浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



人形町・ピッツァ・ダバッボ

人形町・ピッツァ・ダバッボ

4550号

4月21日(日)夜

さて。

ちょっと久しぶり。

内儀(かみ)さんの希望で、人形町のピザ、イタリアン
ダバッボ]。

人形町の現代の地図。

[ダバッボ]は人形町大門通りと甘酒横丁の
交差点角から一軒東北。

このあたりは、基本碁盤の目なのだが、
45度程度であろうか、東西南北が傾いている。

人形町というのは、おもしろい街である。

さかのぼると、江戸初期、明暦までの吉原遊郭
大門通りというのは、その吉原の入口である大門の
通りからその名が残っている。

また、江戸後期に浅草に移転させられるが、歌舞伎、
人形浄瑠璃の小屋が集まる芝居町でもあった。
また、これにともない芝居茶屋はもちろん、いわゆる
男娼を置く、陰間(かげま)茶屋なんというものもあった
ようである。

また、明治以降は芳町、浜町の名で知られた、芸者町。
洋食やの老舗がなん軒か残っているのはその名残。

そして、このあたりは、太平洋戦争の空襲で焼け残った、
東京でも数少ない街。今はほぼなくなったが、今から20年、
30年前までは昭和初期の木造三階建の料亭の建物
なんというのも残っていた。

過去に詳しく書いているので、ご興味があれば、
ご参照願いたい。

江戸

明治

閑話休題

[ダバッボ]であった。
日曜もやっているのがありがたいが、
同じような人がくるのか、いつも大賑わい。

元浅草の拙亭からは、タクシー。
意外に遠くはない。
地下鉄では行きずらいのである。

予約をして、18時、到着。

ビール。

プレミアムモルツ生。

バケットとオリーブオイル。
小皿は、ドライのミニトマト?、とネジネジは
なんというのかわからぬが、堅いパン。

オーダーは、いつも通り、前菜盛り合わせと、
パスタ1品とピザ1品。

パスタはオーソドックスにボロネーゼ。
ピザはゴルゴンゾーラの入った、クアトロ・フォルマッジ。
はちみつも付けて。

前菜盛り合わせ。

右上から、いかとじゃがいものトマト煮。
左へ、にんじん、肉団子、なすのグラタン、
ズッキーニ。

ボロネーゼ。

意外に、イタリアンでこういう定番は頼まないので
頼んでみた。

やはり、うまいもんである。

日本でなぜ、ボロネーゼ、ミートソースが
定番になったのか。
やはり、ナポリタン同様、戦後の進駐軍が起源、
という。
我々の世代なら、子供の頃の給食の存在も大きかった
のであろう。

そして、ピザ。

クアトロ・フォルマッジと、はちみつ。

リコッタ、ゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、グラパダーノ。

バジルものっている。

四種のチーズなのだが、やはりゴルゴンゾーラ
存在感が絶大。

イタリアのゴルゴンゾーラ、フランスのロックフォール
青かびのチーズで匂いも強烈。

はちみつに合わせるのが定番だが、
匂いがまろやかになり食べやすくなる。

イタリアンの店でも、フレンチの店でも同じように
合わせるが、どちらかが先なのであろうか。
それとも、どちらが、ということもないほど、昔から
あたり前であったのかもしれない。

こういうなにかとなにかを組み合わせて、
別の新しい味にする、というのは、ヨーロッパ特に
フランスの食文化なのか。

毎度思うが、日本の食文化にはないセンスであろう。
日本の食文化は、足すあるいは、組み合わせるのではなく、
そのものを突き詰める方向に向かう。

このピザも私は、せっかくのにおいがうまいのに
なぜ消してしまうのか、とも思う。

同じような、鮒ずしや、へしこ、くさや、など強烈
な発酵食品もせいぜい火を通すくらいで、なにか
別のもので、においを減らすようなことはしない。
そのまま食べる。
食べられない人は、食べない。
不思議なものである。

ともあれ。

うまかった、うまかった。

ご馳走様です。

会計は、二人で10,270円也。

 


ダバッボ

03-3666-2777
中央区日本橋人形町2-21-1 FSビル 1F

 

 

 

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