浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

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歌舞伎

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 そ

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 その3 3月22日(土) 今日も昨日の続き。 国立劇場の歌舞伎、黙阿弥作、 「處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)」。 10年前に上演された別の作者の「与話情浮名横櫛」を 下敷きにし…

国立劇場三月歌舞伎公演菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 その

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 その2 3月22日(土) さて。 引き続き、国立劇場の歌舞伎見物。 「菅原伝授」の車引。 昨日、初見と書いてしまったが、まったく私も いい加減なものである。 2010年の初芝居で歌舞伎座で観てい…

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 そ

国立劇場三月歌舞伎公演 菅原伝授手習鑑〜車引 處女翫浮名横櫛 その13月22日(土) さて。 連休。 今月も先月に続いて、歌舞伎。 正月から毎月である。 先月は歌舞伎座昼の「白波五人男」と、ここには書いていないが 南北の珍しい「心謎解色糸(こころのなぞ…

2月花形歌舞伎 通し狂言 青砥稿花紅彩画 白浪五人男 その4

2月11日(火)祝日 さて。 三回に渡って書いてきた通し狂言「青砥稿花紅彩画・白波五人男」。 四回目。今日は、この日の弁当を書いておこう。 劇場に入る前に買っておいた、木挽町[辨松]の赤飯の折詰弁当。 中身。 天地が逆だったかもしれない。 上から、…

2月花形歌舞伎 通し狂言 青砥稿花紅彩画 白浪五人男 その3

2月11日(火)祝日 引き続き、二月の歌舞伎、夜の部「白波五人男」の通し。 通しでない場合は、序幕は演られない。 実際のところ、この芝居の見所は前回書いた弁天小僧の 「しらざぁいって、聞かせやしょう」の名ゼリフのある、 二幕目の浜松屋の場と、稲瀬…

2月花形歌舞伎 通し狂言 青砥稿花紅彩画 白浪五人男 その2

2月11日(火)祝日 引き続き、二月の歌舞伎、夜の部「白波五人男」の通し。夜の部は16時半開演。いつもギリギリの歌舞伎座到着でバタバタするので 今日は時間の余裕もあるので、着物に着て、早めに出かける。稲荷町から銀座線、銀座で降りて晴海通りの右側を…

2月花形歌舞伎 通し狂言 青砥稿花紅彩画 白浪五人男 その1

2月11日(火)祝日 さて。 今日は、先月に引き続き、歌舞伎。 今月の歌舞伎座は、いつもの“大”歌舞伎ではなく、 “花形”歌舞伎。 通常の興行が大歌舞伎で、花形の方が若手役者の芝居 ということになっているようである。 そしてそれも二月と八月、いわゆるニ…

初芝居 寿初春大歌舞伎 その5

さて。 五回目になってしまった。 「忠臣蔵」の『九段目の切』『山科閑居』。 前回は力弥が加古川本蔵の腹に槍を突き立て、 とどめを刺そうとしたところに 「力弥、早まるな」と由良助が奥から出てきたところ、 まで。 今回の加古川本蔵は松本幸四郎、由良之…

初芝居 寿初春大歌舞伎 その4

引き続き、歌舞伎座夜の部「忠臣蔵」「九段目の切」、 前半部分。まだまだ、見どころというのはある。この前半部分の登場人物は女性(女形だが)のみ。まあ、行列の供の者と、取り次ぐ女性もあるが、 まあ、戸無瀬の娘小浪とお石の三人。この三人だけの舞台…

初芝居 寿初春大歌舞伎 その3

引き続き、歌舞伎座の初芝居。 一つ目の演目「仮名手本忠臣蔵」『山科閑居』。 前半部分。 力弥の許嫁の小浪とその母戸無瀬が訪れ、祝言を求めるが 由良之助の妻、お石は断る。 ここで戸無瀬、小浪の母娘は自害をしようとするが、お石は とめて、祝言を受け…

初芝居 寿初春大歌舞伎 その2

1月3日(金) 前置で昨日は終わってしまったが、歌舞伎座初芝居を 続ける。 行ったのは夜の部。 目当ては最初の演目「仮名手本忠臣蔵」『九段目 山科閑居』。 (九段目はキュウダンメではなく、クダンメ、で、ある。)私は11月に観に行ったが、 歌舞伎座では…

初芝居 寿初春大歌舞伎 その1

1月3日(金)さて。正月三日、今日は初芝居。歌舞伎座へを内儀(かみ)さんと行く。ここなん年か正月は歌舞伎を観に行っている。 昨年は新橋演舞場で「忠臣蔵七段目」など。 一昨年は国立で「三人吉三」の通し。 さらにさかのぼって日記をみると09年に新橋演…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その9

さて。 「仮名手本忠臣蔵」最終幕の『十一段目』。 言わずと知れた、討ち入り。 午前中の11時から、夜の9時近くまで、 観ていて、やっとたどり着いた、という感じである。 幕が開くと、暗い舞台に浅葱(あさぎ)幕。 雪を表現する、低いドン、ドン、ドン、と…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その8

8回目になってしまった。「忠臣蔵」通し。まだ、二幕あるぞ。次は『七段目』。これは実は、今年の初芝居で、この幕だけを観ていた。 配役はこの時は、由良之助が幸四郎で、もう一方の主役ともいえる 寺坂平右衛門が吉右衛門。兄弟共演であった。「忠臣蔵」自…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その7

引き続き「忠臣蔵」。 六段目なのだが、勘平が切腹に至る経緯を書いてきた。 これがどうも、納得がいかないという話。 ちょっと込み入っているが、お分かりいただけたであろうか。 この六段目、与市兵衛の死骸が担ぎ込まれたところから、 早く、与市兵衛の傷…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その6

さて。 まだまだ「忠臣蔵」、五段目『山崎街道二つ玉の場』。 昨日は斧定九郎の芝居まで。 定九郎の芝居は、わずか五分だが「忠臣蔵」全体の中でも 大事なシーンのうちの一つであろう。 で、この後のお話はというと、定九郎が鉄砲で撃たれて、 絶命すると、…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その5

引き続き「忠臣蔵」、五段目『山崎街道二つ玉の場』。 京都郊外の街道沿いの農山村。 おかるの父親、与市兵衛を殺し、おかるの身代金の 半金五十両を奪った、斧定九郎。 定九郎の頭は五十日鬘(ごじゅうにちかつら)という 月代(さかやき)の伸びたもの。 …

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その4

さてさて。 まだまだ「忠臣蔵」は続く。 腹切り、城明け渡しの四段目が終わって、もう一幕。 昼の部、最後。 これは「道行(みちゆき)」。 まあ、踊りの幕。 先月の「義経千本桜」でもあった。 「義経千本桜」は静御前と狐忠信の道行。 「忠臣蔵」はおかる…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その3

引き続き歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」。 昨日は、四段目"腹切"まで。 四段目は、まだ続く。 判官の亡骸は寺へ送るため、駕籠に乗せられる。 白無垢姿の奥方らが登場し、家来含めて焼香、お別れ。 由良之助ともう一人の家老の斧九太夫以外の主だった者は、駕籠に…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その2

引き続き、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」。 第一幕。 序幕、といわないで大序、という。 これは浄瑠璃ものだからのようで、大序というとなんだかとっても 重々しい。 ここは松の廊下の刃傷(にんじょう)につながる複線の幕。 実際の浅野内匠頭が吉良上野介に刃…

吉例顔見世大歌舞伎・通し狂言 仮名手本忠臣蔵 その1

11月4日(月)さて。また、歌舞伎、で、ある。歌舞伎にご興味のない方には、またか、と、思われるかもしれぬ。 私としては、もうしばらく歌舞伎は勉強しなければ、と、思って、 意識的に観ている。“江戸”好きを標榜しながら、落語がホームグラウンドであるが…

歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その5

長々書いてきてしまったが「義経千本桜」通し狂言。昨日は四幕の『木の実』『小金吾討死』と五幕の『すし屋』まで。昨日の最後に「菅原伝授手習鑑」の『寺子屋』 を引いて、この話のテーマは <恩を受けた主君に報い、自らの子供の命を捧げる。> である、と…

歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その4

「義経千本桜」通しのつづき。 『道行初音旅』の幕であった。 いわゆる“道行”もの。 昨日書いたように、歌舞伎で決まりものの幕。 「忠臣蔵」にもあって、こちらは「お軽、勘平」。 道行というくらいで、恋中の男女、が多いようだが、 「義経千本桜」では静…

歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その3

引き続き「義経千本桜」通し。 弁当を食べて、二幕目。 『渡海屋』『大物浦』という、二場ということになるのか。 幕が開くと、渡海屋という廻船問屋の店。 一幕目の義経やら静やらが出ていた、時代ものから 一気に、世話物のような雰囲気になる。 時代もの…

歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その2

引き続き「義経千本桜」通し。 初演は歌舞伎ではなく、文楽。 いわゆる人形浄瑠璃、である。 人形浄瑠璃での初演は1748年(延享4年)、大坂竹本座。 歌舞伎になったのは翌年、伊勢で。 だが、さらにすぐ翌年に江戸中村座にかけられている。 作は、二代目竹田…

歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その1

10月12日(土) さて。 歌舞伎、で、ある。 やっと、と、いうべきであろうか。 ご存知の通り、この4月に歌舞伎座の新築がなり、 こけら落とし公演が続いていたが、やっと観にいくことにした。 まあ、今までいかなかったのは、いろいろな理由があったが 今月…

怪談噺・乳房榎 その2

さて。 赤坂大歌舞伎『乳房榎』から、その原作である 三遊亭圓朝作、落語としての怪談噺『乳房榎』について、 書いている。 この噺のテーマはなんであろうか。 この問いをもう一度考えてみたい。 前回、テーマはない、と、書いた。 これは、芝居を観ての偽ら…

怪談噺・乳房榎 その2

さて。 赤坂大歌舞伎『乳房榎』から、その原作である 三遊亭圓朝作、落語としての怪談噺『乳房榎』について、 書いている。 この噺のテーマはなんであろうか。 この問いをもう一度考えてみたい。 前回、テーマはない、と、書いた。 これは、芝居を観ての偽ら…

怪談噺・乳房榎 その1

さて。 赤坂大歌舞伎『乳房榎』に引き続いて、 三遊亭圓朝作、落語としての怪談噺『乳房榎』について、書いてみたい。 以下、お話そのものを書いてしまい、いわゆるネタばれになる 部分もあるので、今後この芝居を観たいと思われる方は、 ご注意いただきたい…

赤坂大歌舞伎 その2

引き続き、赤坂大歌舞伎。 芝居の具体的な内容に入る前にお昼に買ったお弁当。 中身はちらし寿司。 茶懐石寿司の[赤坂・福鎚]というところのもの。 ちょっと大阪寿司のような感じのものなのであろうか。 値段もよいが、見栄えもよく、うまかった。 さて。 『…