4295号
引き続き、赤酢の鮨。
開いた小肌を調達。
二日がかりで小肌を〆た。
生のわさびが切れていたので、買ってきて
おろした。
また、小肌に追加してまぐろも買ってきた。
炊飯器が切れた。
蒸らし。
タイマーで計って7分。
飯台は昼から湿らせて箍(たが)をしめてある。
タイマーが切れたら、2合炊いた半分を飯台に取り
用意した赤酢ベースの鮨酢をまわしかける。
ここから大急ぎ。
しゃ文字を平らに持ち切るようにしながら、混ぜ込む。
プロは、酢飯を作る作業を、シャリを切る、
というが、そういうこと、で、あろう。
(ちなみに、シャリだったり、鮨やの符丁、
職人が使う言葉は私自身は、使わないようにしている。
今、一般に使うようになっているが、分かっても
客は使うべきではない。符丁というのは本来は、
客にわからないように、使ているものであるから。)
もう暖かくなってきたので真冬ほどはすぐには
冷めない。
酢飯ができるメカニズムはご存知であろうか。
飯の温度で混ぜた酢の水分を飛ばす。
つまり、酢飯というのは炊きたての飯でなければ
できないのである。
熱いうちに入れた酢を飯全体に行き渡らせなければ
いけない。
赤酢の鮨酢の場合、色が付いているので混ざったかどうかが
一目瞭然である。
だいぶ上手くなったが、完全に白いところがなくなる
まで混ぜるのは至難である。
よく団扇であおぎながら混ぜるが1合程度では
すぐに冷めるので、不要である。
温度が下がってきたら、手は止めなくてはいけない。
飯が粘ってしまう。
こんなものでよしとする。
ここでもう一回タイマー、7分。
粗熱を取り、飯粒表面のねばつきを落ち着かせる
という工程になる。
小肌は酢で〆て、常温で干し、今朝から冷蔵庫へ。
午後からラップをし、再度冷蔵庫へ入れて置いた。
四枚〆た。
半身でにぎり一つ分。
使うのは二枚、四つ分でよいだろう。
残りは冷凍しておこう。
鯖でも小肌でも酢〆は、冷凍適正がよい。
表裏、こんな感じ。
半分に切って、皮側に三本ずつ飾り包丁を入れてみる。
まぐろは、脂がもの凄いのはよいのだが、
切り落とし部分で握りにくそう。
タイマーが切れた。
まず、小肌からにぎる。
裏側におろしたわさびを塗る。
酢飯を取り、左手へ。
取る量がもちろん、問題。
にぎり一つ分。
にぎり鮨をにぎり始めた当初は、まさにおにぎり
のような大きさになってしまっていた。
サイズ感がどうもわからなかったのである。
にぎり鮨というのは生まれた当初は浮世絵にも
残っているが、そう、おにぎりのような飯の量
であったのである。
腹を満たすためあろう。
そうなると、いくつも食べられない。
段々に小さくなり、今のようなサイズになってきた。
最近は安定して適切な量を取ることができるように
なってきた。
左手の中で形を作り、わさびを塗った種をのせ、
にぎる。
小肌四つ、まぐろ三つ、にぎってみた。
アップ。
まずまぐろ。
アイルランド沖と書いてあったので、
大西洋クロマグロ?。
大西洋でマグロの揚がるところはボストンなど
有名なところもあるが、日本のマグロ船で獲りに
いってもいるよう。
切り落としだが、やはり大トロといってよい強い脂。
本わさびの影が薄くなるほど。
握りにくかったが、これはお買い得であった。
小肌。
まあまあ、よい加減に〆られた。
うまい小肌のにぎり。
赤酢の酢飯とも好相性であることは
いうまでもない。
小肌、というのは、考えてみれば不思議な魚であろう。
江戸前の鮨ねたとすれば、私はNo.1だと思っている。
味も見た目の美しさも。
まさに、江戸前中の江戸前。
にしんの類なので、味はやっぱり近い。
焼いたり、煮たり、干物でもなく、こうして
酢〆にするのみ。
それも酢〆を刺身で食べるのよりも、にぎりに
してうまい。
そして、魚の大きさもこのサイズを越えてはいけない。
小肌は、さらに大きくなり成魚は鮗(このしろ)となる。
にぎりにするなら、身が薄くなければいけない。
ともあれ。
今日は、成功。
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