浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



大阪・南船場・うどん・うさみ亭マツバヤ

dancyotei2016-07-07



7月6日(水)夕



大阪出張。



帰り道に、うどんやに寄ろうかと考えた。


第一候補は、新大阪の新幹線コンコースにある
道頓堀[今井]。


新大阪で昼を食べるとすると、ここでよく親子丼を
食べている。


道頓堀にある[今井]の本店に行ってみようかと考えた。


スマホで調べて、日本橋から歩く。


どうもまだまだ私はこのあたりの土地勘がない。


ごちゃごちゃとした、千日前。


スマホの地図というのは目的地にたどり着けるのだが、
どこを向いているのか、いま一つよくわからない。


千日前を抜けて、道頓堀通というのであろうか、
道頓堀の南側の通に出てくる。
ここでやっとわかった。


しっかし、このあたり、たこ焼きやが多い。
ごちゃまん、とある。
そして、見た感じ、韓国系と思われる若い観光客の多さ。
東京よりも多いのではなかろうか。
そして彼らがたこ焼きやに列をなしている。


やはり近い分、大阪は韓国からの観光客が多いのか。


ともあれ、ここまで歩いてきて、汗だく。


汗を拭き拭き[今井]の前まできた。


すると、、、、、げ!。


休み!。
(この展開、既に予想がついていた方も多かろう。)


よく確認しないのがわるいのだが。


そこで、第二案。


表題の[うさみ亭マツバヤ]である。


ここはなんでも、大阪名物、きつねうどんの
発祥の店、とのこと。
大阪では有名なのかどうか、それはよくわからぬが。


もう一度、スマホの地図を検索。


こちらら、心斎橋の北。
徒歩、さらに15分。


この炎天下、さらに15分歩くのか、、、。
やれやれ。


だが、ここまできたら、行ってみるしかあるまい。


木の欄干の太左衛門橋で、道頓堀を渡る。
この橋は古く、江戸の頃からあって、ここから南下するのが
文字通り“千日前”とのこと。
真っ直ぐ南下すると、かの吉本興業の本拠、
なんばグランド花月にも行き当たる。


北へ上がると東京でいえば、歌舞伎町のようなクラブやら
ホストクラブやらある界隈、どんどん北上する。


長堀通を渡る。
左側が心斎橋。


このあたりはもう繁華街というよりはオフィス街。


左に曲がって、一本目が目的の[マツバヤ]の通。
南北なので、筋と呼ぶのが正しかろう。
名前は丼池(どぶいけ)筋


幼稚園の角を右に曲がって一本東西の通、
これは順慶町通
戦国大名筒井順慶の屋敷があったことが由来のよう。)


丼池筋沿い左側。


あった。


思ったよりも小さな店、
[うさみ亭マツバヤ]。


もう汗だくを通り越して、熱中症寸前。
(すこしオーバーだが。)


半端な時刻で、先客はおねえさん一人。


手前のテーブルにかけて、もうしょうがない、
これは、ビール。
そして、名物きつねうどんを頼む。


ここの創業は1893年明治26年)という。
当初、別に付け合わせとして出していた甘辛の油揚げを
入れたのが始まり、という。


ビールをガブガブ。


店は、中のご主人とおかあさん二人。
老舗然とはしていないが、なかなか味のある店。


ほどなく、登場。





大きな油揚げとサクサク薄く切った青ねぎ、蒲鉾。



ほう。



大阪のつゆはこんなに色がついていたっけ。
この店が、大阪の標準よりも濃いのか、
最近、讃岐うどんばかり食べているので透明に慣れている。
あちらと比べれば、大阪はこのくらいの色だったか。


つゆを飲むと、やはりしっかりした味。


揚げの上の黒っぽい四角いのは柚子。


揚げの味もしっかりしている。


うどん。
ん!。これは大阪の標準はかなり柔らかめ
であると思うのだが、それよりは少し
腰があるようである。


ともあれ、びっくりするほどではないが、
さすがに元祖を名乗るにたるきつねうどんでは
なかろうか。


時間があれば、もう少しゆっくりしていくのだが
新幹線のチケットも既に買ってしまった。
ロスタイムもあるので、帰らねば。


にこやかなおかあさん。


お勘定をして出る。


おおきにありがとうございますぅ〜。





06-6251-3339
大阪市中央区南船場3-8-1