3月31日(火)昼
なんだか、またまた続いているが、
午前、日本橋。
11時半すぎに終わり、
さて、なにを食べようか。
ちょいと早いので[大江戸]でうなぎを食おうか。
[大江戸]は日本橋本町。
本町というのは今は昭和通り沿いに、江戸橋側から
一丁目、二丁目。
江戸の地図も出しておこう。
中央通りは変わっていないのだが、
昭和通りができていたり、江戸橋の位置が
違っていたり、実際は随分と変わっている。
江戸の頃の本町は(旧)常盤橋から始まり
三井本館・マンダリンオリエンタル北側、
第一三共本社ビルの脇を通る通り沿いに
西から東に、一丁目から四丁目まであった。
江戸の地図に昭和通りの位置と思われるところを
入れてみたが、なんとなくおわかりになろうか。
江戸の頃の日本橋本町といえば、薬種問屋と
決まっており、その関係で現代でも製薬会社の
本社ビルがいくつかある。
さて。
昭和通りに出て神田側に歩き、[大江戸]は
江戸通りを渡ったところ、昭和通り沿い。
老舗であるが、ここに店を開いたのは戦後のことのよう。
そばへくるともう既に蒲焼のうまそうなにおいがする。
表に向かって入口は正面と右側と二つあるが
いつも入るのは右側。
(正面はお座敷客専用なのか。基本皆、右側から。)
入るとすぐに暖簾の下がったテーブル席が奥に向かって
並んでいる。こんな時刻だが、もう既に一杯。
付近のサラリーマン、ランチ接待なのか、
ビールを呑んでいる席も少なからず見える。
お姐さんに、一人、というと、
はい、お二階へ、とのことで、細いテーブル席の脇を抜け
突き当りを右に曲がる。
文字通り、うなぎの寝床のようである。
階段があって昇って二階。
二階はまだお客はいない。
真ん中のテーブルに座る。
お重ではなく、丼がある。
大丼(おおどんぶり)3,600円也、
中入れ丼(なかいれどん)3,800円也
いかだ大丼、3,800円也。
いかだというのは、普通は背中で切り離している
のであるが、切っていないもの。土曜限定でお重で
出しているのがここの看板にもなっている。
今日は、肝吸いを付けて、
中入れ、でいってみようか。
しばし待って、きた。
大きな丼。
期待をふくらませる。
あけると。
むろん、中入れなのでご飯の中に埋められた
蒲焼は見えない。
山椒をふって食べる。
味は、東京のうなぎ蒲焼として、濃くも薄くもなく
いたってノーマル、うまいうな丼であろう。
食べ進むと、中からもう一枚。
うまい、うまい。
お新香もうまい。
うなぎやでお新香がうまいのは、重要なことである。
落語にも出てくるが、その昔、
うなぎやでは、お客がきてから
うなぎを割き始めたので、小一時間は
待つのが当たり前で、その間、お客は
お新香をつまみながら呑む。
それで、うなぎやではお新香の味にも
気を遣うところが多かったという。
食べ終わり、席を立つ。
食べている間にもお客がどんどん入り、
二階も一杯になってきた。
ご馳走様でした。
勘定は下。
うまかった、うまかった。
大満足。
昼にここに入ったことはあったろうか。
初めてだったかもしれない。
こんなに盛況だとは。
景気も少しよくなったのかもしれぬ。
しかし、日本橋もやはりこちら側は
そこはかとなく、雰囲気が違う。