浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



煮穴子と天ぷら その2

dancyotei2018-09-19

引き続き、天ぷら。

きすを揚げ終わって、白魚。

白魚というのは、私のよくいく天ぷらや、

三筋の[みやこし]ではかき揚げではなく、

白魚でも比較的大きいものを3〜4匹をまとめて揚げる。

この方が見栄えもよいし、白魚を食べてる、という

感じがする。

大きいのを選(よ)って、少量ずつ揚げていたら、

それこそいつ揚げ終わるかわからなくなる。

小さめのかき揚げにしよう。

かき揚げの揚げ方は、最近は、プロ、[みやこし]の親方が

揚げているのを見て、真似をしている。

小さなお椀にかき揚げ一つ分の種を取り、

ここに粉。からめて、衣、または玉子水と

粉を入れ衣にする。

そして、このまま大きなさじを使って油に投入する。

かき揚げを揚げ始めた頃は、かなり悪戦苦闘した。

衣の堅さ、全体の量。

この二つがポイントであろう。

かき揚げの失敗は、中まで火が通っていない。

あるいは、散ってしまって、形にならない。

この二つは先のポイントにある程度対応している。

衣が堅くて量が多く厚くしてしまうと、中まで火が通らない。

散ってしまうのは衣がゆるいから。

堅すぎもせず、柔らかすぎもせず、というよい塩梅を

見つけなければいけないのである。

いずれにしても、あまり大きなものを揚げようとせずに

少量にした方がコントロールしやすく、揚げやすい。

そんなことで、最近はある程度は計算できるようには

なってきた。

揚がった。

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白魚の量はたくさんあるのだが、こうしてかき揚げに

してしまうと、今一つ、白魚の味がよくわからない、

というのが、難点であろう。

デリケートな味の白魚が、衣と油に負けてしまう、のである。

また、火が通りすぎというのもあるのかもしれない。

やはりプロのように、大きいもの数匹でさっと揚げる

というのが、白魚のベストなのであろう。

しかし、まあ、白魚を天ぷらにするのは、シロウトの私には

今後もそうそう機会は多くはなかろうが。

最後。
穴子

穴子は、きす同様あまりむずかしいことはない。

どちらかといえば、よく揚げた方がよいであろう。

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ホカホカでうまい。

天ぷらは、以上で終了。

まあ、白魚に反省点があったが、まあまあで

あったろう。

さて、煮穴子

煮あがったもの。
やはり、圧力鍋の威力、いつも通り柔らかくなっている。

別段、付け合わせなどなくてもよいのだが、

きゅうりを細く切ろうか。

穴子にきゅうりが特に合うのかといえば、そんなことも

なかろうが、細巻で穴きゅうというのがあるが、

それできゅうり。(確かに細巻であれば、穴子

甘辛ときゅうりは合う。つまり酢飯が入ると、

相性が変わってくるということか。不思議なものである。)

きゅうりの細切りは、きゅうりの緑の表面から

桂むきにし、平たい緑の板を作り、これを千切りにする。

真ん中の白い部分、種の部分は使わない。

プロはこれをやる人が多いだろう。

以前は真似をして私もこれをやっていたが、面倒なので、

斜めに薄くスライスし、細く切る。

種や白い部分も使うので、しばらく水に漬けて

シャキッとさせておく。

ちょっとした手間であるが、きゅうりというのは

シャキッとさせなければ、うまくない。

煮あがったてから、若干時間たって冷めているので

オーブントースターで温める。

たれは常備してある穴子の煮汁の煮詰めたもの、

鮨やでいう、ツメ。

冷蔵庫に入れてあるので、固まっている。

レンジで温めててゆるめる。

皿に盛って、たれをかけ、出来上がり。

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これも上々。

今日の煮汁は、ストックのものと合わせ、もう一度

火を入れ、煮詰め、元に戻しておく。

さて、もう一つ、おまけ。

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このいか、今日一緒に吉池で買ってきたのだが、

やりいか。

すみいかではないがこれも生まれたばかりで、新いか

ということになろうか。

だが、いかにも小さい。(この写真で3cmほどである。)

ボイルして、先の甘いたれをこれにもかけた。

もう少し大きかったのだが、火を通したら

こんなものになってしまった。

やりいかも江戸前の鮨種で、煮いかなどどいうが、

茹でてやはりこうして甘いたれをかける。

あまりに小さくさばけないので、スミも内蔵もそのまま

で茹でてしまったので、皿の上でスミが染み出して

たれなのかスミなのかよくわからなくなってしまった。

だがまあ、味はよろしい。