6月14日(日)夜
池波先生の「食べ物日記―鬼平誕生のころ」を読んで、
の最後。
小柱と三つ葉のかき揚げ。
ご自宅での夕食によく登場する。
おそらく、奥様のお手製。このかき揚げが揚げられる、
というのは、奥様の腕はそうとうなもの、で、ある。
今日は、うまく揚げようと、少し、考えてみた。
天ぷらの場合、プロの技に、重曹を入れる、と、いうのがある。
衣に、ほんの少し重曹を入れると、重曹が発泡し、
カラッと揚がる。
路麺(立ち喰いそば)でもこの系統の天ぷらを
揚げているところもある。
この技は、むろん知っていたのだが、
あえて、しないようにしてきた、のではある。
今日は、この重曹そのものではなく、市販の天ぷら粉。
市販の天ぷら粉にも、おそらく少し重曹が入っているかと思い、
使ってみることにし、小さい袋のものを、買ってきた。
三つ葉は2〜3cmに切って用意。
まずは、いつもの通り、玉子冷水を用意。
ボールに玉子を溶き、冷水、氷2かけら、よく混ぜる。
このまま、一度、冷蔵庫へ入れておく。
油を用意。
今日は新規の油。
胡麻油とサラダ油を半々。
一度、予熱として、温めて、止めておく。
かき揚げの種を作るのに、お椀を二つ用意。
まず、一つに、かき揚げ一つ分の三つ葉と小柱を取る。
前にも書いたが、プロの技として、ここに粉を入れ
まぶす。おそらく、これがつなぎ、に、なるのであろう。
今日はここから、天ぷら粉を使う。
このタイミングで、鍋に点火。
もう一つのお椀に、玉子冷水、かき揚げ一つ分、を取り、
天ぷら粉を軽く溶く。
これを、先の三つ葉と小柱のお椀に入れ、混ぜる。
油の温度をみる。
180℃よりは、少し低めを目指す。
お椀から、一気に投入。
10秒数えながら、待つ。
いいかな。ひっくり返す。
いい色まで。
こんな感じ、で、ある。
天ぷら粉、らしい、揚げ上がり、で、ある。
うーむ。
わるくはないが、不自然な、カリッとした感じ、、、、
とでも、いったらよい、のであろうか。
その上、天ぷら粉自体には、味も付いており、これも
なにか、出来合いの、人工的ともいえる味に一役買っている。
これでは、やはり、満足はできない。
さて。
ここから、実験モードで残った小柱、
あるいは、冷凍庫にあった小海老を使って、この日にも3つほど、
その後も数日、数回、三つ葉のかき揚げを揚げてみた。
(その間に、油温が高すぎて、久しぶりに、投入直後に
沸騰したように、油があふれてしまい、ガス台が油浸し、に
なってしまった、といったこともあったが、、。)
その結果、正しいのかどうか、よくわからぬが、
このあたりか、というところにたどり着いた。
一つは、天ぷら粉は、最初にまぶすところだけで、
後から入れる衣は、普通の小麦粉(薄力粉)でゆるめにしておく。
そして、この後から入れる衣と具材は完全には混ぜない。
つまり、最初にまぶす具のツナギは、
軽めに揚がるように天ぷら粉。
そして、後から入れる衣は自然な衣になる小麦粉で、
少しゆるめにすることで、軽く揚がる。
つまり、中と外と、二種類の衣のような構造になるように
考えてみたのである。
それで揚げたもの。(6/21)
この写真では、内部がどうなっているのかわからない。
内部は、気持としては、少し柔らかめで、もう少し、
堅めに揚がってほしい感じではある。
だが、まあ、まあか。
今回は市販の「天ぷら粉」を使ったが、先に書いたように、
これは味も付いており、純粋に重曹だけを入れる、という
のも一つの手、かもしれない。
油の大沸騰は、計算外であったが、それでも、実験モードで、
いくつも作ってみるのは、楽しい作業ではある。
だが、かき揚げ、難しいことであることは間違いない。
私には、まだまだ、修行、で、あろう。
さて。
小柱の使い道として、朝飯にこんなものも。
温めた飯に、小柱をかけ、海苔、そして、わさびじょうゆを
かけまわしたもの。
小柱飯、と、でもいったらよいか。
これは、うまい。
そして、さらに、余った三つ葉。
実は、これも、池波先生の「食べ物日記・・・」に
よく登場していたのだが、三つ葉おひたしの、からしじょうゆ。
特段、珍しいものではないが、
拙亭では、今まで、あまりやらかかったもの。
これも、うまい。