浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



歌舞伎座十月大歌舞伎 通し狂言義経千本桜 その1

dancyotei2013-10-13


10月12日(土)



さて。



歌舞伎、で、ある。


やっと、と、いうべきであろうか。


ご存知の通り、この4月に歌舞伎座の新築がなり、
こけら落とし公演が続いていたが、やっと観にいくことにした。


まあ、今までいかなかったのは、いろいろな理由があったが
今月は「義経千本桜」の"通し"であることが最大の理由。


歌舞伎トウシロウの私などには、通しで見なければ、
と、このところ思っていたから。


人気の演目の人気の幕だけ観せられてもまるで
わからない。
話しがわからないというだけではなく、勉強をしていいっても
"作品"がわからない。


歌舞伎を観に行ったことのない人へは
是非とも、原作通り一本まるまる最初から最後までやる
通しのものを観に行かれることをお勧めする。


雰囲気を味わいたいというだけなら一幕見もよいが
多少でも理解したいと思うのなら、絶対に"通し"である。


人気の演目の人気の幕だけを集めた興行は"ご通家"の
皆々様にまかせておけばよい。


と、いうことで「義経千本桜」通し。


これは通しは通しでも、なんと、昼夜通し。


歌舞伎というのは、通しでも昼の部だけ、
あるいは、夜の部だけ、というのが普通だが、
義経千本桜」は一日全部をかけてやる。


そうとうに、長い、と、いうことなのか。


よし。


それならば、全部観よう。


え〜い、面倒だ。どうせなら、一日で全部観ようか。


と、いうことで、内儀(かみ)さんの都合も合わせて、
今日、昼夜、通しでチケットを取った。


過去、この作品は一幕だけの興行を二回、観ている。


一つは「稲荷前」。


もう一つは今年2月「吉野山」。


吉野山」は所作事という(お約束の)、ほぼ踊りの幕。


この時も、どちらも、わけがわかっておらず、
満足なコメントができていない。


まったくもって、むずかしい。ハードルの高い演目である。


11時開演なので、9時頃から着物に着替え、
10時すぎ出る。


今日もよい天気で最高気温の予想が31℃。
劇場の中はむろん空調は効いているだろうが
やはり暑かろう。


本来、衣替えはすぎているので、裏のある袷(あわせ)を
着なければいけないのだが、絹物の袷というのは
どう考えても暑い。
今の感覚では12月ぐらいの気温が袷にはちょうどよいくらいでは
なかろうか。


そこで時候外れだが絽の羽織に縮という真夏の形(なり)。


久しぶりの歌舞伎座


稲荷町から銀座線に乗って銀座で降りて歩く。


入場前にいつものように対面の木挽町[辨松]にまわる。







歌舞伎座が新築されてから、前を通りかかったことは
あったが、改めて見てみると、後ろにタワーがあるが、
あまり以前と変わった感じはしない。


[辨松]で二段のものを買う。


中で買うよりも安いし、池波先生も書かれているが
以前は中でも売られていたはずで、歌舞伎見物の弁当とすれば
[辨松]が大定番だった。
やはり私としては、これは踏襲したい。


それに、今日は昼夜だし、さすがに二食[辨松]は
なかろうが、一食は[辨松]。


急いで、交差点を渡り歌舞伎座前へ。


表は一幕見の行列もあり、ごった返している。


混雑のためであろうか、外でイヤホンガイドの貸し出しを
している。内儀さんの分も借りる。


発券機も列。


券を引き取って、入る。


これだけでも大汗をかいてしまった。
やはり、暑い。


席は、1階の中央比較的前の方。


筋書と、ビールとお茶を買って、座る。


座席の間隔が広くなっている。


横幅も広くなっているのではなかろうか。


開演、既に5分前。



演目と配役を書き出して置く。


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歌舞伎座新開場柿葺落


芸術祭十月大歌舞伎


文化庁芸術祭参加公演平成25年度(第68回)文化庁芸術祭参加公演



昼の部



通し狂言 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)



序 幕 鳥居前



佐藤忠信実は源九郎狐 松 緑


武蔵坊弁慶 亀三郎


静御前 梅 枝


亀井六郎 歌 昇


片岡八郎 種之助


伊勢三郎 米 吉


駿河次郎 隼 人


笹目忠太 亀 寿


源義経 菊之助



二幕目 渡海屋


    大物浦



渡海屋銀平実は新中納言知盛 吉右衛門


女房お柳実は典侍の局 芝 雀


相模五郎 又五郎


入江丹蔵 錦之助


亀井六郎 歌 昇


片岡八郎 種之助


伊勢三郎 米 吉


駿河次郎 隼 人


武蔵坊弁慶 歌 六


源義経 梅 玉



三幕目 道行初音旅



佐藤忠信実は源九郎狐 菊五郎


逸見藤太 團 蔵


静御前 藤十郎




夜の部



四幕目 木の実


    小金吾討死



いがみの権太 仁左衛門


若葉の内侍 東 蔵


主馬小金吾 梅 枝


猪熊大之進 市 蔵


鮓屋弥左衛門 歌 六


小せん 秀太郎



五幕目 すし屋



   いがみの権太 仁左衛門


小せん 秀太郎


弥助実は三位中将維盛 時 蔵


お里 孝太郎


お米 竹三郎


鮓屋弥左衛門 歌 六


若葉の内侍 東 蔵


梶原平三景時 我 當



大 詰 川連法眼館

佐藤忠信/忠信実は源九郎狐 菊五郎


静御前 時 蔵


駿河次郎 團 蔵


亀井六郎 権十郎


飛鳥 秀 調


川連法眼 彦三郎


源義経 梅 玉


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つづく。