浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



立ち喰い鮨・浅草まぐろ人・上野広小路出張所

4715号

1月17日(金)第一食

さて。
今日は、鮨。
年明け、初になる。

寒中には、なんとなく生ものという
気分にはならないのである。

お馴染みの[浅草まぐろ人

なのだが、今日は、上野広小路
呑むので、今回から歩き、大江戸線、一駅。
ちょうど、バスが行ってしまったのである。

14時すぎ到着。

浅草は、このところウイークデーでも
入れないことがあるが、ここは大丈夫。

ここも立ち喰い。
真っ直ぐの長いカウンターが奥まで。
雷門の立ち喰いよりも収容人数は多いだろう。
そこに、男の一人客が1人、2人、3人ほど。
板さんも一人。

以前にここにきた時は、夜で混んでいたと思うが、
やはりこのくらいがよい。

お酒、ぬる燗。

松竹梅豪快の一合ガラス瓶。

いつも通り、いかと白身から。

いかはもちろん、すみいか。
大きいものかと思ったが、意外に(?)
よいものかもしれぬ。よい歯応えと柔らかさ。

平目と鯛。平目はなかなか脂がある。
鯛は皮付き。厚切りでうまい。

あれ?、ここで気が付いた。
ホワイトボードに昆布〆が二つあった。
一つは、金目。もう一つは、ただ、白身昆布〆、と
書かれている。板さんに、白身昆布〆、って、
魚はなにか、聞いてみると、なんのことはない平目、
とのこと。
じゃ、両方ください。

金目。

皮付き。
これもまた、よい脂ののり。
水分もほどよく抜けてうまい。

平目昆布〆。

ちょっと、浅め、か。

そして、いつも通りこの二つ。

お分かりになろうか。
私は、違いがまったくわからない。

左かんぱち、右しまあじ
食べてもわからない。が、うまい。
歯応えと白身と光物の脂の香り。
うまければ、どちらでもよい、か。

次は、光物。三点盛。

左から、小肌、鰯、鯵。

え?、これが小肌。
切り方も〆鯖のよう。
かなり大きいもの。身も厚い。
これはこれで、別物として、味はよろしい。

鰯は半身。冬の鰯もまた、うまい。
鯵も上々。

残った光物、

〆鯖と、イレギュラーもの二つ、白子軍艦と
生牡蠣にぎり。

[まぐろ人]はどこも同じなのであろう。〆鯖は浅草
同様の、ほどよい〆加減。

そして、白子。むろん鱈であろうが、これは極上。
ものすごく冷たいとろける白子が心地よい。
軍艦の海苔も重要な役割を果たしている。
海苔がよい仕事、してますね~。

そもそも軍艦は海苔の面積が大きく、
種だけでなく、うまい海苔であることが
大切であろうが。

まあ、もちろん鱈白子軍艦は伝統的江戸前鮨では
あり得ないのだが、これは実はかなりの相性では、
なかろうか。
白子だけで食べるのとは、明らかに違う。
これが鮨にする絶対的意義である。
酢飯、海苔、白子、ぽん酢しょうゆの組み合わせ。
この相性がそうとうよい。

生牡蠣。
これは、鱈白子ほどはにぎりに合ってはいなかろう。
ただ、生牡蠣はどこでも食べられるものでもない。
私には貴重な機会、で、ある。
たくさんはいらないが、冬には食べたいもの。
やはり、うまい。

ここらで、かなり腹の具合もよい加減。

最後、まぐろ三点。

大とろ、中とろ、赤身。

毎度書いているが、まぐろはここの看板。
経営するのは、日本一のまぐろ仲卸、
と壁の貼り紙にも書かれている。

もちろん、冷凍の解凍ものではなく、生まぐろ、
で、あろう。

大とろは厚切り。たっぷりの脂。
部位はどこなのか、ちょっと歯応えがある。
中とろも上々。
赤身のこの色。
みずみずしい。解凍ものにはない、うまみ。

以上、ここまで。

勘定は、ちょいと忘れてしまったのだが、
やっぱり、4000円台ではなかったか。

上野広小路もすいているこの時刻ならば、
よさそう、で、ある。

 

浅草まぐろ人

台東区上野4-4-1

 

 

 

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