浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



断腸亭落語案内

談志がシンダ。7

談志師匠が亡くなって書き始めた、回文のような、 『談志がシンダ。』もう7回書いてしまった。 21日に亡くなっているので、初七日、もとうにすぎて ちょうど、10日、なのか。 お別れの会が21日という。 しかし、亡くなったことが発表され、 速報が流…

談志がシンダ。6

引き続き、落語とはなにか。 まだ、仮説であるが、落語を構成する要素の図、で、ある。 噺を一つ一つ、検証をしなければいけないが 談志家元の言っていた「業の肯定」あるいは「落語の了見」 こうしたものは構成要素の一つであろう。 で、まだ他にもあるであ…

談志がシンダ。5

談志師匠が亡くなって、もう一度、 落語とはなにか、を、考えている。 昨日この図を書いてみた。 古典落語の要素を分解してみると、こういうことに なるのであろうという図、で、ある。 この中で、昨日説明しなかったものが一つある。 それは「落語の了見」…

談志がシンダ。4

談志師匠が亡くなって、 落語家立川談志の落語界においての 功績を考えてきた。 それにつけても、家元も若かりし頃から考え続けてきた、 落語ってなんなのか、これをもう一度考えてみなくては いけないのだろうと、思っているのである。 家元は一生を賭けて…

談志がシンダ。3

談志師匠が亡くなって、色んな人が 発言をしているが、北野武氏の発言が 少し考えさせられた。 昨日の、TBSニュースキャスターでのもの、である。 あの人は、天才なのだが、残念ながら、時代に合っていなかった。 不幸である。もはや落語の時代ではなかっ…

談志がシンダ。2

この場合において、食い物のことを書いていても 仕方がないので、今日も談志師匠の功績というのか 談志師匠のしててきたこと(むろん落語という世界で) の意味を考えてみたい。 談志師は若い頃に「現代落語論」を書かれ、 落語とはなにか、=業の肯定 であ…

談志がシンダ。

もうご存知の方も多いと思う。落語立川流家元、立川談志師匠が亡くなった。 一昨日、という。 75歳。 まあ、もういつ亡くなっても不思議ではなかったが、 いざ、実際になくなったとなると、やはり、ファンには 大きなショック、で、ある。 私の場合、談志師…

浅草落語散策 その5

『浅草落語散策』で、ある。 浅草寺境内で、蝦蟇の油、高田馬場、 星野屋の話をした。 (星野屋の詳細は、長くなるので割愛。) 例によって、長々と書いてもしょうがなかろう。 今日で『落語散策』はおしまいにしよう。 今まで、題名だけあげて、後回しにし…

浅草落語散策 その4

引き続き『浅草落語散策』。 仲見世を抜けると、目の前に宝蔵門。 雷門は、風神と雷神。 こちらは、二人の仁王様で、俗にいう、 仁王門。 これは、小咄。 観音様に夜、泥棒が入った。 この泥棒が、仁王門を通りかかると、 仁王様が気が付いて、とっ捕まえ、 …

浅草落語散策 その3

引き続き『浅草落語散策』。 昨日は「雷門」で、粗忽長屋。 この「雷門」あたりではまだまだ舞台になっている 噺はある。 付き馬、唐茄子屋政談、松葉屋瀬川、、あたり。 が、このどれも、雷門だけでなく、浅草界隈一帯が 舞台になっている。 つまり、浅草界…

浅草落語散策 その2

月々に月観る月は多けれど 月観る月はこの月の月 つくばの事業所の帰り道、 19時の社バスに乗ると、東の空のよい位置に、 月が見えたら、こんな歌を思い出した。 意味は、毎月毎月、月を観ることは多いけれど、 月を観るならば、この(旧暦の)8月の月、が…

浅草落語散策 その1

9月10日(土) さて、もう一つのNHK文化センターの『講座』、 「浅草落語散策」で、ある。 落語をテーマに町歩きをする、というもの。 今、この手の書籍や、DVDのようなものも たくさん出ている。 とりあえず、1回限定で、こういう内容で 町歩きをしない…

池波正太郎と下町歩き 9月その4

さて、さて。 今日もNHKの『講座』「池波正太郎と下町歩き」6回目、 一期の最終回。 浅草北部、三ノ輪から山谷堀に沿って、吉原。 昨日は吉原の別称、ナカ、にもなっている、引き手茶屋が 軒を連ねる、メインの通り、仲之町のことやら、書いた。 より大きな…

烏亭焉馬、の、こと

さて。 今日は、少しいつもと、毛色が違うのだが、 烏亭焉馬、と、いう人物のこと。 まず、この人、烏亭焉馬は、「うていえんば」と、読む。 前に一度、江戸の頃の狂歌師、文人、蜀山人大田南畝先生に ついて、書いてみたことがあった。 この時にも、少し触…

京須偕充著「幇間(たいこもち)は死なず」

今日は、ちょっと、番外編。 表記の書評のようなこと。 幇間は死なず―落語に学ぶ仕事術 (ソニー・マガジンズ新書)作者: 京須偕充出版社/メーカー: ソニーマガジンズ発売日: 2008/03メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (3件) を見る 著者の京…

土用の丑の日〜落語・鰻の幇間(たいこ)

8月になった。 やっと、関東甲信越の梅雨明けも発表されたようである。 気が付かないうちに月曜日、7/30、土用の丑の日も過ぎてしまった。 そういえば、土曜日は、隅田川の花火大会であったのだが、 これもここに書くのを、忘れてしまっていた。 隅田川の花…

落語を憶える、と、いうこと

12月3日(日) さて、日曜日。 昨日も、少しワインを呑み過ぎてしまった。 第一食は乾麺のそばを茹でて、笊にし、 生玉子かけ、おろしにんにくを、ほんの少し、 汁に入れる、というやつ。 やはり、なかなか、うまい。 その後、日記を書きながら、スカパーで…

合羽橋・太助寿司&第二回断腸亭落語会のご案内

9月19日(火)夜 さて、合羽橋、太助寿司。 連休明け、鮨が食いたかった。 例によって、会社帰り、家に寄って、自転車で向かう。 店に入るなり、親方が、 「今日は魚ないんだよー」という。 そうであった、、か、。 台風だった。 九州の方で、随分と被害もあ…

落語会反省・江戸弁のこと

今日は、落語会、の反省である。 先週書いた、落語会のこと、 これは、直後に書いたもので、少し、時間が経って、 よくよく、思い返してみて、 一つ、気が付いたことがあった。 「細かないい間違い、大きないい間違い」などあったのではあるが、 これらは、…

第一回・断腸亭落語会

6月25日(日) さて、落語会、で、ある。 今は26日朝。 落語会が終わって、来てくれた旧友二人と 拙亭で呑んで、19時過ぎ、彼らが帰るとすぐ、そのまま寝てしまった。 そして、今、と、いうことである。 蔵前いせや、さんの二階。 思いがけず、多くの方にお…

その31 らくだ

さて、落語案内、少し、お休みしてしまった。まだまだ、書いておきたい噺は、ある。 今日は、「らくだ」。 これは、もともとは、上方(かみがた)の噺のようである。 鶴瓶(つるべ)師の師匠、六代目笑福亭松鶴師のものがよかった、 という。 こちらでは、志…

その30 江戸っ子?2.「三方一両損」と「江戸っ子論」

さて、前回は、「大工調べ」。 今回は、「三方一両損」。 「三方一両損」 この話、昔は、修身の教科書(戦前の道徳教育)にも載っていいた、とか。 江戸っ子の美談、と、いうのであろうか。 ストーリーストーリーというほどのものでもない。 とある、男が、…

その29 江戸っ子?1.「大工調べ」

さて、今回は、この二席。 「大工調べ」と、「三方一両損」。 どちらも、有名な噺であろう。 また、どちらも、大岡越前の裁きが、ついている噺でもある。 また、いわゆる「江戸っ子」、が、登場する。 「大工調べ」 江戸っ子、というくくりで、この噺をまと…

その28 「柳田格之進」

引き続いて、ちょっと毛色の違う噺。今回は「柳田格之進」。 もともとは、講談ネタのようである。 講談と、落語の関わり、を少し説明しておいた方が よいかも知れない。 講談(講釈ともいう)は、最も落語に近い、 演芸、隣のジャンルといえるかも知れない。…

その28 「夢金」

今週は、少し、毛色の違う噺。 「夢金」(ゆめきん)。 一般的には人情噺、には入れられていないが、 さりとて、普通の滑稽な噺ではない。 空気感を楽しむ噺、ということであろうか。 「夢金」 素人のくせに、筆者はこの噺、恐れも知らず、演ったことがある…

その27 粗忽者 「堀之内」「粗忽長屋」

粗忽。そこつ、と読む。 辞書を引くと、『軽はずみなこと。そそっかしいこと。 また、そのさま。軽率。「―な男」「―な振る舞い」大辞泉 』 と、いうことらしい。 粗忽者を扱った噺も、多い。 「粗忽の釘」、「堀之内」、「粗忽の使者」、「松引き」、 「粗忽…

その26 長編シリーズ 「ちきり伊勢屋」

先週は、誰でも知ってる落語、「長屋の花見」「たらちね」「道具屋」 「寿限無」「目黒の秋刀魚」「まんじゅう怖い」「時そば」 を書いた。 こんな噺もある、と、いう、意味で、 今週は、長編を書いてみたい。 (また、マニアな世界に戻ってしまったか、、。…

その25 引き続き、常識?!「長屋の花見」「たらちね」「道具屋」

考えてみると、廓の噺や、人情噺やら、難しい噺、 ディープでコアな噺ばかり、書いてきてしまったように思う。 もっともっと、誰でも知っていた、子供でもわかる、 フツーの噺が、一杯あることを、忘れていた。 今日は、この三席。 「長屋の花見」「たらちね…

その24 これは、常識。「寿限無」「目黒の秋刀魚」「まんじゅう怖い」「時そば」

今日は、有名な、落語、と、いうお題で書いてみたい。 久しぶりに、まったく聞いたことのない人への、落語案内、 らしいテーマである。 筆者を含め、落語をある程度知っている人であれば 知らないはずがない、そんな噺である。 あまりにも有名で、東京で筆者…

その23 富くじの噺のこと、その2 「宿屋の富」

昨日に引き続き、富くじ。 今日は、宿屋の富。 この噺も、志ん生である。 どうも、志ん生という人、富くじが好きであったのであろう。 ことのほか、楽しそうに、話している。 もともとは、上方の噺で、あるようだが、 志ん生師によって、いかにも江戸の噺に…