浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



真夏の鮎飯

8月4日(月)夜



さて。



鮎飯。



鮎飯といえば、池波レシピ。



エッセイだけでなく、鬼平などいろいろな
作品に登場する。おそらく、先生ご自身が大好きで
あったのであろう。


そこで、私も作ってみたのだが、


苦い。


鮎飯の苦味問題勃発。


最初は魚やで簡単に手に入る、養殖もので
作っていたので、そのせいかと思っていたのだが、
結局、そうではなく、鮎飯にする場合は、はらわたは
抜かねばならなかった、ということが後から判明。


まあ、間抜けなことではあった。


今日、栃木に住む鮎釣り好きの同僚が、友釣りで釣った
天然ものをくれたので、せっかくなのですぐに食べねば、
で、ある。


鮎をもらって栃木の工場からの帰り、14時頃、
炎天下、オフィスまで待ちかえるよりは一度家に寄って
冷蔵庫に入れようと思い立った。


幸い、新御徒町経由で市谷のオフィスへ戻るのであるから
ちょいと、途中下車すればよい。


ついでに米も研いで浸水しておかねば
帰ってきてから、すぐに炊けない。
特に、炊き込みご飯は酒を入れるので
浸水は3時間以上必要である。


家に寄り、もらった鮎を冷蔵庫に入れ、
鮎飯用に米を研ぎ、酒、薄口しょうゆで
水加減をし、そうだ、今日は昆布を入れておく
ことを思い立って、昆布の切れっ端を入れて
冷蔵庫へ突っ込み、仕事に戻った。


7時すぎ、仕事を引けて、帰宅。


さてさて、段取りよく、鮎飯を作らねば。


いやまて、鮎飯だけでは酒が呑めぬ。
なにか肴もほしいな。


谷中でもあれば、御の字か。


ハナマサに寄り、谷中を調達。


また、売り場で、古くなった大根が
1本70円で売っている。


これでおろしにでもすれば、もう一品
ちょうどよい、肴になる。


どうせなら、おろしも、池波レシピ、
梅肉とかつぶしを入れた、浦里にしよう。


OK。


買って、帰宅。


冷蔵庫に入れた、鮎の包みを開けてみる。





こんな感じ。



大小取り混ぜて、10匹ほどある。


大きいのだけ選(よ)ってみると





4匹。



鮎飯優先で、こいつらを使おうか。


腹を裂き、問題のはらわたを抜いて
きれいに洗っておく。




塩はなしで白焼き。ガスのグリルで焼く。





お釜の方はこんな感じ。


昆布を取り出し、





白焼きにした鮎を並べ、スイッチON。


残った鮎は、なんとか塩焼きにできそうな
サイズが2匹。
まだ、その下の大きさのものが4匹。
これは、から揚げか。


残してもしょうがない。
塩焼きと、から揚げも一気にやってしまおう。


塩焼きは鰭(ひれ)に飾り塩をし、
ガスのグリルで焼く。


から揚げはフライパンに少量の油を張って
なにもつけずに、文字通りから揚げ。塩をふっただけ。


この作業を一気にする。


から揚げ。





谷中は洗って味噌を添えて、皿にのせるだけ。


塩焼きと、谷中。





まずは、これでビールをあけて
呑み始める。


なんだ、これだけできるのであれば、
他の肴を考えることもなかったか。


と、呑んでいる内に、鮎飯も炊きあがる。





鮎を取り出し、身をほぐし、身だけを
混ぜ込む。


そうだ、ここまでやったんだから、
浦里も作ろうか。


鮎飯のおかずにはちょうどよい。


大根の皮をむき、ザクザクとおろす。


梅肉、かつぶし、しょうゆをかけまわせば
浦里。


鮎飯はもみ海苔を忘れずに。




浦里。



いやぁ〜、妙に充実。



なんであろうか。



たいしたことはしていないが、
このくそ暑い真夏に、こんなに一気に料理を
しなくてもよかったようにも思うのだが、、。


まあ、たまにはよかろう。


うまかった。





さてさて。



そんなことで、切もよい。



これをもちまして、断腸亭も夏休みをいただきます。


運がよければ、休み明けに、また。


皆様も、ハヴァ〜、ナイス、サマー、バケーション!。