浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



スパゲティー・カルボナーラ

4495号

1月26日(金)夜

さて。
たまにはこんなもの。

スパゲティー・カルボナーラ

好物といってよいだろう。
うまいもんである。

定期的に作っている。
全卵と、チーズ、黒胡椒、ベーコンで作る。
イタリア北部、ローマ地方のパスタなので、本式なら、
チーズは羊乳のペッコリーノ・ロマーノを使うのだが、
よくあるパルミジャーノ・レッジャーノでもよい。
ベーコンも本式なら豚バラの塩漬け、生ハムのパンチェッタを使う。
チーズに塩味があるので、必要があれば塩も入れても
よいが、この玉子、チーズ、ベーコンと黒胡椒の四つだけ。
カルボナーラのカルボは炭で、黒い色を
意味しているので、黒胡椒は外せない。

思った通りの仕上がりが作れるようになるのには
なん回も作らねばならなかった。
卵を半熟にそれも全体が均一に、トロっとさせる。
会得した今は、百発百中でできるようになっている。

と、いうことなのだが、少し前から流れている、ハウスの
シチューミクスのCM、ミキティーの。
「生クリームなしでカルボナーラも作れちゃう」
というやつ。
ご覧になった方もあるかもしれぬ。

ご存知のようにシチューミクスは、クリームシチューの
素である。
ベシャメルソースを作らなくてよい。
昔はこれもよくダマになっていたが、最近は溶けやすくも
なっているよう。
私は使わないが、時間のない子育てをする親には
便利この上なかろう。

それはよいのだが、書いている通り、カルボナーラには
生クリームすら入れない。

正直、驚いた。
これはカルボナーラではなく、クリームスパゲティーであろう。
これをカルボナーラと呼ぶのか!?。
あり得なかろう、と。

しかし、待てよ、少し考えてみた。
ハウス食品が言っているのだから、これでよいのだろう。
もちろん、ハウスはそんなことは百も承知の上で言っているはず
である。ミキティーだって知っている可能性は高かろう。
だが、子供にパルミジャーノ・レッジャーノじゃないだろう、と。
むしろ、流石ハウス、端倪すべからざる見解と、と褒めるべき
かもしれぬ。批判はまったく想定の範囲。

まあ、私のような年寄がいうのは場違いで的外れ、なの
だろう。

国民一般、特に30歳代くらいであろうか、のカルボナーラ
レシピの認識はここにある、ということが一つ。
また、もう一つ、どうしたら誰でも超簡単で、そこそこ
うまいものが作れるかということ以外、今は興味は持たれない
ということ。

そんなものか。

だがまあ、知らないのでれば、知ってほしい。
知っていても損ではないはずである。
カルボナーラには、生クリームも使わず、全卵と
ペッコリーノ・ロマーノまたは、パルミジャーノ
レッジャーノだけで作るレシピもある、と。
本物のパルミジャーノ・レッジャーノなどで
なくともクラフトなどのいわゆる粉チーズでも問題はない。
そして、一度食べてほしい。
作るのには多少訓練が必要だが、一度覚えれば、そうそう
難しくはない。まったく違うもので、違う味である、と。

ともあれ。作る。

一人前で、全卵二個。ペッコリーノ・ロマーノ
今、ないので、パルミジャーノ・レッジャーノをおろす。

パルミジャーノ・レッジャーノの量はテキトウ。
今日はこんな感じにしたが、ちょっと多め。
加熱して、チーズは溶けるので問題はない。
チーズ感が強くなるだけである。

短冊切りベーコンを少し油を入れ、炒める。

今、短冊切りされたベーコンが売られているので、便利。
薄切りはいけない。

ボールの全卵を割りほぐし、おろしたパルミジャーノ
レッジャーノを合わせておく。

スパゲティーをゆでる。

ベーコンは炒め終わり。

スパゲティーがゆで上がったら、ベーコンのフライパンに移し
パルミジャーノ・レッジャーノと合わせた玉子を掛ける。

フライパンに点火。強火でよい。だが、ここから慎重に。
熱があがってくるのを待ち、かき混ぜる。
かき混ぜながら、フライパンの鍋肌に注意を集中。
鍋肌に玉子がふれている部分から固まってくる。
固まってきたら、すぐに火から外す。
火をとめても、熱が残るので、外した方がよい。

とにかく、ぼやぼやしてはいけない。
一瞬が命取りになる。
スクランブルエッグになってしまう。

火から外し、また混ぜる。
混ざったらもう一度、火の上に。

混ぜながら、、また固まってきたら、火から外し、混ぜる。
これを繰り返す。

目指すは全体が均一にトロっとなめらかな半熟状の
ソースになった状態。

ここまでもってくれば、OK、消火。
黒胡椒を電動ミルでたっぷり挽き、まぶし、混ぜ、
またまぶし、混ぜ、全体に行き渡らせる。
たっぷりがよろしい。

これで、出来上がり~!。

皿へ、盛り付け。

ビールを開けて、食べる。

うまい。

これが、私の好きな、スパゲティーカルボナーラ
で、ある。

 

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。