浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



とんかつ

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12月23日(月)第2食

さて。
とんかつ、で、ある。

もちろん、自分で揚げる。

理由は最近揚げていなかったから。

とんかつといえば、毎度書いているが、拙亭近所の上野浅草は
とんかつ激戦区。外で食べるので十分ではある。

だが、名店とはもちろん仕上がりは違うが、意外にとんかつを
揚げるのは、好きである。

キャベツと豚ロースを買ってくる。

まずは、キャベツを切る。
とんかつには、なぜかキャベツの千切りと我が国では
決まっている。いや、とんかつ以外のフライもの、
生姜焼き、その他。洋食やのメニューは皆、付け合わせは
キャベツでよい。よほど日本人はキャベツの千切りが好き
なのか。だが、実際の洋食やではただ、キャベツの千切りのみ
というところは少なかったりするが。まあ洋食やではなく、
食堂、定食や、ということにはなろう。

キャベツは表面から数枚むいて洗い、丸めて千切りにする。
どうしたってキャベツの千切りは、細ければ細い方が、うまい。
むろん、限界はあるが、幅1mm程度、できるだけ細く、を目指して切る。

切ったものは水に放す。

この桶は中に網の器を入れて、くるくる回して脱水ができる。

水に漬けるのはシャキッとする最低30分以上は必要であろう。
シャキッとしたら水を切って冷蔵庫へ入れておく。

揚げるのはラード。やはりとんかつだけはラードで揚げたい。
味が全く違う。冷蔵庫のストックをレンジ加熱し
軽く溶かす。

揚げ鍋へ。
これでは足らないので、新しいものを一本足し、
軽く余熱をしておく。

さて、豚ロース。
ハナマサのものだが、厚め。特に叩かない。

まず、片面のみ塩胡椒。

両面、小麦粉。
私は、フライも堅めの衣でカラッと揚がるので粉はてんぷら粉。

最初の小麦粉は衣のベースになるので、きれいにつけたい。
側面にもできるだけ付けたいのだが、脂身にはどうしても
付きにくい。

衣付け準備。
卵、パン粉。

卵は全卵二つに氷二つ。少し粉も入れておく。
ころもはできるだけしっかりとしたものを付けたい。

串で豚肉を刺し、卵、パン粉と付ける。
串を使えば、手は汚れない。プロも串を使うことが多いと思われる。
実に便利。

卵は、側面も忘れずに、全面くまなくつける。
パン粉の上にのせ、スプーンでまわりのパン粉を上、横にも
しっかりと付ける。

三枚。

油に点火。170℃まで上げる。

一枚ずつ。

投入し、30秒ほどは、そのまま。
その後はひっくり返しながら、揚げる。
揚げあがりに高温にしたいので、火加減を調整しながら、
170℃台前半をキープ。

フライものは、空気に触れて色が付いていく。
時折、揚げ箸でつまみ、表面だけ外に出す。

いい色になってきたら、180℃に上げ、揚げあがり。
油をよく切る。
三枚終了。

切る。
とんかつを切るのが気持ちよい。

サクサクと、一気に切る。
衣が浮いていたり、しっかりしていないとはがれてしまう。
今日は、かなりよい衣ができた。

皿に盛り付け。

キャベツととんかつ二枚。

ピンク色ということはないが、中はなかなかしっとり揚がった。

衣もしっかり。

ビールを開けて食べる。

キャベツにはとんかつソースをかける。

最初は塩で。

上々であろう。

特別な肉でもなんでもないが、十分に豚肉のうまみを
味わうことができる。
厚みもよい。

なんといっても、ラードがよい。
なんであろうか、やはり、香りが違うし、
豚の脂にはうまみ、アミノ酸が含まれており、基本、うまい
のである。。

脂身部分には和辛子。
とんかつには、なぜかマスタードではなく、和辛子である。
酸味が邪魔をするのか。きりっとした和辛子がうまい。

途中からからとんかつソース。

満足、で、ある。