4705号
12月26日(木)夜
さて、クリスマスも終わり、いよいよ寒い。
年の暮れ。
こうなってくると、ここ。
西両国・東日本橋、米澤町、あひ鴨一品[鳥安]。
明治5年(1872年)創業。江戸の鳥料理の血を伝えている。
前回は、ちょうど一年前、12月であった。
やはり、ここもなかなか予約が取れない。
やっと取れたのが、今日。
18時。
タクシーで向かう。拙亭からそこそこ近いのだが、
ちょっとわかりずらい場所にある。
風情のある塀に料理やの門構え。
あかりの入った看板。
硝子戸の玄関。
黄色の暖簾。この黄色はなんと言ったらよいのか。
鬱金(うこん)?、いやもっと生の黄色に近いか。
入って、名乗る。
お待ちいたしておりました、と女性が迎える。
女将さんか、けっこう若い方。
お二階へ。
若いお姐さんに引き継ぎエレベーター、
お姐さんはボタンだけ押して、乗らない。
裏の階段を駆け上がる。
二階で迎えて、席へ。
ここは、入れ込みではなく、基本すべて個室。
座敷もあるが、今日はテーブル席。
テーブルのセット。
毎度書いているが、コースターの鳥安のイラストが
お洒落。箸をとめている小さな紙にもこのイラスト。
やはりよいセンス。
相鴨鍋のコース、15,972円也のみ。
ビールはエビスの瓶をもらう。
前菜。
上が白和え、レモンの上が鮭であろうか麹漬け、
右が鴨の燻製、魚はなんであったか、鰯ではなく
公魚(わかさぎ)であったか、南蛮漬け。
次は、これ。
これまた、ちんまりかわいい土鍋。
開けると、スープ。
入っているのがなめこと鶏のささ身。
これが驚きのふんわり食感。
一体どうしているのか。ささ身とは思えぬ。
焜炉(こんろ)がきた。
年季の入った焜炉に、赤々と熾きた山盛りの炭。
前菜もう一品。
燻製であろうか、鴨肉と、ちょっと重なって
見えないが、下に同じ形の生麩。
甘めのつゆ。
鴨肉と野菜もきた。
きれいなもんである。
肉に脂のある皮、レバー、砂肝、つくね用の
鴨の挽肉。
野菜は、白ねぎ、椎茸、春菊。ピーマンがちょっと意外か。
もちろん、お姐さんが焼いてくれる。
すき焼きといっているが、鍋での味付けはなし。
これが、もう一つの江戸前鴨鍋。
ねぎと鴨脂だけの組み合わせ。
これをおろしの入ったしょうゆだけで
食うのである。
甘辛の鴨鍋もあるが、やはりこちらの方に軍配をあげる。
全部取ってくれる。
焦げ目が付き、鴨脂の染みた甘いねぎが堪えられぬ。
椎茸、つくね団子、砂肝。
つくねは、焼いているので鴨のハンバーグよう
ではあるが、これもうまい。
レバーもあり、食べ尽くす。
最後は、ノーマルなご飯に、鴨そぼろ御飯、
さらに、鴨炒め御飯から選べる。
炒めご飯を選んだ。
お姐さんは鴨脂を焜炉でカリカリに炒めて、
ご飯を合わせよく炒める。
味付けはしょうゆ。
出来た。
ごれがまた、うまい。
鴨としょうゆ、カリカリの脂。
これらが、これほどうまい、とは。
お新香に、お椀はなめこの赤だしであったか。
デザート。
胡麻プリン。
黒いのは、黒豆。
これはいつも変わらない。
うまかった、うまかった。
身体中、鴨脂まみれ。
勘定は、二人で36,010円也。
ご馳走様でした。
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