浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



勝浦タンタンメン・勝浦市・江ざわ

4210号

11月15日(火)第一食

さて。
今日は、出張というのか、遠征というのか。
表題、勝浦タンタンメン、で、ある。

ラーメン好きの方はご存知であろう。
全国各地に、ご当地ラーメンというのは
存在するが、千葉の勝浦。
独特のタンタンメンが勝浦だけに存在する。

担々麺ではなく、独特のタンタンメン。

担々麺なら、先日の赤坂[四川飯店]発祥だが、
胡麻ペースト、芝麻醤が入る。
勝浦タンタンメンは、ラー油はたっぷり
なのだが、芝麻醤は入らない。

ともあれ。むろん食べたこともなく、勝浦も
ほぼ行ったことはないと思う。
ちょっと、気分転換も兼ねて、行ってみようかと
考えた。

勝浦タンタンメンの元祖といわれる[江ざわ]という
ところがあるよう。かなりの有名店で行列店。
ウイークデーの午後であれば、まだよろしかろう。

この店は、勝浦なのだが海辺の市街地ではなく、山の中。
車で行くしかないところのよう。

が、調べると、東京からの勝浦方面行きの高速バスで
途中で降りるという手段があるよう。
京橋のバスターミナルから御宿行きに乗り、
アクアライン経由で木更津、大多喜を通り、
高速宿戸というところで降り、徒歩20分。

今日は雨模様で、寒い。
コートを着込んで出かける。

東京駅にも高速バスターミナルがあるが、
八重洲の東京駅前のビルにも千葉方面行きの
バスターミナルができている。
12:20に乗って、アクアライン経由。
今は車も持っていないし、房総方面にも特に用もないので
アクアラインは初めて。速いものである。
ウイークデーなので、乗っている人も少ない。
木更津から圏央道。市原鶴舞というところで降りて、
ここからは、南へ山道。大多喜街道というよう。
山は紅葉しているが、空はどんより。
高速宿戸着が14:00。下車。
人家や農地はあるが、山の中。雨はあがっているが
風もあり、寒い。

目指す[江ざわ]はこの街道沿いではなく、さらに
入ったところ。途中から、田んぼ道へ。
山の中といっても、このあたりは山は低く、
沢筋にそこそこ広い田んぼが広がり、農家などが
点在している。道中、ずっと田園風景を見てきたが
荒れたいわゆる耕作放棄地というのも多くみられたが、
このあたりは手入れの行き届いた田園風景。この違いは
なんであろうか。稲刈りはとうに終わっており、
天気がよければ、晩秋の趣きのある田園風景なのであろう。
なにかやはり、探検じみてきた。
果たして辿り着けるのであろうか。
ただ、幸運なのは、田んぼ道でも舗装道路、
雨上がりでもぬかるみではないこと。

やはり、予定通り、20分で着いた。
観光でもトレッキングでもなく、ただ田んぼの中を
歩く時間として20分は限界であろう。

着いて、外でお客をさばいているお兄さんに
一人、という。
あ、バスかなにかで来たんですか、と。
駐車場に着いた車で、お客を確認しているよう。
歩いてくる者などかなりレアなのであろう。
待っている人も、数組いる。たいていは2~3人組。
このお兄さん、なかなか手慣れている。
名前とTELを書いて、中の待合スペースの椅子に掛ける。
注文が決まったら言ってくださ~い。
一人なので、すぐですよ~、とのこと。
タンタンメン(メニュー名は担々麺)でよいのだが
“上”というのがある。
お兄さんに聞くと、挽肉増しとのこと。
では、それ。辛さもノーマルの上に二つあるが、
ノーマルで。

言葉通り、すぐに店内へ。さほど広い店ではないが
テーブル席と窓際にカウンター席。さらに小上がりも
あって意外に席数は多いか。

掛けると、すぐにきた。
[江ざわ]の元祖勝浦タンタンメン(担々麺)上。

白髪ねぎ山盛り。
たっぷりの真っ赤なラー油。
挽肉も見える。

れんげが二本あるが、一つは穴の開いたもの。
具だけをすくう。存在は知ってはいたが初めて。

麺。

アップにしたので少しわかりずらいかもしれぬが
かなりの細麺。黄色味が少し濃く、気持ち縮れ。

こういうインパクト系のラーメンだと細麺は
少し意外に感じる。

スープで煮込まれた玉ねぎも見える。

ラー油が服に飛びそうなので、ハンカチを首にかけ、
食べ始める。(10円で紙エプロンを買えたよう。)

やはり、見た目ほど辛くはない。

名物にうまいものなし、とはいうが、これはどうして
なかなかうまい。名前通りであろう。

食べ進めると、こんな感じ。

辛味もそうだが、ベースのスープの味自体は特に濃い、
というものではなくバランスの取れたもの。
見た目のインパクトとは異なり、十分小馴れている
ラーメンでは、なかろうか。

開業は別の場所で昭和29年という。その頃からこの味
なのかはわからぬが、流石の歴史であろう。

さて、帰りは勝浦駅まで出て、電車で、と考えていた
のだが、駅までの路線バスはなんと1時間後。
聞いてみると、お兄さんがタクシーを呼んでくれた。

待合スペースでお待ちくださいと。

ありがとうございます。対応もgood。
うまくて、よい店であろう。

ご馳走様でした。

帰りは、特急わかしおで東京駅まで。


facebook

千葉県勝浦市白井久保字原296-8

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。