浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



浅草・弁天山美家古寿司 その2

4364号

引き続き、浅草[弁天山美家古鮨]。

昨日は、つまみ。
穴子、鰹たたき、おまけの蒸し鮑、まで。

ここから、にぎりに。

まずは、いか。

すみいか?。

今日は、すみいかが、入荷がなく、白いかなんです、
とのこと。

基本、東京の江戸前鮨店では、生のいかは、すみいか。

すみいか(甲いか)というのは、一年しか生きない。
この時期、すみいかは産卵期をひかえて大きく堅い。
それで、東京の江戸前鮨の店では春頃からすみいかを
使わなくなり、あおりいか、白いかなどを使うところが
多いのだが、ここだけはすみいかを使う。
ポリシーなのであろう。

細く切って握っている。
これはこれで柔らかく、あまく、うまい。
ここでは、かなりのレアもの、で、あろう。

次は、白身

平目、昆布〆から。

平目は薄く切るところが多いと思うが、厚い。
ここの特徴である。
昆布〆なので、水分が抜け、うまみが増す。
深い味、とでもいうのか。

鯛。

鯛は、皮を残して皮側だけ湯をかけて熱を通す、
霜降りにし、冷水で、急冷。
この鯛のこしらえ方は、江戸前に限らなかろう。

白身に入れるのかどうか、しまあじ

これも厚い。
ほどよい脂と、プリっとした食感が、
うまい。

さて、次に光物。

小肌から。

飾り包丁が四本。
半身をにぎっている。
そこそこ大きなもの。
ただ、身は薄め。
小肌というのは、小さいものの方が、うまい。
このあたりが、限界なのであろう。

続いて、光物。

きすがあった。

きすといえば江戸前天ぷらの代表種であろう。

きすを揃えている鮨やは、東京でもそう多くはなかろう。
江戸前を看板にするところのみ。

もちろん、〆てある。
淡泊で香りがよい。

昨年あたりからであろうか、魚やでもきすは
ちょっと見かけなくなった。
若親方に聞くとやはりそのよう。
あまり獲れていないのかもしれぬ。
穴子もそうだが、日本近海どこにでもいる、
ありふれた安い魚、と、思っていたが、
こうなってくると、やはり、問題である。

まだまだ、光物。

鯵。

細かい格子というのか、市松というのか、
包丁を丁寧に入れている。
これ、ここで初めて見たかもしれぬ。

ここの鯵は深くはないが、〆てある。
が、今日のこれ、生かもしれぬ。

光物はここまで。
全部食べてしまったか。

そして、つまみで出た、蒸し鮑(あわび)を
にぎりでも。

見た目にも美しいではないか。
柔らかく、味は滋味深い。

鮑というのは、夏のものと決まっている。
江戸前鮨だけのこと、かもしれぬ。
全国的には、一年中出回っている。

今は鮑、外房や安房地方で獲れるが、以前は
東京湾奥、江戸前でも獲れていたので、立派な
江戸前鮨の種といってよいのであろう。

もう一つ、貝、平貝。

このサクサクの食感がどうにも好き、なのである。


そして、まぐろヅケ、

これは中トロ。
贅沢だが、格別にうまい。
ヅケといえば、むろん赤身なのだが、比べれば
どうしても、こちらに軍配が上がる。

海老。

今日は、よいおぼろができたので、と若親方、
たっぷりはさんでくれた。
内儀(かみ)さんがなぜか、おぼろが大好き、
なのである。

巻物。

鉄火と、かんぴょう巻。
かんぴょう巻は、なぜか撮り忘れてしまった。
わさび入り。

これも内儀さんの、玉子焼き。

ここにも、たっぷり、おぼろ。

お気遣いありがとうございました。

勘定は、25190円也。

うまかったです。

 

弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

 

 

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