浅草在住、断腸亭錠志の断腸亭料理日記はてな版です。(内容は本店と同じです。)

断腸亭料理日記本店



韓国 その2

dancyotei2018-04-25

引き続き、韓国出張。

昼ご飯の、仁川(インチョン)のチゲ鍋のうまい食堂。

ものとしては既にできているようで、温まったら食べられる。





入っているものは白菜のキムチ、豆腐、肉。

肉は豚。

スライスではなく比較的大きく切られている。

辛さは、そこそこ辛い。

豆腐は人数分2丁のようである。

キムチは酸味の強い古漬けのようなもので、

スープ自体も酸っぱい。

これに銀色の蓋つきのお椀入りのご飯が付いている。

私は辛い物がいける、というと、炒め物も取ってくれた。

玉ねぎと豚肉のコチュジャン炒めといった感じ。

いう通り、そこそこ辛いが、甘みもある。

辛いが甘いのは、韓国料理によくある感じであろう。

サンチュもついているので、ご飯と一緒に巻いて食べると

教えられた。

しかし、どちらも同じような味なので、飽きる?。

いや、そのために、ナムルやらのおかずがあるのか。

しかし、日本同様に白いご飯がちゃんと出るのは、あたり前のこと

なのであろうが、同じなんだぁ〜と、ナチュラルに

親しみを感じた。

もちろん白いご飯はまったく同じもの。

ご飯(米)の味は日本の方がうまい、というのが最近

韓国で話題になっているようだが、今回食べた限りでは

私の味覚では特段不足は感じられなかったが。

(情報を総合すると、お米は日本の方が品質管理がやはり徹底している

ようである。栽培から収穫、採れた時の品質、脱穀から流通、精米

販売までの一連の課程の温度だったり、空気に触れるかどうかなど

かなり気を付けている。韓国では農家がそもそも味よりも収量を重視している

とか、ブレンドが普通で日本のように品種や産地ブランドというようなものが

発達していない。また、流通過程の管理も日本ほど厳重ではない。

また、欠けていない完全米の割合も日本の方が高いという。

私など、堅い柔らかい、といった炊き方に由来する部分は

気になるが、米そのものの味は日本でもあまり気にならならず

今回も十分おいしいと感じられたが。)

さて。

午後、ミーティングを片付けて、夜。

夜も同僚とその上司が付き合ってくれた。

ちょっと珍しい焼肉が食べられるというところ。

場所は、ソウル郊外の一山(イルサン)というところ。

行政区画としては、ソウル市ではなく、高陽(コヤン)市。

ソウルのベッドタウンとのこと。

ただ、盛り場もあり、比較的若い人が多いところのよう。

近くにMBC(韓国文化放送)の放送局があって、

ちょっとお洒落なところ。

店の名前を聞き忘れ。

近くに「ラフェスタ」というファッションビルがある界隈。

木曜日、5時台。

例えば東京だとどのあたりに相当するのかわからぬが

新宿、渋谷ほどの人は出ていないが、年齢層とすれば

高校生などもよく見かけるようなところ。


(日本よりもこちらの女子高生は、化粧が濃い。

日本でも知られているが、韓国では高校生の頃に美容整形、

二重にするなどいわゆるプチ整形を皆がする、

というのは、本当らしい。7〜8割?。)

その店はビルの中、エレベーターであがって、

そこそこ大きな店舗。

ファミレスのようなボックス席が並んでいる。

座って、お決まりのおかずが出て、ビール。

テーブルの真ん中にガス台があって、そこに

すき焼き鍋のような鉄の鋳物の鍋。



(これがお店の名前なのか。悲しいかな、ハングルは読めぬので。)

生の牛肉、厚めのサーロインが置かれる。

ステーキ肉といってよろしかろう。

調理は、お姐さんがしてくれる。

日本のすき焼きのように牛脂を広げ、サーロインを鍋に置き、

大量の丸のままのにんにく、ゆでたジャガイモと一緒に、焼く。

にんにくは炒める感じ。

片面肉を焼いたらひっくり返し、もう片面。

両面軽く焼いて、持っている鉄製のコテで、

切る、というのかちぎる。

ちぎったら、火が入りすぎないように、

ゆでたジャガイモの上にのせる。じゃがいもはこれが役割のよう。

これで、食べて!、というもの。

肉の中は半生。

塩と胡麻油、あるいは、コチュジャン、をつけて食べる。

まあ、ちぎった

ステーキ。

肉もよいのであろう。

柔らかく、うまい。

こういう食べさせ方は初めてであるし、

おもしろい。

にんにくも丸のままなので、焼けばホクホク。

これでもかと、3人でサーロイン3枚分を食べて、次。

これは完全に生、で、ある。

そして、最近日本でも流行っている、熟成肉とのこと。

赤身。

まずは塩と胡麻油だけで食べてみる。

どういう処理をしているのかわからないが、

ドリップのような水気(みずけ)がほとんどない。

肉の扱いは日本などよりもずっと歴史が長く、

手慣れているのであろうし、日本で危惧される

ような問題はなく、安心してよいのであろう。

(そういえば、以前にパリのレストラン

タルタルステーキを珍しがって食べて、腹をこわし、熱まで

出てしまった。)











つづく







P.S.実際に帰国して一週間経つが、特に腹をこわしたようなことも

なかった。