浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



新玉ねぎと春キャベツ

dancyotei2015-04-06


4月に入った。

サラリーマンの方々は、年度がわりで慌ただし頃であろう。
また、東京などは桜が急に咲いて、急に散って。
私なども、今年はまとまって、いわゆる花見をする機会を逸してしまった。

とにもかくにも、春になったのは、うれしいことである。

先週、先々週あたりから、新玉ねぎと春キャベツ、
(買っていないが新じゃがもか。)が店頭に並び始めた。

魚はまだしも、野菜はこれほど季節感がなくなっているが
やはり新ものというのは、味が違う。

それでこの二つを買ってみたのである。

まずは、新玉ねぎ。

これは実のところ、買ったはいいが、なににしようか、
はたと困ってしまった。

結局、辛みがまだ少ないので、生でもサラダとして
食べられる、ということ。

ただ。

よくよく考えてみると、私などは、辛みのある生の
普通の玉ねぎも好きで、よく食べている。

まあ、せいぜい軽く水に晒すくらいで。

辛いのがよいのである。
ラー油などと和えてもこれまた、うまい。

そして。

玉ねぎとして、炒めものにする。

これは、実のところ失敗であった。

科学(化学?)的にどうなるのかは私はわからないが、
普通の玉ねぎは、油で炒めると、あまく、うまくなる。

新玉ねぎは炒めても、味が薄いまま?!。
なんとなく気が抜けたような感じであった。

炊き込みご飯、ピラフ、なども考えたのだが、
結局、旨みが少ないだけ?ではと思い、やめてしまった。

そしてもう一つ、思い出したのは、初鰹。

これはどこかの鮨やで出された記憶があるのだが、
新玉ねぎをおろして、しょうゆに溶き、これで
食べる。
これはうまかった。
ただ、このために鰹の刺身を買ってくるのも
なにやら本末転倒である。

やはり、スライスして生、しかないのか、というので、
鶏ひき肉があったので、濃い味のそぼろを作って
生のスライスに合わせた。



むろん、これはこれでよいのだが、
なんだか、無理やり感が漂う。
別段、新玉ねぎでなくとも、よさそうであった。
(なにがよかったのであろうか。結局残りは、玉ねぎとして
カレーに使ったのであるが。)

さて。

春キャベツの方。

これはGoodである。

まずは回鍋肉(ホイコーロー)。





豚バラスライスを買ってきた。

一口に切って茹でておく。

普通のキャベツであれば、湯通し、あるいは
油通しをするのだが、そのまま炒めればOK。

これもまず一口に切る。
ただ、茎というのか、葉脈というのか、繊維の太い部分は
普通のキャベツ同様に、包丁の腹で潰しておく。

中華鍋を熱し、油をまわし、豆板醤、にんにく、生姜、
それぞれスライスを炒める。

ここに茹でた豚バラ、キャベツを入れ、炒める。

炒めながら、お玉半分ほどのスープ(これは味覇・ウェイパを
お湯に溶いたもの)を加え、甜麺醤オイスターソースちょいと、を
加え、よく合わせて、完成。

せっかく柔らかい春キャベツ、すぐに火は通るので、
炒めすぎてはいけない。

このタイミングが少々難しいかもしれぬが、
まあまあのできであろうか。

ここまでうまいのであるから、生も食べねば。

で、冷蔵庫に内儀(かみ)さんが買ってきていた
出来合いのメンチカツがあったので
千切りも作ってみた。



できるだけ細く切って、そのままでもよさそうだが
10分弱だけ、水にさらした。

シャッキリとし、上々。

キャベツの方は成功であった。