンとは熊本ラーメンの桂花。


ご存知で、あろうか。
本店は、その名の通り、熊本なのだが、
私は行ったことはない。
(そういえば、私は熊本県そのものに、いったことがない。)


ともあれ。


私にとって、子供の頃から馴染の深い、
東京のしょうゆラーメン以外の味のラーメンとの
最初の出会い、というと、この桂花ラーメン、で、
今だに、今日のように、ふと、食べたくなる、
原体験的な味、なのである。


ご存知のように、今、東京という都市には、
数限りないラーメン店がある。


第なん次、なのかわからぬが、今も、東京は
ラーメンブームなのであろう。


次から次へと、若い人なども、
新しいラーメン店を開き、今までにない新しい味を
作り出し、切磋琢磨をし、私達東京のラーメン好きを
愉しませてくれている。


これだけバラエティーに富み、レベルの高いラーメンが
食べられる街は、この国では東京以外にはない。


そして、今、中国、東南アジアはもとより、
ニューヨークなど、米国でも日本のラーメンは
ブームになっている、というのも聞いたことがある。


やはり、それだけ絶対値としてレベルが高い、
のであることは間違いないのではなかろうか。


もはやラーメンは、にぎり鮨と並んで、東京が世界に誇る、
食文化、と、いっても過言ではなかろう。


これは、私は、東京人として胸を張ってよいこと、と思っている。


で、そんな東京ラーメン食文化の嚆矢、
といってもよいのが、この店、新宿の桂花ラーメンではないか、
と、思うのである。


熊本の桂花ラーメンには50年以上の歴史があるという。


新宿の桂花ラーメンの開店は、昭和47年、
1972年、新宿三丁目の店が最初、という。
今年で40年。
東京のしょうゆ味以外のラーメンとしては
かなり古株であろうし、東京のラーメン好きに
違う選択肢を与えてくれた、初期の店であろう。


私が、この店のラーメンを食べるようになったのは、
高校時代、もう30年前になる。


西武新宿線で新宿まできて、アルタの地下にある
丸ノ内線に乗り換え、中野富士見町まで、という通学ルートを
とっていたのだが、桂花ラーメンはその途中、
アルタの裏の一角にあった。
(一軒は今も同じ場所にあり、すぐ近くにある、
ふぁんてんという名のもう一軒は、今は地下になっている。)


高校時代、おそらく、最初に食べたとんこつラーメンが
ここだった、というのも原体験になっていることの
一つの理由なのであろう。


むろんしょうゆ味のラーメンもよいのだが、


それ以外にこんなうまいラーメンがあることに
大きなショックを覚えたのであろう。


以来、途中、ブランクはありながらも、
定期的に、食べており、東京の東部に移り住み、
ほとんど新宿にはこなくなった今も、
やっぱり、食べたくなる味、なのである。


オフィスから大江戸線牛込柳町から乗って、
新宿西口で降り、アルタ、というよりは、
三井住友銀行裏、といってよい、東口店にきた。


頼んだのは、ノーマルな桂花拉麺。





若い頃は、ターロウという、大きな角切りの煮豚と、
生のキャベツがのった、太肉麺が専門であったが、
この年齢では、これでよい。


とんこつでもここのは、焦がしたにんにく油、
が入り、これが癖になるうまさ。


久しぶりに食べると、ちょっと堅めの麺と
このスープがまた、たまらない。


腹に染み渡る。


わき目もふらず、麺をすすり、スープも
最後の一滴まで全部飲み干した。


かわらない味。


うまかったぁ。


満足、で、ある。







桂花拉麺