浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



蒸し餃子 その1

4359号

6月17日(土)夜

さて、餃子、で、ある。

私は不器用で、餃子の包みがうまくない。

驚くのだが、世の中には、まったく手元を見ずに、
話しをしながらも、実にきれいに包める人がいる。
プロでもなく、若い女の子でも。
小さい頃から、お母さんとやっていた、と。
ここまでの人はまあ、珍しかろうが、私の場合、
器用さという意味ではやはり大いに足りていない
のであろう。

ともあれ。
なぜ餃子かというと、前述のようにアイドルの
女の子が、TVで先のように包んでいるのを見たから。

で、久しぶりに餃子を作ろうか、と思い立った、
のである。

餃子といっても、私のものは、日本のノーマルな
餃子ではない。野菜を入れない中国風のもの。

ゆでてもよいし、蒸してもよい。
だが焼かない。

日本の焼き餃子というのは満州からの引揚者が
戦後持ち込んだという。そもそも餃子というのは
広東など南よりも北京など北のもの。
そしてあちらでも焼き餃子は一般的ではなく
ゆでた水餃子。これが余った場合、翌日、焼いた。
これが焼き餃子と聞いたことがある。
理由はわからぬが、日本では焼き、が、定着した。

ともあれ。

野菜の入った日本の焼き餃子というのは、うまい。
最近、特に冷凍食品のレベルアップはかなりのもの。
あれで、十分。安いし、きれいに焼ける。

必要なものは、皮から作るのでまず小麦粉。
これは、薄力粉:強力粉、1:1。
豚肉。豚バラを叩く。
ねぎ、生姜のしぼり汁。
調味料として、紹興酒、しょうゆ、胡麻油。
そして全卵。
こんなもの。日本のように野菜は入れない。
あれば、小海老。

時間が掛かるので、まず皮の準備。

皮は自作。
売っているものは薄すぎる。
自作だと厚めになるが、これが食べ応えがあってよい。

前半は手打ちうどんと同じ。
前記の配合でこねるのだが、これ、なかなか難しいし、
手間でもある。いろんなものが粉まみれになる。
それで、機械を使う。
自動パン焼き器のこね機能。

レシピは半量で、薄力粉、強力粉各75g。

ここにぬるま湯75㏄、塩5g。

これで、こね、15分、スイッチオン。

15分後、こんな感じ。

らくちん。
ラップをして、冷蔵庫へ。
これを伸ばして麺状に切れば、うどんになる。

これで、足りないものの買出しに出る。

豚バラスライス。
作りすぎてもしょうがないので、小さなパック。
小海老は冷凍の適当なものがなく、入れなことにする。
他のものはすべてある。

中華点心は豚肉なのだが、豚挽き肉ではいけない。
脂が多いものがよいし、挽肉では細かすぎる。

たねを作り始める。

豚バラスライス。

まず、細く切る。繊維方向と直角に千切り。

それを縦横に、叩く。

このくらい。

生姜をおろす。
ねぎはみじん切り。繊維方向に切れ込みを入れて
小口切り。

おろした容器にねぎも入れ、水を入れる。

水に、ねぎと生姜の香りを出し、
このしぼり汁のみを使う。
つまり、使うのは香りとエキス、ということである。
これが、中華の点心らしさに、なる。必須。
しばらく置く。

叩いた豚肉をボールへ。

よくこねる。
ほんとは手がよいのだろうが、ねとねとで、
脂まみれになるので、スプーンで。
肉をつぶしながら、粘りが出るまで。

豚肉のねばりを出すが、これも必須。
アミノ酸、うまみが出る、と。
これもやらないと、点心にはならない。

これは、なくてもよいのだが、ラード。

全卵。

しょうゆ、紹興酒胡麻油、先ほどのねぎ生姜のしぼり汁。
ちょっと味覇

よく混ぜる。

これも一度休ませる。

さて、1~2時間後。

 

つづく

 

 

 

 

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