浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



しらたきと、がんもどき

dancyotei2010-04-18

4月13日(火)昼 4月18日(日)朝


今日は少し、変則であるが、先週と今日
合わせ技、しらたきと、がんもどき。


どちらも近所、菊屋橋の豆腐や、小松屋

地図




で買ったもの。



まずは、13日(火)。


これはしらたき。



買ったのは、豆腐やの小松屋だが、
むろん、豆腐やでは、しらたきは作っていない。
大原本店というところのもの。
松屋で豆腐を買うと、ついでによくしらたきも
買う、のである。


このしらたき、や、大原本店については
前にも書いている。


ここもご近所ともいってよい、台東二丁目(竹町)にある。
ほんとうに小さなところだが、宮内庁御用、
東京生まれの生麩、つと麩、も作っている。


このしらたきは、牛肉で有名な雷門の松喜でも、すき焼き用に売っている。


鶏肉とねぎといっしょに甘辛に煮た。


写真を見ておわかりだろうか。
一般に売られているものよりも、細い、のである。


そして、こしが強い。


しらたき、というものは、鍋に入れる。
すき焼きだったり、水炊きなんかにも入れるだろうか。


鍋では味が染みたしらたき、というのは、
普通の太さのものでも、うまいものである。


細いということは味が染みやすい。
甘辛でも出汁の味でも濃いめに仕上げられる、
ということである。


これに加えて食感のよさで、
いくらでも食べられる。


カロリーも低いであろうし、
毎日でも食べられる、というのは、まあ
いいすぎであるが、それほどにうまいしらたき、
で、ある。


さて。


もう一つは、今朝の朝飯。


昨日、17日、土曜は、NHK文化センターの
池波正太郎と下町歩き」の第一回。
初めての体験で、なかなか骨が折れた、のだが、
皆さんと前川のうなぎを食べて15時すぎ、解散。


私は、駒形の前川から、ぶらぶら歩いて、
元浅草の拙亭まで、帰ってきた。


帰り道、小松屋の前を通りかかり、店をのぞいてみた。


この小松屋は、豆腐が味が濃く、うまい。


この、周辺も含めた、元浅草界隈、スーパーはあっても、魚やにしても、
八百屋、肉や、など、個人経営の小売の食品店というのは、ほとんどなくなっている。


池波先生はこの町で育たれたわけだが、エッセイで書かれている。
その昔、先生の子供の頃(昭和初期)は銭湯から、八百屋、魚や、
日々必要なものは、皆、町内で事足りた。
(もっとも、この界隈に限ったことではなく、下町はどこでも、
そうであっただろう。また、もう少しいえば、当時は、
町内に同業の店があるのに、他町まで買いにいく、というのは、
礼儀上、よしみとして、しないもの、というものでもあった。)


今、この町で、自家製造をしている豆腐やとして
残っているのは、そうとうに希少、で、あろう。


豆腐やなので、夜の店じまいは早く、
私などはウイークデーには買えない。


で、土曜になるのだが、
午後の半端な時間はあいていないこともある。


店をのぞくと、いつもは、二代目なのか、若主人
のことが多いのだが、今日は、お父さんが出てきた。


木綿一丁と、うの花の煮たの、それから、
またまた、しらたき、と、思ったのだが、
残念ながら、切れており、がんもを三つ。


「下町歩き」講座は、着物を着ていったので、
この時は着物姿。


前にも、着物を着ての帰りがけ、ここに寄った時に、
このお父さんに、着物、いいですね、寒くないですか、
などと声をかけられた。


今日も、憶えていたのか、いないかったのか、
また、着物、いいですね〜、と。
(このお父さん、ご自分で着物着たい、のであろうか。)


ともあれ。


その、がんも、今朝、出汁を取り、
酒としょうゆで煮た。


飯は、例の方法で鍋で炊いた。






もろん、手作りで形もしっかりし、
豆腐同様うま味が濃く、うまいがんも、である。


大原本店にしても、小松屋にしても
特段気取っているわけでない、下町、らしい、
うまいものを作っているところであろう。




大原本店







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NHK文化センター「池波正太郎と下町歩き」ご参加の皆様へ。



寒い中、初回、ご参加ありがとうございます。
初めてのことであり、不慣れなところ多々あり、
反省をしております。
来月以降は、より皆様に楽しんでいただけるよう、
考えたいと思います。


この場を借りて、御礼申し上げるとともに、
これにこりず、今後ともよろしくお願い申し上げます。



断腸亭