浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



西浅草・フレンチ・ビストロ・カトリ その1

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12月28日(土)第2食

都合で行けなかった、クリスマスディナーの代わり。
28日になった。

予約したのは、先日行った西浅草のフレンチビストロ
[KATORI(カトリ)]

カジュアルで居心地よく、うまかった。

18時から。
前回はアラカルトで頼んだが、今回は6000円のコース。

店の玄関には、本日満席の貼紙。
人気のよう。

前回同様一番乗り。

キッチンが私の側からは、正面に見える席。

最初は、シャンパン。

アミューズ

これ、おもしろい。
上にのっているのはたらばがにの身。緑のソースは春菊。
中は茶碗蒸しのようなものと言っていたが、玉子を
固めたもの。
文字通り、味は茶碗蒸しのよう。
春菊の香りが豊か。なにか、乙、な感じで、斬新。

次は、サラダ、なのだが、

見てわかる、黒トリュフ。
これだけで、なんだか、とってもゴージャス。

アップ。

黒トリュフの下には、野菜。
野菜は、大根の細切りなど。
その下には、ぶり。

ぶりはスモークしてある。
で、それらが、ドレッシングでマリネしてある。

ぶりは佐渡のものとのこと。

まず、黒トリュフ。

正直のところこういうかたちでちゃんと黒トリュフを
たべるのは初めてではなかろうか。
いや、黒も白もトリュフ自体、味を覚えているほど、
食べていないかもしれぬ。
と、いうことで、描写できない。描写できるほど存在が
感じられなかった、というのか。唯一、香ばしい、か。

やはり、ぶり、であろう。
生のぶりをスモークしたもの。
水分はそこそこ抜けている。ちょうどオードブルなどに
出てくる、スモークサーモン程度。

生のぶり、というのは難しい魚であろう。
特に、今の時期の脂ののった寒ぶりというのは。

本当の寒ぶりのうまさは、富山など、北陸でしか
味わえないのではなかろうか。
富山、金沢の鮨やなどで、なん回か食べているが、
ものすごい脂だが、ものすごくうまい。

が、やはり鮮度なのか。
東京では、これは味わえない。
どうも、生ぐさい。
そのまま刺身で食べても、酢飯とにぎっても、そう
ではなかろうか。
それが、ぶりらしい、ということではあると思う。
これは、ぶりでもハマチでも、いなだでも皆、そうである。

以前に、新橋の鮨や[しみず」で、教えてもらえなかったが
なにか仕事をしたらしいものを食べたことがある。あれは
うまかった。
塩なのか、〆てあったような、、。

そして、やはり先日の[弁天山美家古寿司]

あれも、そうであった。

その解決策が、ここではスモーク。
なるほど。

厚みは厚くはないが、プリっとした食感、すっきりした
スモークのぶりの味はかなりよい。
大根の千切りは、考えてみるとなんのことはない、
刺身のツマである。

次。

これは、なんに見えようか。
メニューの名前は「カリフラワーのブランマンジェ」。

ブランマンジェ自体、そもそもはアーモンドで作った
ババロアのような冷たいデザートらしいが、
これは甘くはない。

アップ。

中央の上にのっている黒い粒は、キャビア

これも、おもしろい。
中央のものは、冷たくて固まっているもの。
右のラグビーボール型のものは、アイス、
シャーベットのようなものである。

簡単にいえば、カリフラワーのポタージュスープを
固めたようなものと言ってしまってよいのか。
そんな感じである。
それが二つの状態違いで一皿にのせられている。

葉っぱは、蓼(たで)であろうか黄色いのは菊の
花びらのよう。

生クリーム、牛乳と合わせてあるのであろうが、
濃厚すぎず、さわやかで、うまい。

次は魚。

すごい。

メニュー名は、真鯛のカブトスモークロースト。

 


つづく