浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



帝国ホテル・ラ ブラセリー その1

4556号

5月3日(金)憲法記念日 夜

さて。

連休後半。

今日は内儀(かみ)さんの希望で、帝国ホテルの
レストラン[ラ ブラスリー]。

先日、オールデーダイニング[パークサイドダイナー

で、伝統のハンバーグステーキやらを食べた。

あそこでも書いたが[パークサイドダイナー]はカジュアル。
[ラ ブラスリー]はクラシックという位置付けといえるのか。
伝統のシャリアピンステーキや、エリザベス女王訪日時の
女王縁のメニューやら帝国ホテルの看板メニューを揃えている。

ただ、タワー館建替えに伴い、6月末で営業終了の予定。
その間、これらの看板メニューはどこで食べられるのか、
食べられぬのか、まあ、いずれ、どこかで復活はする
のであろうが。

ともあれ、それで、内儀さんは食べておきたい、
とのこと。

予約をして、17時半。

今日は天気もよいので、銀座線の銀座駅から外を歩いて
帝国ホテルへ向かう。
みゆき通り経由。ここもブランドショップが多い。
なにかで言っていたが、やはり中国系らしい人々が
群がっている。まあ、日本国内で消費してくれるのは、
よいことなのであろう。

[ラ ブラスリー]はタワー館の地下なのだが、タワー館
自体の営業は既に終わっているようで閉鎖されており、
本館側からしか入れず少し迷ってしまった。

たどり着き、入り、名乗る。

この、名乗った時のスタッフの対応というのは、
やはり帝国ホテル、たいしたものである。

予約の名前を憶えているのか、なにも見ずに、
にっこり笑って、○○様、お待ちいたしておりました、と。

事務的でももちろんなく、慇懃無礼でないスマイル。
なかなかないだろう。

窓側のテーブルに案内され、掛ける。

メニューが運ばれる。

ほんとうは、ワインを愉しむレストランなのだろうが、
やっぱりビール。
ここも、サッポロの生。

二人とも、コースにした。

内儀さんが「Menu du Voyage Historique Ⅱ」~
“歴史の旅メニュー”といったことろか。

「人気が高かった復刻料理を現代風のコースにしたもの」
とのこと。週替わりでⅡは二週目、メインはホタテ貝の
ポワレと仔羊背肉のロースト、13500円也。

私がシャリアピンステーキの入る、「Menu Historique?
de l'Imperial」~「帝国ホテル伝統のフルコース」
15000円也。

私の前菜から。

「Terrine Tradition/テリーヌ・トラディション」

上から、オリーブオイルが散らされている。

テリーヌ・トラディションという名前で、ここには
いくつかの種類のテリーヌが出されているよう。
野菜、魚、海老、肉、などいろいろ。

昨夏にもこのコースを食べているが、その時の
もの
とも違う。

オーソドックスなテリーヌということ、なのであろう。
これは魚介系中心かもしれぬ。
こってりでもなくさっぱりでもなく、とても
バランスが取れているのであろう。
上品で香りもよく、うまい。

内儀さんのコースは一品少なく、ここが一品目。

「Paris Soir/パリ・ソワール」

文字通りの意味は“パリの夕暮れ”だが、
この料理の一般名のよう。
フレンチではスタンダード料理なのであろう。

二層の下が、帝国ホテル伝統のダブルビーフコンソメ
スープのジュレで上がヴィシソワーズ。

前菜兼、スープというのか。
もちろん、冷製。

見た目にもお洒落。

一口もらったが、やっぱり抑制が効いていて、
上品、バランスが取れ、うまい。

私のスープ。

こちらは温かなもので、これがダブルビーフコンソメスープ。
帝国ホテルのスープの基本、なのであろう。

なにがダブルかというと、二回煮だすという。
一度煮だしたスープにもう一度材料を入れ、煮だす、
ということか。

散らされた小さな野菜もお洒落。

そして、まさに、黄金の輝き。
濃厚だがクリア。
また、尖ったところがまったくない。
これが伝統の味、ということなのであろう。

そして、これ。

内儀さんの、魚介メイン。

ホタテのポワレ
ちょっと写真がいまいちであったが、真ん中の
丸いのがホタテのポワレ
かなりの大きさ。

まわりのソースはホタテなどのジュで取った
シャンパン風味、とのこと。
ジュ、というのは、jus、で、フランス語で
ジュースのことらしい。


つづく

 

帝国ホテル・レストラン

 

 

 

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